改めて伺いました
ブクマ100件越え記念とPV3万越えたので感謝の早出しします!!
ありがとうございます!!
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ここまで読んで頂き本当にありがとうございます!!
これからも毎日更新と面白いと思って頂けるよう頑張りますので、よければお付き合い下さい!!
いつもの時間にも投稿しますので!!
ではでは~!!本当にありがとうございます!!
わかってる。あんなすんごい美人に相手にされる訳がない。自分の容姿は平凡なくらい理解している。釣り合うはずがない。きっと同情か何か裏があるに違いない。あの時の言葉もきっと本気じゃないさ。じゃなきゃ、俺にまた来て下さいなんて言うはずがない。深い意味なんかない。だから期待するな。希望なんか持っちゃいけない。きっと痛い目をみる事になる……
よ、よし……心の予防線はこんなもので大丈夫だろう。そうでも思っておかないと、心が落ち着かない。今でもタタさんの事を思い出すだけで、頬が熱くなって、心の中が何やら燃えてくる……
タタさん、すんごい綺麗だなぁ~……
……ハッ!!いかんいかん。危ない危ない。危うく心を持っていかれる所だった。ふぃ~っと、額に浮かぶ汗を拭う。やっぱ会いに行くのは危険じゃなかろうか ……だけど、会いに行かないのもなんか嫌なんだよなぁ。それに、ギャレットさんにも迷惑をかけただろうし、謝りに行くためにも1回は行かなきゃいけないんだけど……はぁ……お酒にだけは気を付けないと……
よし、行くか!!
夜になってから歓楽街をびくびくしながら歩いていく。だってまだ2回目だし、前回は馬車だったし、まだまだ慣れないし落ち着かない。メアルは、さすがに連れていくのはどうかと思ったのだが断固として俺の頭の上から離れないのでそのままだ。時折、エロそうなお姉さんからお声がかかるが、顔が真っ赤になるのを自覚して足早にその場を逃げる。うぅ……やっぱり昼頃向かえばよかったと思うが、ギャレットさん達が寝てたら邪魔になるかと思い、夜に向かう事にしたんだけど……やっぱりやめればよかった。けど、ここまで来た以上、今更なので向かう。
門の前には、黒服に身を包んだ屈強な男達が居た。服の上からでもわかるくらい筋肉が盛り上がっている。普通に歩いて現れた俺に男達は怪しい奴が現れたと思ったのか、威圧的な声で話し掛けてくる。
「坊主、ここに何か用か?ここは坊主みたいな奴が来れるような場所じゃねぇぞ」
あぁ、いい。わかりやすい。警備してる人ですね。なんかその対応にホッとするわ~。自分でも落ち着いていくのがわかるわ~。黙ってその場で安堵している俺を怪しんだのか、男達がにじり寄ってくる。
おっと!このままじゃ、彼等が怪我してしまう。
「あ~、すいません。一応ギャレットさんの知り合い?なんですが、面通りは出来ますか?ワズと伝えて頂ければわかると思うのですが……」
「「「ワズッ!!!!!」」」
男達が俺の名前に一斉に驚いた。え?なになに?どうしたの?
