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ついてきた者

PV20万突破しました~~~!!!


ありがとうございます!!!

ありがとうございます!!!


ちょっと今はストックが心許ないんで、早出し出来ませんが、またがっつり貯めて早出ししようと思います!!


こんなに読んで下さりありがとうございます!!また、これからもよければお付き合い下さいませ!!


本当にありがとうございました!!!

メアルが跳ばされた方向へと走って数分後、俺は自分の後をついてくる者の気配を感じていた。それなりの速度で走っているのに、その気配が一向に消える事は無い。このままでは埒があかないと思い、俺はその場で足を止めて振り返るとそこにはーーー


「おや?足を止めてどうされましたか?メアル様のためにも急ぎませんと」

「……何故お前がここに居る」


ナミニッサの執事であるフロイドが居た。胡散臭い笑みと共に。俺は半眼で睨むようにフロイドを見ているが、涼しい顔で受け流している。


「私がここに居る理由は単純でございます。ナミニッサ様の指示の元、ワズ様に協力するためでございます」

「……協力?いや、別に助けは」

「メアル様が跳ばされたであろう場所への心当たりも道案内も出来ますが?」

「必要だな。お願いします」


善意は素直に受け取ろう。目的を見失っちゃいけない。今大事なのはメアルを俺の頭の上に戻す事だ。


「それで、メアルはどこに跳ばされたんだ?北にある温泉街じゃないのか?」

「はい、それは間違いないと思われますが、あの者が言っていた彼女という言葉に、人族やめてるワズ様を闘わせてみたいという言葉から推測してみると、あの者が指し示す人物なのですが、おそらく『北の勇者ハオスイ』様かと。北の温泉街はハオスイ様が住んでいる場所ですので」

「おい、誰が人族やめてるだ」


失礼な!!まだ人族だぞ、一応!!なんならギルドカードみせてやろうか?スキル欄に問題人物多数だから見せないけどさ。


「それで、えっと、北の勇者ハオスイだっけ?勇者なのに、あの行商みたいな奴の仲間なのか?」

「なんと言いますか、ハオスイ様は善悪に興味がないのです。ただ、強い者を求める傾向が強い方でして……そういった部分をつかれたのではないかと……」

「……ふ~ん」

「まぁ、会えばわかる事でございます」


フロイドが優雅に一礼する。その所作は完璧に執事なのだが、俺はその姿にどうにも胡散臭さを感じる。


「で、ここからその温泉街にはどうやって向かえばいいんだ?」

「そうですね……先程の速度で進めば、この先にある川を渡った先に村がありますので、まずはそこで一泊しましょう。そこから先はいくつかの選択がありますので、宿でご相談とまいりましょう」

「わかった。じゃ、行くか」


そのまま俺はフロイドの道案内の元、先程と同じ速度で走っていく。ふと、どこまで着いてこれるのか試したくなったので、少しずつ速度を上げていったのだが、フロイドは汗一つ掻いていない涼しい顔で着いてきた。あれ?もしかして、コイツ相当強いんじゃないか?


「明らかに速度を上げたのに、よく着いてこれるな」

「執事ですので」


……やっぱ胡散臭い。






恐ろしい程の速度で川を超え……というか速度を出しすぎて、そのまま川の上を走り抜けてしまった。もちろんフロイドも……そのまま村へと向かおうとしたが、道端に肩から血を流している人が倒れていた。視界に入った瞬間、俺達は急激に速度を落として介抱へと向かう。


「大丈夫ですか?」


声を掛けるが、意識が無いのか何の返答も無く、そのまま近付くと倒れていたのは高齢のおじいさんだった。フロイドがおじいさんの状態を確認する。


「……まだ生きてます」


フロイドがどこからか包帯を出して、適切であろう処置で傷を治療し、おじいさんを近くにあった木陰へと連れていき休ませる。


「この先にある村の者でしょうか?もしそうなら村で何かあったのかもしれません」

「……まぁ、この人が起きればわかるだろ」


今俺の中では2つの気持ちが攻めぎあっていた。1つは勿論、今すぐにでもメアルを助けに行きたい気持ち、もう1つは目の前の人を見捨てる事が出来ない気持ちだ。その2つを上手く処理出来ずにいるため、少しイライラしている。俺はまずは落ち着くように深く息を吸って吐く。すると、そんな俺の様子に気付いたフロイドが声を掛けてきた。


「大丈夫ですよ。あの者の目的はワズ様を温泉街へと行かせる事です。メアル様を傷付ける事ではございませんよ」

「……わかってるよ」


そんな保証もないのに断言しちゃってまぁ……俺のイライラを少しでも和らげるためだろうか……まったく俺はカッコ悪いなぁ……ふぅ……メアルを信じて、いつも通りの俺で会うために、いつも通りで行くか……


「……うっ、ここは……」


おじいさんが目を覚ましたのでフロイドが事情を聞くと、おじいさんはブフと名乗り、この先の村の住人で、何故傷を負って倒れてたかというと、先程村が盗賊に襲われたのだが、盗賊の人数が少なかったため何とか撃退したのだが、飼っていた牛が興奮して逃げ出してしまったために探しに出ていたそうだ。傷を負っていたのに治療もせず探していたため気を失ってしまったという訳だ。事情を聞き、俺とフロイドは軽く相談して、また盗賊が村を襲っている可能性もあるため、ブフさんと共に俺が村へと行き、フロイドは逃げ出した牛を探して連れてくる事になった。


フロイドは直ぐ様、牛を探しに近くにあった森へと入っていき、俺はブフさんを担いで村へと向かった。

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