依存状態
「………」
「………」
「………」
「(^_^;)…」
「………旦那様。」
「?」
「私の家は、貴方様の家の援助が無ければ、会社が潰れてしまう、瀬戸際に立っております。」
「はい。」
「ですので、此度の婚約。
私は、旦那様の性奴隷になるつもりで、此方に参りました。」
「はい。」
「ぶっちゃけると、流血以外の性癖には、応える覚悟で参りました。」
「!! 俺、どんなイメージー持たれてたんだよ。」
「ですが、流石に【依存】は、想定外です。」
「まあ、そうだろうね。」
「依存に関するものが多過ぎます。」
「ですが、殆どの人は、無自覚に、そうなっている可能性があるんですよね?」
「万年バカップルとか万年新婚夫婦とか観たら、その可能性が高いと思えるよね。」
「ですので、私は揺らいです。」
「【依存】は、流石に、怖いです。」
「ん。 仕方ないよ。」
「申し訳ありません。」
「謝る必要はないよ。」
「はい。」
「………あの、旦那様。」
「何や?」
「参考までに、旦那様が依存状態だった時の話をして頂けませんか?」
「………いいよ。」
「た、だ、し。 俺は、そうとう運が良かったって事を、念頭に置いておいてほしい。
俺の依存状態は、情報媒体に書いてある内容と違いすぎるからな。」
「はい。 わかりました。」
「ん。 大学を辞めて、彼女と会わなくなってから、俺は毎日、〈彼女に相応しい人間になろう〉と思っていた。」
「相応しい人間?」
「あるいは、〈彼女の為になる事/彼女の+になる事をしよう〉。 と思っていた。」
「………具体的なプランはあったのですか?」
「無い。」
「ただ、その2つか3つのおかげで、俺は、どんな苦しい時も乗り越えれた。」
「周りに理解されなくても、何を言われても、無視できることができた。」
「何があっても、どんな事があっても、耐えられる事が出来た。」
「頭の中は、彼女の事でいっぱいだったよ。」
「………依存に対する考え方が、変わりそうです。」
「ああ。 本当に、運が良かった。」
「………狂信者にも見えそうですね。」
「ははは。 俺もそう思ったよ。」
「問題があったのは、依存状態が終わった後だったな。」
「依存状態でなくなったのに、ですか?」
「なんていうか、活力がなくなった、又は湧かなくなったていうのかな?」
「………ああ。 活力源が無くなったからですね。」
「多分そう。 オマケに、」
「オマケに?」
「無意識に、彼女の愛称でリズムを取るようになったな。」
「怖。」
「しかも、治らねぇ。」
「( ̄▽ ̄;)」
「まあ、これぐらいかな?
性行為をしてたらどうなるか、具体的な説明が出来なくて、申し訳ないけど。」
「いえ、十分です。
教えていただき、ありがとうございます。」
さて、どうしましょう。
情報媒体で知り得た依存の症状。 旦那様の症状。
2つは違いすぎる。
旦那様と同じ症状に成れれば、メリットのみ。
情報媒体で知り得た症状に成れば、………良くて万年バカップルかな。
なんだ。 結局は、旦那様しだいじゃないか。
それなら、
「………質問してもよろしいですか?」
「何でしょうか?」
「旦那様は、私が経験済だった場合、どうしますか?」
「まずは、病院に行き、感染症にかかってないか、調べます。」
(即答かよ。)
「そして、童貞卒業。 快楽に慣れるまで、貴女に待ってもらいます。」
「………」
「慣れた後は、貴女が良かったと思う行為。 出来ればアブノーマル以外で、の内、上位3つを、いつでも再現できるように、努力します。」
「はい。」
「3つが出来るようになったら、続いて2つ。
2つが終わったら、又2つ。」
「あの、私そんなに淫乱に見えますか?」
「1人しか経験がなくても、良かった行為は、複数有ると思います。」
「そして、全て再現できるようになったら、今度は私色に染めます。」
「幸いにも、私には知識が有りますので、肉体と精神の両方ともに、貴女を満たせてみせます。」
「………1つだけ、いいですか?」
「?」
「旦那様には、プライドが無いのですか? 男性としてのプライドが。」
「その程度の安いプライドで、貴女を満足させれるなら、必要ありません。」
「そうですか。」
(とりあえず、受け入れるだけの人間性でないことは、解った。)