割と知られていない、童貞喪失時の失敗
デザートを食べ終わると、旦那様は食器を洗いに向かわれた。
私はお客様ということで、座っていていいとのこと。
旦那様が動いているのに、私だけが座って休んでいるのは、いたたまれないが、正直、そう言われた時は、助かったと思った。
なぜなら、体が火照っているうえに、頭の中がグチャグチャしているから。
あんな説明をされて、関連性のある食事を振る舞われて、実際に体が火照る。
意識しない方が無理。
旦那様は、「情報を教える。」と言いました。
それしか言いませんでした。
つまり、実演をするかどうかは、言われていません。
先程、「大体8割くらい話した。」と仰られましたが、残り2割が、そうかもしれません。
そうなった場合、大丈夫でしょうか?
旦那様は、多分童貞。 「実践は無い。」言うてたし。
そして私は未通女。
処女喪失は激痛だと聴きます。
旦那様は博識であられるので、大丈夫だと思いますが、どうなのでしょうか?
………今だと、処女喪失の時の激痛は、仕方のない事だと、思えてしまう。
まさか、性知識にこれだけの差が有るなんて、思ってもみなかったもの。
………もしかしたら、処女喪失の時の激痛を和らげる器具を、開発してたりして。
まさかね。 そんなこと、ないよね………。
「ふぅ〜。終わった〜。」
「!!お疲れ様です。 すいません。私ばかり、何もせずに。」
「ええのええの。 貴女はまだお客様なんだから。
それに、あんな内容を聞かされてるんだから、休んで当然や。」
「ありがとうございます。」
「そんで、残りの話する?
もうちょっと休んだ方がいいなら、止めとくけど?」
「いえ、大丈夫です。
残りの話も、お願いします。」
「解った。
と言っても、何から話せばいいか、悩ましいんだけどね。」
「理由を教えていただいても、よろしいですか?」
「内容が短いのと、内容が不確かなのしかないから。」
「でしたら、短い方のから、お願いします。」
「解った。」
「これから話すのは、貴女が女性だから、話す内容で。 話す理由は、知っておいて欲しいからです。
それと、義務教育で教えとけとも思える内容です。」
「はい。」
「内容は【童貞喪失時の失敗】です。」
「【童貞喪失時の失敗】?」
「処女喪失が激痛なのは、知ってますね?」
「常識ですね。」
(やっぱりこの後………。)
「では、男性は?」
「えっ?」
「童貞喪失時の失敗は、知ってますか?」
「………そういえば、聴いたことがありませんね。
それどころか、考えたこともないです。」
「一応これも、寝盗られ/破局/セックスレスに繋がる情報だから、義務教育で習う必要が有ると思うんだけどね。」
「そうなんですか?」
「そうなんです。
ちなみに、私が知っているので4つほど、失敗があるよ。」
「!!多いですね。」
「ジャンル分けすると、2つになるけどね。」
「教えてください。」
(もし、旦那様もそうなったら、困るし。)
「①【精神的なもの】イップスと言えば解るかな?
⑴[緊張しすぎて、勃起しない。]
⑵挿入したものの、中で、勃起が収まる。 通称【中折れ】。
この2つは、病気としても認知されているから、治療法も有るよ。」
「中折れ、折れ、折れるんだ………。」
「実際には折れないよ。」
「そうですか。 でも、本当に、治療法は有るんですね?」
「有るよ。」
(良かった〜。)
「けど、もう1つの方は、治療法は無いよ。
それどころか、気付いていない人の方が多いかな?」
「ええ!!」
「でも、病気じゃないよ。
知っていれば、治せれる内容らしいけどね。」
「どんな内容です?」
「②【挿入時に、今まで体感した事の無い快感を得る事による、暴走】。
⑴挿入→即射精。
人によっては、出し切って、そこで終わり。
⑵相手のことを一切考えない無茶苦茶なピストン運動か、単に出し入れするだけのピストン運動。」
「………これは、どうすればいいのですか?」
「慣れさせるか、女性側がハッキリと意見を言いきかせれば、治る可能性が有ると思うよ?」
「そんなことよりも、イメージしてほしいんだけど、」
「はい?」
「女性が処女喪失で痛みに耐えているのに、
男性が気持ちよさそうにしてたら、どう思う?」
「腹が立ちますね。 ああ、そういうことですか。」
「そういう事。
だから、処女喪失にしろ童貞喪失にしろ、初めての相手は、慣れている人の方がいいと思うんだよね。」
「………私も、同感です。」
「なのに、」
「?」
「男性は、処女や、初めての男に、スッッッッッゴク拘る。 特に童貞に、その傾向が強いらしい?」
「ええ!!」
「これが本当にムカつく。
ここまで色んな情報を入手しているのに、俺も、その気持ちがぬけない。」
「ホンマに、何やねん。 この潜在意識は。
何で無くならへんねん。 鬱陶し過ぎる。」
「………たいへんですね。」
「オマケにな。 女友達や幼馴染は自分の所有物。 自分以外と性行為をするはずがない。」
「!?」
「っていう、訳の判らん潜在意識も持っているんだよな。」
「馬鹿でしょ。 !すいません。口が過ぎました。」
「いいや。俺も同じ思いや。 気にせん。」
「っと、話がズレたな。すまん。 話を戻すわ。」
「何故俺が、この話をしたかというと、」
「俺は、貴女の事を蔑ろにするつもりは無い。
結婚するんだから、貴女の事を幸せにする努力を怠るつもりはない。 絶対に。」
「ありがとうございます。」
「やけどさ、さっき話した、童貞喪失時の失敗の2つ目は、理性でどうにかなると思えない。
だから、知っておいて欲しかったんよ。」
「解りました。 その時になったら、ハッキリと、私の意見を言います。」
「お願いね。」
「はい。」
「だから、女性は性教育で、【初めて性行為をした演技】を習うべきだと思うんだよね。」
「………騙せますかね?」
「多分、AVとか漫画での知識しか持っていないと思うから、いけると思う。」
「そうですか。」