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『色欲』が演じたのは道化

PV5万越えました~!!


ありがとうございます!!

ほんとありがとうございます!!


これからも楽しんで頂けるよう頑張ります!!

このペースでいけるよう頑張ります!!


感謝の早出しは近々やりますので~!!


ではでは、本編いってみよ~!

城塞都市リニックの富裕層が住まう区画に最も立派で最も悪趣味な3階建ての屋敷がリニックの領主が住まう場所である。その最上階の一室は屋敷の外観以上に悪趣味な物が多く領主の品性を物語るような部屋であった。今その部屋へと背中に羽の生えた赤い目の領主が飛び込んで来た。領主はそのまま部屋にある丸型のベッドへと拐ってきたタタさんを放り投げ、その醜い顔をぐっとタタさんへと近付けた。


「グフフ、モハヤオマエニニゲバハナイ。イッショウオレノモノダ」

「ふざけないで下さい!!誰があなたのものになど!!今頃皆があなたを追い詰めるために、ここへ向かっているでしょう!!もう終わりです!!諦めなさい!!」

「グッフッフッ、ソレコソムダナアガキダ」


領主は気持ち悪い笑顔のまま、すごく長い舌を出しタタさんを舐めようと、手はタタさんの胸を揉もうと、ねっとりと近付いてーーー固まった。領主が触ろうとした相手が急に目の前から消えたからだ。


「ちぇい!!」

ドッ!!


触らせねぇよ。俺はタタさんを救いだした後、領主を蹴り飛ばした。領主は吹っ飛ばされるまま壁へと激突し倒れる。タタさんは俺にお姫様抱っこされている状態だ。役得役得~!!


「あ、あの……ワズさん?」

「あっ!タタさん、さっきは助けられなくてごめんなさい」

「い、いえ!それはいいんですが、どうやってここへ?」

「どうやってって、普通に門から?」

「バカヲイウナ!!コノヤシキノゴエイハA、Bランクソウトウノモノガ30ニンハイルノダゾ!!」


領主が立ち上がり、こちらを睨む。いや、本当に普通に門からなんだが……まぁ、その護衛ってのは今頃全員気絶してるけどね。もちろん俺が超速の動きでボコっただけだけど。死んではいないし、こんな奴の下にいるんだから、ろくなやつはいないだろう。多分。


「キサマハサキホドノヤツカ!マサカ、イキテイルトハナ!!イツノマニココニ!!」

「え?あんなんで死ぬ訳ないだろ。それといつの間にって最初から?」

「バカゲタコトヲ!ドウヤラショウジキニイウツモリハナイヨウダナ!!」


え~、正直に言ってますけど。ほんとに最初からこの部屋に居ましたよ。隙を伺ってたんだけどめんどくさくなって、タタさんにいやらしい手つきで触ろうとしたから制裁として蹴っただけです。


「イイカゲン、タタヲハナセ!!ソノオンナハオレノモノダ!!」


領主が何度も殴りかかってくるが、俺はその拳をひょいひょいとかわす。当たらないとわかると今度は魔法を使ってきた。


「ワガミズハ スベテヲツラヌクヘビ」


水で出来た蛇が襲い掛かってくる。コイツ、タタさんごと殺るつもりか!!だが水の蛇はタタさんを避けるように俺だけに噛み付いてきた。いやまぁ、痛くもなんともないんですけどね。


「グフフ!マダマダァ!


ワガホノオハ バンブツヲウガツ」


今度はいくつもの炎の玉がぐるっと高速で俺の背後に回り、背中の同じ箇所に連続で当たってくる。まぁ、全然効きませんけどね。やっぱこれはステータスアップの影響かなぁ。痛くもないし熱くもない。俺は平気なんだけど周りからすれば不安なのかもしれない。タタさんが今にも泣き出しそうな表情をしている。


「ワズさん!私の事はいいですから逃げて下さい!!このままじゃワズさんが!!」

「え?」


全然平気なんですけど。傷なんて1つもついてませんが。あれ?気付いてないのかな?炎の玉が当たった時に起きた煙でよく見えてないのかな? そうやって周りの煙を見て気を抜いたからこの後のタタさんの言葉に素直に答えてしまった。


「どうして……私なんかを助けるために来たんですか?」

「え?好きだから」


し、しまった~~~~~!!!!!こんな所で、こんな形で言うつもりなかったのに~~~!!!俺はドキドキしながらタタさんの方に顔を向けると目が合う。一瞬で顔が赤くなるのがわかった。タタさんも顔が赤い。俺達はほんの一瞬見つめ合うとタタさんが急に俯いた。


「だ、駄目ですよ……私みたいな女……好きになる価値ないですよ……もう綺麗な体じゃないんですよ」

「そんな事ない」


汚くなんかないです。


「いろんな人に抱かれたんですよ……領主にだって」

「関係ない」


自分を卑下しないで。


「で、でも……」


それでも自分を貶めようとする事にちょっとイラッとした俺は唐突にタタさんを降ろすと、両肩をガッと掴んで真っ正面から見つめる。


「それでも俺は!!タタさんが好きなの!!わかった?」


タタさんは顔を見たことない程真っ赤にして、コクコクと頷く。その時、ちょうど煙が晴れ領主が俺に突っ込んできているのが見えた。まぁ、気配でわかってたけど。


「キサマ!!サキホドカラ、オレノオンナニチョッカイヲーーー」

「誰がーーー」


タタさんの肩から手を離し拳を握る。おっと手加減手加減。タタさんにグロ光景は見せたくない。


「お前の女じゃ!!ボケがぁ!!!」

ドゴムッ!!!!!


俺の拳が領主の腹にありえないくらいめり込む。それだけで領主は気を失い「カハッ」と口から赤い玉を吐き出した。赤い玉は床に落ちる前に砕けて消えていく。またか……


領主の体はエルフの里で見た奴のようにひび割れていた。

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