モブNo.39:『って、おい!帝都テレビ!非戦闘員はコロニーに退避だっていってんだろうが!』
御貴族様と『
そして19日目の朝。
駐艇場でおっちゃんといっしょに出発の準備をしていると、
『えー皆様おはようございます。
皆様の懸命な努力により、本日分の作業で、浮遊していた
よって、何事もなく本日の作業が終了した場合は、終了証明書を受け取った後、コロニーの方に宿泊していただき、翌朝、帰路についていただくことになります。
報酬は、それぞれご依頼を受けた先に支払い済みですのでそちらで受け取ってください。
幸い大きな事故や怪我人もでておりません。
このまま最後まで気を抜かずにやりとげましょう!』
という、やけに気合いの入った責任者の一斉通信が流された。
かなり減っていたのはわかっていたけれど、ゴールが見えてくるとなかなか感慨深いものがある。
「じゃあもう一息ってわけか。これでまた一杯やれるぜ」
おっちゃんは、作業中の判断がにぶったら命取りになるからと、休みの前の日以外は飲まないようにしているのはさすがにプロなだけある。
そうして僕とおっちゃんが作業を始めてから2時間ほど経ったころ、
『緊急警報!緊急警報!現在未確認船団が接近中。船体コード確認を拒否していることから海賊と判断。
非戦闘員はコロニーに退避。
休憩中の傭兵は直ぐ様迎撃準備を。
作業現場にいる傭兵で燃料補給が必要なものはコロニーに退避の後、燃料補給をして速やかに迎撃準備を!』
という緊急警報が発せられた。
僕はおっちゃんを回収し、直ぐ様コロニーに退避を始めた。
そうして続々と船がコロニーに向かうなか、戻らない船があった。
傭兵の船なら問題はないのだけれど、
『って、おい!帝都テレビ!非戦闘員はコロニーに退避だっていってんだろうが!』
『『深紅の女神』の戦闘が撮れるんだ!引いてたまるもんか!』
『ああそうかい!じゃあ責任は取らないからな!』
テレビ局の船はヤバいだろう。
ジャーナリズムなのかどうかはしらないけど、チョロチョロされるとめちゃくちゃ邪魔なんだけどなぁ。
そしておっちゃんを下ろして現場にもどると、またすぐに一斉通信が入った。
『傭兵諸君。私は
通信元は『深紅の女神』で、どうやら彼女が臨時の指揮官になるらしい。
やっぱり
『足の速い船は私と一緒に撹乱・撃墜を。そうでない船は防衛を頼む。軍と警察には連絡済みだから、それまで持ちこたえるぞ!』
『『『『『『『『『『おーっ!』』』』』』』』』』
彼女のセリフに続き、傭兵達は盛大に
やっぱり主人公サイドの人のカリスマ力は凄いね。
これなら軍と警察が来るまで十分持ちこたえるだろう。
僕は当然防衛の方にまわった。
が、はっきりいって軍と警察に連絡する必要はなかった。
戦闘開始からわずか30分。
『深紅の女神』の発破のせいで全員気合いが入りまくっていたのと、彼女自身の活躍がすさまじく、閃光が瞬く度に、海賊の船が行動不能や残骸に変わっていく。
さらにはアーサー君もいるわけだから、はっきりいって向こうが気の毒になるほどだった。
とはいえすり抜けてくるやつはいるので、こちらもしっかりとやることをやった結果、海賊団は全て沈黙してしまっていた。
軍と警察が到着し、海賊団とその船を回収、個々の
そのせいで僕とおっちゃんの終了時間の午後6時までには終わらず、全ての作業が終了したのは午後9時=21時になってしまったが、海賊に勝利したのもあって終了時には歓声が沸き上がった。
当然だけど、そのあとは何時であろうと祝勝会兼打ち上げが自動的に開始される。
僕はそれには参加せず、終了証明書を受け取り、夕食を食べてからホテルの部屋にもどった。
その途中アーサー君達に声をかけられたけれど、丁寧にお断りをさせてもらった。
なによりお酒が苦手だしね。
おっちゃんは僕が酒が苦手なのは知っているため、お疲れの挨拶をするだけだった。
本人は仲間内と飲み明かすつもりらしい。
そうしてホテルの部屋にもどると、シャワーを浴びて部屋着に着替える。
テレビでは、さっそく今回の戦闘を『深紅の女神』を中心に特集していた。
お。アーサー君とセイラ嬢も出てる。
あの2人はこれから指名依頼が増えそうだ。
翌朝。
僕は混み合うのを避けて、翌朝一番にコロニーを出発することにした。
いろんな所で酔って寝ている人達がいるかとおもったけれど、意外と誰もおらず非常に静かだった。
アーサー君達やヴォルバードさんには、昨日の内に挨拶は済ましている。
管理のために起きていた職員さんに挨拶をしてから、コロニーを後にした。
惑星イッツから惑星コルコスまでは1日かからなかったが、帰る時はゲートを駆使しても2日がかりだ。
ゲートが双方向ならありがたいのだけど、こればっかりはどうしようもない。
そして朝出発してから、翌日の午後6時30分には、本拠地である惑星イッツに戻ってきた。
駐艇場に船を置き、燃料だけは入れておく。
それから建物を通り、受付ロビーに向かい、ローンズのおっさんに終了証明書を渡した。
「久しぶりだな。間違いなく依頼はこなしてきた様だな」
「最後の海賊がいなかったらもっとよかったけどね」
軽く愚痴をいいながらも、支払い手続きを見守った。
「まずは固定の200万。それから、お前が潰した海賊船が7機で284万。合計484万だ。
と、いってきた。
そう、今回明記はされていなかったが、海賊の船の買い取りが許可されたらしい。
おかげで予想外の収入が入ってきた。
「4万だけ現金で」
なぜそうしたかは、銀行で両親に今回の報酬の1/3を送金する必要があるからだ。
4万だけ引けば480万を160万で3分割できるからね。
あとは明日にでも銀行にいって送金するだけだ。
その時ロビーにあるテレビから信じられないニュースが流れてきた。
『ただいま速報が入りました。先日収集作業が終了し、発掘・抽出・精製した惑星コルコスの
惑星コルコスの
あっさりやられる名もなき海賊団…
そしてそのあとにあらわれた?大怪盗…
どっちが勇敢なのか
ご意見・ご感想・誤字報告よろしくお願いいたします
今週にコロナワクチンの接種(1回目)をうけます。
どうなるか分かりませんので、次週は投稿をおやすみさせていただきます。
場合によってはということもありますので、ご理解のほどをよろしくお願いいたします。