村に着いたけど……
PV7万、ユニーク1万突破しました~!!
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リニックの街から王都へ辿り着く街道には2つの村が存在している。その内の1つ、オイシの村にはリニックから徒歩で5日程かかる。俺はその事をオーランドから聴くと、村に着くまでの間を使ってたっぷりと鍛えてやった。時折現れる魔物を1人で相手させたり、普通に相手をしたり、いろいろとやった。だが、どうも何も掴めなかったのか、これといった成長はなかった。まぁ俺が痛めつけすぎたせいで多少VITは上がっていると思うけど。とまぁ、そんな感じでゆっくりと歩いてオイシの村へと向かっていたら、5日で着くはずが7日かかってしまった。
俺とオーランドはオイシの村へと入っていく。それほど大きくはないが、周辺はレンガ造りの壁に囲まれ宿屋や酒場が多く、完全に王都に向かう人達向けの造りをしていた。ただ、人が見当たらない。宿屋の人もお客も誰も居なかった。俺とオーランドは互いの顔を見合わせると周辺の警戒へと気を配った。オーランドは腰から下げている剣を抜き、俺は念のため頭の上でキョロキョロしているメアルにも注意を促しておいた。
そのままゆっくりと進み、村の広場のような開けた場所へ着くと中央に人だかりが見える。何やらざわざわしていた。……う~ん。俺がその光景を見ていると、オーランドは剣を鞘に納め人だかりへと近付いていく。
「どうかされましたか?」
「っ!!」
オーランドが声をかけると全員身構え、こちらを値踏みするようにジロジロと睨みつけてくる。すると1人の男が人だかりの中から出てきた。
「……どちら様で?」
「あっ、すいません。私達はリニックから王都に向かってる最中の旅人です」
「そうですか……申し訳ないですが現在あなた達の相手をしていられる状態ではないので、どうぞこのままお通り下さい」
「ですが、何やらただ事ではない様子ですし、よければ力になりますよ」
オーランドが人に好感を与える笑顔全開でそう言う。俺にはそんな笑顔は無理だな。前に出てきた男は再び人だかりに戻り相談を始めた。ちらちらとその視線はオーランドではなくメアルを見てくる。その視線に嫌なものを感じた俺はオーランドを呼び寄せる。
「おい、なんか嫌な感じなんだが、さっさと通過しないか?」
「何言ってんだよワズ。困ってる人が居るなら、騎士として助けないと!!」
……まだ騎士じゃないよね?なに?そういう心構えでいるって事ですか?……はぁ。ため息を吐いた後、俺がオーランドにさらに強く出ようとするが、その前に先程の男がオーランドに話しかけた。
「お待たせして申し訳ない。事情を話しますので、力になれそうでしたらお願い出来ますでしょうか?」
「えぇ!!任せて下さい!!」
もういいや、と視線を広くし人だかりの方へ向けると何人かが飛び出してどこかに消えていった。
「実は先程盗賊に襲われまして、村の女子供が拐われてしまったのです」
「何ですって!!それは大変だ!!」
「それで今、村の若い衆を集めて奪い返しにいこうかと思ってまして……」
「わかりました。自分も多少は腕に自信がありますので、是非お供させて下さい!!」
「そう言って貰えると助かります」
「ワズももちろん行くよな?」
オーランドが確認をしてくるが、俺は返答をせず考える振りをした。う~ん……
少しの間、悩んだように見せ返答する。
「いや、俺はここに残るよ」
俺の返答にオーランドはえっ?という顔を見せるが、男の方は一瞬難色を示したかのような顔をした。それを確認した俺は一応それっぽい事を並べ立てた。
「もしかしたら、また盗賊が来るかもしれないし、俺はここを守っておくからオーランドはそっちに行ってくれ。大丈夫、今のお前ならそう簡単にはやられないだろうから」
「……そっか、確かにその危険性もあるし、二手に分かれた方がいっか。よし、ならここは任せた!!では、急いで向かいましょう!!」
「……え、えぇ」
オーランドは「行ってくる」と俺に言うと数人を引き連れ村の外へと向かった。頑張れよ 、これも鍛練の一貫だからな。オーランドが向かった方角へ顔を向けていると、先程の男が俺に話し掛けてきた。
「えぇと、あなたは行かれないのですか?」
「え?行く訳ないでしょ。だって、盗賊はここにも居るんだからさ」
俺は先程の男に向かって不敵に笑う。
「いや、だから盗賊はーーー」
「まず、女子供が拐われてるのは本当だろうけど、いくらなんでもこの場に誰も居ないってのはありえない。しかも居るのは若い男ばかりで老人すら居ない」
「次に、そこそこの村なのにいくらなんでもこの場に居た人数が少なすぎる上に、宿屋村なのに客が誰も居ないってのはなぁ。おそらく、この村のどこかに監禁してるんだろ?」
「最後にこれは推測なんだが、実際向かった先にもお仲間が居るんだろ?さっき人だかりから抜け出た奴等が報せに行って、お前達は後ろから襲う。挟み撃ちって訳だ。違う?」
俺が一気に捲し立てると、男は舌打ちをして手で仲間達に合図を送る。すると、何処からともなく集団が現れ、俺を中心に円を描くように包囲した。先程の人だかりの倍は居る。
「ヘッ!!そこそこ賢いようだが世の中言わなきゃよかったって事があんだよ。減った人数ならどうにか出来ると思ったか?残念だったなぁ」
男が勝ち誇ったようにふんぞり返り、後ろの男から剣を受け取っている。その間俺は軽く伸びをした。
「イチニ、サンシ……ゴロク、ナナハチ……」
「……?何をしている?」
「え?準備運動」
お前達をぶっ飛ばすためのな。