17話 青のポーション
夏風邪で更新が遅くなりました、申し訳ありません。
今度こそ、ラトト村に行こうと森を移動すると、村の捨て場を見つけた。
ちょうどいいので、要らない物を捨てて行くことにする。
ここに来るまでに、気温が少し上がって、ポーションの色の変色が早い。
特に傷を癒すポーションと痛みを軽減するポーションがよく変色する。
ソラを捨て場から見える岩の近くに置いて、捨て場に足を踏み入れる。
ゴミ入れ専用のマジックバッグから、ゴミを出していくが。
「……あれ?」
出てきたゴミの中に青色系のポーションが見あたらない。
変色して白く濁ったり、黒く濁ったりしたポーションなのだが……。
マジックバッグをひっくり返すが、やはり出てこない。
バッグの中を覗いて手を入れてみるが、やはり無い。
青色系は傷を癒すポーションなのだが、この村に来るまでに、多くが変色してしまった。
「おかしいな」
バッグの底に穴が開いていないかを確かめても問題はない。
他のゴミはあったのだから当たり前だが……。
逆さにしてパタパタしてみるが、やはり何も出てこない。
記憶では13本のポーションがゴミになったはずだ。
……どこに行ったのだろう?
探しても無いので諦めて、補充できるポーションを探す。
青系の傷がいえるポーションと緑系の痛みが消えるポーションは多めに欲しい。
劣化版は暑さに弱く、この2つの種類はすぐに変色してしまう。
だが、森の中で一番多く使うので、なるべく量を確保しておきたい。
捨て場を見て回り、ポーションをマジックバッグに入れていく。
ある程度拾った事を確かめてから、ソラの元に戻る。
「ごめん、お待たせ」
ソラはプルプルしながら風に転がっていた。
……もう少し安全な場所を探せばよかったかな。
抱き上げて、ラトト村を目指す。
人の気配が近づいて来たところで、ソラをマジックバッグに……。
「しまった、ポーションが」
多めに確保したポーションがマジックバッグに入っている。
他のバッグも似たような状態だ。
空なのはごみ専用のバッグ……これは駄目。
ソラを見る。
「ごめんね、ちょっとだけ辛抱してね」
今日は村の様子と、この村周辺の情報を調べに来ただけなので、すぐに村を出る予定だ。
ものすごく迷ったが、ポーションが入っているバッグにソラを入れた。
早くソラ用のバッグを準備しよう。
ラトト村に入って、すぐに冒険者が集まっている場所を探しながら、村の様子を調べる。
村の様子から、この村周辺で何か大きな問題がおきている事はなさそうだ。
あとは森の中の情報だ。
魔物や人を襲う動物の事なら、冒険者の話が一番だ。
村の中心には酒場があり、冒険者が集まっている店も多くある。
こういう所では、彼らは狩ってきた魔物や動物の事を自慢げに話すので、森の様子が分かりやすい。
一番情報が集まるのは夕方だ、ほろ酔い気分の時の話が一番信用が出来る。
それ以上になると、話を盛り始めるので意味がない。
ゆっくりと道を歩きながら、彼らの声を拾って行く。
彼らの話から分かった事は、この村の近くの森は比較的安全という事だ。
よかった、ソラをバッグから出してあげられる。
ただし、気になる話も耳にした。
ヘビの魔物が増えている兆しがあるようだ、村から討伐依頼が出る可能性があると言っていた。
場所的には、次の村に向かう村道のようだ。
これは少しこの村に居て、様子を見た方がいいのだろうか。
あとは……狩りをしてお金を稼ぎたいな。
野ネズミが多くいれば、私でも狩れると思う。
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