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10/25

割と知られていない、童貞喪失時の失敗

デザートを食べ終わると、旦那様は食器を洗いに向かわれた。

私はお客様ということで、座っていていいとのこと。


旦那様が動いているのに、私だけが座って休んでいるのは、いたたまれないが、正直、そう言われた時は、助かったと思った。

なぜなら、体が火照っているうえに、頭の中がグチャグチャしているから。


あんな説明をされて、関連性のある食事を振る舞われて、実際に体が火照る。 

意識しない方が無理。


旦那様は、「情報を教える。」と言いました。

それしか言いませんでした。

つまり、()()()()()()()()()は、言われていません。


先程、「大体8割くらい話した。」と仰られましたが、残り2割が、そうかもしれません。


そうなった場合、大丈夫でしょうか?


旦那様は、多分童貞。 「実践は無い。」言うてたし。

そして私は未通女。

処女喪失は激痛だと聴きます。

旦那様は博識であられるので、大丈夫だと思いますが、どうなのでしょうか?

………今だと、処女喪失の時の激痛は、仕方のない事だと、思えてしまう。

まさか、性知識にこれだけの差が有るなんて、思ってもみなかったもの。


………もしかしたら、処女喪失の時の激痛を和らげる器具を、開発してたりして。

まさかね。 そんなこと、ないよね………。


「ふぅ〜。終わった〜。」

「!!お疲れ様です。 すいません。私ばかり、何もせずに。」

「ええのええの。 貴女はまだお客様なんだから。

それに、あんな内容を聞かされてるんだから、休んで当然や。」

「ありがとうございます。」

「そんで、残りの話する?

もうちょっと休んだ方がいいなら、止めとくけど?」

「いえ、大丈夫です。

残りの話も、お願いします。」

「解った。

と言っても、何から話せばいいか、悩ましいんだけどね。」

「理由を教えていただいても、よろしいですか?」

「内容が短いのと、内容が不確かなのしかないから。」

「でしたら、短い方のから、お願いします。」

「解った。」


「これから話すのは、貴女が女性だから、話す内容で。 話す理由は、知っておいて欲しいからです。

それと、義務教育で教えとけとも思える内容です。」

「はい。」

「内容は【童貞喪失時の失敗】です。」

「【童貞喪失時の失敗】?」

「処女喪失が激痛なのは、知ってますね?」

「常識ですね。」

(やっぱりこの後………。)

「では、男性は?」

「えっ?」

「童貞喪失時の失敗は、知ってますか?」

「………そういえば、聴いたことがありませんね。

それどころか、考えたこともないです。」

「一応これも、寝盗られ/破局/セックスレスに繋がる情報だから、義務教育で習う必要が有ると思うんだけどね。」

「そうなんですか?」

「そうなんです。

ちなみに、私が知っているので4つほど、失敗があるよ。」

「!!多いですね。」

「ジャンル分けすると、2つになるけどね。」

「教えてください。」

(もし、旦那様もそうなったら、困るし。)

「①【精神的なもの】イップスと言えば解るかな?

⑴[緊張しすぎて、勃起しない。]

⑵挿入したものの、中で、勃起が収まる。 通称【中折れ】。

この2つは、病気としても認知されているから、治療法も有るよ。」

「中折れ、折れ、折れるんだ………。」

「実際には折れないよ。」

「そうですか。 でも、本当に、治療法は有るんですね?」

「有るよ。」

(良かった〜。)

「けど、もう1つの方は、治療法は無いよ。

それどころか、気付いていない人の方が多いかな?」

「ええ!!」

「でも、病気じゃないよ。 

知っていれば、治せれる内容らしいけどね。」

「どんな内容です?」

「②【挿入時に、()()()()()()()()()()()()()を得る事による、暴走】。

⑴挿入→即射精。

人によっては、()()()()()、そこで終わり。

⑵相手のことを一切考えない無茶苦茶なピストン運動か、単に出し入れするだけのピストン運動。」

「………これは、どうすればいいのですか?」

「慣れさせるか、女性側が()()()()と意見を言いきかせれば、治る可能性が有ると思うよ?」


「そんなことよりも、イメージしてほしいんだけど、」

「はい?」

「女性が処女喪失で痛みに耐えているのに、

男性が気持ちよさそうにしてたら、どう思う?」

「腹が立ちますね。 ああ、そういうことですか。」

「そういう事。

だから、処女喪失にしろ童貞喪失にしろ、初めての相手は、慣れている人の方がいいと思うんだよね。」

「………私も、同感です。」

「なのに、」

「?」

「男性は、処女や、初めての男に、スッッッッッゴク拘る。 特に童貞に、その傾向が強いらしい?」

「ええ!!」

「これが本当にムカつく。

ここまで色んな情報を入手しているのに、俺も、その気持ちがぬけない。」


「ホンマに、何やねん。 この潜在意識は。

何で無くならへんねん。 鬱陶し過ぎる。」

「………たいへんですね。」

「オマケにな。 女友達や幼馴染は自分の所有物。 自分以外と性行為をするはずがない。」

「!?」

「っていう、訳の判らん潜在意識も持っているんだよな。」

「馬鹿でしょ。 !すいません。口が過ぎました。」

「いいや。俺も同じ思いや。 気にせん。」


「っと、話がズレたな。すまん。 話を戻すわ。」


「何故俺が、この話をしたかというと、」


「俺は、貴女の事を(ないがし)ろにするつもりは無い。

結婚するんだから、貴女の事を幸せにする努力を怠るつもりはない。 絶対に。」

「ありがとうございます。」

「やけどさ、さっき話した、童貞喪失時の失敗の2つ目は、理性でどうにかなると思えない。

だから、知っておいて欲しかったんよ。」

「解りました。 その時になったら、ハッキリと、私の意見を言います。」

「お願いね。」

「はい。」

「だから、女性は性教育で、【初めて性行為をした演技】を習うべきだと思うんだよね。」

「………騙せますかね?」

「多分、AVとか漫画での知識しか持っていないと思うから、いけると思う。」

「そうですか。」

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