増えてる……
「ふぅ~~~」
俺は大きく息を吐いた。いや~疲れた……正直負けると思ったし……俺は足元のフリューゲルを見る。……寝てました。気絶してるとかじゃなくて、グースカ寝てます。豪快にいびきもかいてるし。なんというか……図太い……
俺はため息をついて周りを見回す。他の戦いはまだ続いているようだ。魔物の数も減ってはきているが、まだまだ後ろから現れてきている。赤い盾の集団も以外に粘り強いのか善戦しているようだ。中央のナミニッサ達も頑張っている。俺が一通り戦場を眺めているとメアルが空から俺の頭目掛けて降ってきた。俺の頭に着地すると、よくやったとペシペシと叩いてきた。俺はメアルの頭を撫でると懐からギルドカードを取り出してステータス確認をする。俺がフリューゲルの攻撃に耐えられるようになった理由がここにあると思ったからだ。血を1滴垂らしてギルドカードを見ると、いくつかの変更点があった。
ステータス部分は多分変更は無かったとざっと流して見たが、スキル部分が変わっていた。
スキル
「格闘」Lv.3
「極食人」(固有)
「状態異常ほぼ無効」
「大地母神は過保護」(固有)
「戦女神が見初めた」(固有)
「女神はイライラしている」(固有)
by 女神 大地母神 戦女神
………………。
おっと、新しい神様が増えている。え?何故だろう……何か気に入られるような事しただろうか……
よ、よし……このまま眺めていてもしょうがない。見ていこうか……はぁ……
まず「格闘」スキルはいい。念願のスキルだ。しかし、どうやって覚えたのだろうか。やった事と言えばフリューゲルにボコボコにされながら、動きを目で追っていた事ぐらいだ。う~ん……あれかな。フリューゲルとやりあっている事が師と弟子の組手みたいな事になっていたのかな?まぁ、いっか。とりあえず、覚えたんだからいっか。
続けて見たのが
「大地母神は過保護」
キャーーー!!!私のワズ君がボコボコにされてるーーー!!内部破壊ですって?そんなの許しませんよ!!私の超加護で体内部もVITに比例するように強くしちゃいます!!えぇ~~~い!!!
……なんだろう……この神様何やってんの?何やってくれてんの?これじゃ、ますます人じゃなくなって……なく……なって……
俺は急いで種族の部分を見た。
種族:人族(77%)
減ってる~~~!!!減っちゃってるよ~~~!!!減っちゃいけないと思ってた部分が減ってるよ~~~!!!ほんと何しちゃってくれてんの、大地母神様……
気を取り直して次を見てみる
「戦女神が見初めた」
いや~久々に熱い殴り合いを見たね!!私も久々に血が熱くなったよ!!もし会えたら私とも一戦やろうぜ!!もし私に勝てたら抱いていいぜ!!私が勝ったら抱かせて貰うぜ!!
……え?何この神様?なんだろうか、何も考えていない戦闘バカな感じを受けるんだけど……ていうかさぁ……なんなの抱くとか抱かせて貰うとかさぁ……結局やる事は一緒だよね?いや違うか。どっちが主導権を握るかって事なのか……そういう問題じゃねぇよ!!
俺はため息を吐いて最後のスキルを見た
「女神はイライラしている」
ちょっと貴女達!!ワズは私の!!!私のなんだからね!!!変なちょっかい出さないで下さい!!!ワズも私より先に彼女達に手を出したら許しませんからね!!!覚えておいて下さいね!!!
いつの間に俺は女神様のモノになったのだろうか……しかも他の神様達に牽制してるし……段々女神様の嫉妬が強くなっているような……気のせいだと思いたい……
ふぅ……もう文章には慣れた。わかってたさ。文章である事には。しかし、どうしたもんか。さらに強化されるとは……そして、俺のギルドカード内がなんか集会所みたいになってきてるんだが……まさか、これ以上増えないよな?大丈夫だよな?
俺は再びため息を吐いて周りを見る。相変わらず戦は続いている。さて、どうしようか……ナミニッサ達の戦いには参加しようとは思わない。多分、デンローガは自分達の手で終わらしたいと思ってるだろうから。もちろん命の危機的状況なら迷わず参戦するが、今見る限りだとその心配は無さそうだ。そうなると他の戦いを手助けした方がいいな。魔物達か、赤い盾の集団か……う~ん……めんどくさい。両方潰すか。
俺は戦場に向け駆け出した。