「旦那も人が悪いなぁ。最初にそう名乗ってくれりゃ、俺達も変に勘ぐったりしねぇのに……おい、ギャレットさんに伝えてきてくれ」
一番強面の人がそう言うと、後ろに居た人が館に向かって駆け出していく。
「えっと……あぁ、ギャレットさんから話がきていたんですか?」
「それもあるんですが、何よりこの街を魔人から救った英雄ですからねぇ、名前は知ってましたが容姿までは出回ってないんですよ」
「ふ~ん……あれ?てことは俺ってそこそこ有名なの?」
「有名なんてもんじゃありませんよ。今、この街では誰もが知っている名前ですね」
うわ~なんか名前だけ一人走りしてるみたいで恥ずかしいな。容姿、中身がこんなんで、ごめんなさいと謝りたい。
待っている間は、その強面さんを筆頭に警備の人達と談笑していた。さすがに、自分を殴ってくれと言う奴まで居た事には、苦笑いで断った。その後、ギャレットさんに確認しに行っていた人が戻ってきて、会ってくれるそうなので案内を頼むと、いきなり俺の案内人を決めるじゃんけん大会が始まった。いやいや、そこまでの人気を持ってるの俺って。結局、勝者は最初の強面さんで、両手を高々と上に挙げていた。おめでとうございます。
そして今は、強面さんの案内の元、ギャレットさんの部屋へと案内され、今はソファーに座って来るのを待っている状態だ。マナーがなってないかもしれないが、キョロキョロと部屋の中を見てしまう。メアルは俺の横でスヤスヤと眠っている。よく寝る子だな。黒を基調に揃えられた家具類に、適度な調度品。落ち着いた雰囲気の部屋に、ほぅ……と力を抜いているとギャレットさんが現れた。
「やぁ、待たせたかな?」
「い、いえ。待ってません。それより、昨日は酔い潰れて迷惑をかけただろうし、すいませんでした。今日はその謝罪に来ました」
「え?謝罪だけ?やってかないの?」
「ぶっ!!!」
いきなり何言ってんの、この人?
「え?ホントに謝罪に来ただけなのか?ここをどこだと思ってんの?男としてそれはどうなのよ?」
「うぅ……」
「ほれほれ、自分に正直になれよ!なんなら今すぐタタ呼んでやろうか?向こうは乗り気だぞ」
乗り気なの?……ごくっ。タタさんすんごい美人だし……
い、いやいや、やっぱ駄目だって。
「いやまぁ……なんと言いますか……やっぱり初めては……その……恋人と……」
「居るの?恋人?」
ズゥーーーーーーーン…………
俺はその場に崩れ落ちた。えぇえぇ、どうせ居ませんよ。そんな軽い感じで聞かなくてもいいじゃない。あっ、涙が出てきそう……泣いていいかなぁ……
「フフ……なら私が恋人に立候補しましょうか?それとも、体を売ってる女はお嫌かしら?」
いつの間にか、部屋の扉からタタさんがこっちを見ながら入ってきた。き、聞かれてた~~~!!!
「おいおい、盗み聞きとは行儀が悪いぞ。今は男同士の会話なんだがなぁ」
「ごめんなさい。ただ通りかかった時に私の名前が聴こえましたから。つい……」
そう言って悪戯っぽい笑みを浮かべるタタさん。美人だけどその笑顔は可愛らしかった。ちょっとドキッとしました。すぐ視線を逸らした顔は既に真っ赤になってる自信があります。会話を聴かれた事による恥ずかしさでね……
「それで、私じゃ駄目ですか?」
えぇ!!それは本気で聞いてるんでしょうか?からかわれているのだろうか?判別がつかない。うぅ……とりあえず今思ってる事を正直に言うべきか……
「えっと……駄目とかじゃないんですが……」
うぅ、落ち着け俺。
「やっぱり……そういうのは……もっとお互いを知ってからじゃないかなって……思うんですけど」
「そうですか……ならまずはお互いを知っていきましょう」
え?視線をタタさんに向けると、そこには優しい笑みがあった。
「今日はいきなりでしたので、このまま退きますが、今度はお互いを知るために私に会いに来て下さいね」
「あっ、はい」
なんか自然と返事してしまった。これでいいのだろうか?タタさんはそのまま優雅に一礼して部屋を出ていった。
「じゃ、警備の方にも伝えとくから、今度はタタに会いに来いよ」
ギャレットさんは俺とタタさんのやり取りを終始にやにやしながら眺めていた。俺がじと目を向けるが、その顔が崩れる事はなかった。
俺は1つため息をつき、メアルを頭の上に乗せると「失礼しました」と言って出ていった。