連れていかれた場所は……
ブクマ100件越えました!!
ありがとうございます!!
ほんとありがとうございます!!
近々、感謝の投稿が出来るよう少しペースをあげて頑張ります!!
これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります!!
ギルドの前には馬車が用意されており、それにレーガンと共に乗って移動している。金貨300枚は既に時空間魔法の中だ。移動中レーガンのいかにルーラが可愛いかの話を聞き流しながら、寝ているメアルを優しく下ろして椅子に寝かせて、小さな窓から外を確認してみると、レーガンが連れていこうとしている場所は街の1区画で、カジノや劇場、酒場等が多く点在している歓楽街だった。こんなとこ来るの初めてなんですけど。ドキドキしてきた。どこに連れて行かれるんだろう。
しばらくすると、馬車はある館の前で止まった。木々に囲まれ、豪華で大きな門から見える館は、より一層豪華で大きな2階建てだった。門から館に続く道もきちんと手入れをされており、ちょっと現実感を感じなかった。あれ?もしかして貴族に会うのだろうか?自分、作法とかわからないんですけど。着ているものも、いつもの服だし……大丈夫だろうか……
「ここはお前が今考えてるような所じゃねぇぞ」
冷や汗を流している俺にレーガンが否定の言葉を掛けてくる。
「じゃあ、何なんだよ?」
「ここは所謂、男が女を抱きに来る店だ。まっ、この街一番の最高級店っておまけが付くがな」
「…………………………はっ?浮気?俺を巻き込むなよ」
「バッ!!ちげ~よ!!ここのオーナーは俺達の冒険者時代のパーティーメンバーの1人なんだよ!!俺なりのお前への街を救ってくれた感謝の印に連れてきたんだよ!!」
俺がレーガンの言葉に動揺している内に、馬車は館の大きな扉の前で止まった。
メアルを頭の上に乗せ、レーガンと並んで扉の前で止まる。レーガンが扉をドンドンと叩く。
「お~い!レーガンだ。連れて来たぞ~!!」
すると扉が開き、中から白髪混じりの茶色の短髪で、黒のタキシードを見事に着こなしている細身のナイスミドルが出てきた。切れ長の目でレーガンと俺を確認すると、柔和な笑顔を浮かべる。
「よぅ、レーガン!早かったな!」
「こっちからお願いしといて、遅れる訳にはいかねぇからな」
「で、そっちのドラゴンを頭に乗せてる平凡そうな坊主が噂の英雄君か?」
……なんだ?笑顔で俺を威圧してくる。見た目とは裏腹に随分と好戦的な性格なのか?
「おいおい、やめろ!ギャレット!たしかにコイツは平凡なように見えるが内にある強さは、俺等が束で挑んでも多分傷1つ付けらんねぇよ」
「……だろうな。俺の威圧を平気で受け流すわ、感じる強さに底は見えねぇわ。魔人すら一撃だってのは信じるしかねぇな。ギャレットだ。ここのオーナーをやってる。宜しくな」
「はぁ 、どうも」
それからギャレットさんは、中へ入れよと扉を大きく開け、俺達を促してくる。中に入るとカウンターのような作りの場所を通り過ぎ、さらに奥に進むと広く大きな応接間に案内された。
「まだ営業前なんで客は来ねぇから、ここでいいだろ。今、飲み物持ってくるからちょっと待ってろ」
ギャレットさんが応接間に隣接されている一室に入っていく。応接間には2階に続く階段と数多くの部屋扉が見える。応接間の中央に置かれているテーブル類は落ち着いた雰囲気を感じさせる空間を作るように配置されているようだ。俺がキョロキョロと大人な空間に落ち着きを失なっていると、いつの間にかレーガンがどっかりと大きなソファーに座って、俺の様子を見て含み笑いをしていた。
「なんだお前、もしかしてこういう所は来た事ねぇのか?」
「ねぇよ……」
俺は仏頂面でレーガンの対面にある椅子に座る。メアルは俺がキョロキョロしている内に起き出して、この応接間に興味を持ったのか、今はパタパタと飛びながら応接間の中をぐるぐる回っている。
「まさか、経験も無いって事はねぇよな?」
「………………」
レーガンの問いに視線を逸らす。だって、俺モテないから。アリアには裏切られるし、サローナさんには断られるし……はぁ……
「そっか……まぁ……なんだ……いつかお前なら出来るって!!大丈夫だって!!なっ?」
下手な慰めはやめろ。泣きたくなってくる。
「ん?どうした?なんか変な空気作って?」
ギャレットさんが酒瓶を持って部屋から出てきた。なんでもないです。ギャレットさんは俺とレーガンの前にグラスを置き酒を注ぐ。
「で、一体なんの話をしてたんだ?」
そう言いながら自分のグラスにも酒を注ぐギャレットさん。蒸し返さないで。俺は両手で自分の顔を隠した。
「まぁ、なんだ……コイツがこういう店に来た事がないっつぅ事と……な……経験も無いっ……つぅ……」
「ふ~ん……英雄君は今いくつ?」
「……17です」
「法律じゃ15で成人だし、問題ねぇな。なら、今からウチでやってくか?」
「えっ?」
「おぉ!!そりゃいいんじゃねぇか?」
「はっ?」
ちょ、ちょっと待って……え?ここで?今から?ど、どうしよう……心の準備が……
「楽しそうなお話ですね。それなら私がお相手しましょうか?」
急に聞こえた女性の声に驚いて、そっと手を顔からどかし確認してみると、2階からゆっくりと階段を下りてくる人が居た。