11話 野ネズミを狩る!
罠を確認する。
野ネズミが2匹。
今日は、全部で5匹の野ネズミを捕まえる事が出来た。
この村では牙イノシシを狩る事が出来ると聞いた。
そちらの方が稼ぎが良いので、野ネズミを狩る人は少ない。
牙イノシシが暴れると野ネズミが逃げる。
その逃げ道を見つけてしまえば、あとは罠を張るだけ。
最初の予定では、1日に2~3匹の狩りが出来るように罠を張った。
でも、それ以上の野ネズミを狩ることに成功している。
3日だけで、狩った数は24匹。
かなりうれしい状態だ。
全ての解体を済ませて、バナの葉で綺麗に包む。
見た目だって大切と前の私が言っている。
本当だろうか?
よくわからない。
村に入って、村人に変化がないかを確かめる。
これは意外に重要な事なのだ。
村人が慌ただしい時は、村に何か事件が起こった時、また手におえない魔物が現れた時などだ。
周りを異様に気にする時は、お尋ねモノの情報が回った時で意外にわかりやすい。
今日は、いつもより村人に活気があって賑わっているように見える。
何かあったのだろうか?
警戒をしながら、買い取りをしてくれている肉屋を目指す。
「お、今日も野ネズミか?」
「はい、大丈夫でしょうか?」
「あぁ、問題ない。
収穫が終わったから、今週末には行商の奴らが一気に移動するんだ。
干し肉の需要が一気に上がるんだが、村の奴らがな……」
「?」
「牙イノシシが少し増えて、狩りやすくなったって言って、みんなそっちに行きやがった」
なるほど、誰も狩らないから私でもいっぱい狩ることができたのか。
「しかも、昨日は森の中に牙イノシシの集団を見たとか。今、人を集めているんじゃないか?」
先ほどの賑わいはそのためか。
牙イノシシが集団でいるなら、森の中は危険かもしれない。
今日の寝床を考えないと。
「はい、お金。狩るやつがいないからな、少しだが買値を上げたんで、2550ダルだ」
「ありがとうございます」
初日を合わせると、全部で2650ダルを稼いだ。
そろそろ次の村に移動する頃合いだろう。
しかし、肉屋の干し肉を見る。
値段が上がっている。
需要があるなら仕方がないが、値上がりの前に買っておけばよかった。
「ん?もしかして干し肉が欲しいのか?」
「はい、そろそろ次の村に行こうかと」
「そうか……世話になった礼だ。ちょっと待っていろ」
店の亭主が奥から何かを持ってくる。
「干し肉の端切れだ。これだったら100ダルでいいぞ」
受け取ってみてみる。
たしかに干し肉の端切れだが、量はかなり多い。
これだと10日分は賄える。
「ありがとうございます」
100ダルを渡して、もう一度お辞儀をして肉屋を出る。
少し考えて、人が賑わうほうへと歩いていく。
牙イノシシがどのあたりに集団でいたのか、情報が欲しい。
その情報を元に、森の中をどの方向に進めば安全かを検討しよう。
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皆さんのおかげです、ありがとうございます。
引き続き、よろしくお願いいたします。