第96話 滝の下へ
ザリガニのいる滝までやってきたー! さて、これからここを降りていかないといけないし、ちょっと滝の下を覗いてみようっと!
「うわー! これは高いですよ!」
夜で暗いのと、上から見てるから迫力よりもちょっと怖い感じの方があるけども! うん、それでも水飛沫を上げているのは見えるね!
「うーん、これは昼間の内に見たかったですねー」
咲夜 : 割と序盤から見れる、絶景スポットではあるからなー。
イガイガ : 滝は規模が違うのがいくつかあるけど、ここは結構な規模だぞ。
ミナト : 下から見るとさらに絶景だからねー!
「おぉ、そうなんですね! それは楽しみです!」
ザリガニに襲われた時はここの滝壺の中だったから、滝の全貌は見れてないもんね。ふふーん、それじゃ下に降りて、夜の滝を下から眺めて堪能といこうじゃないですか!
「ところで、これってどうやったら降りたらいいんです?」
暗くてちょっと高さが分かりにくいけど、これって学校の屋上から地面を見たくらいの高さはあるんじゃない? いくらなんでもそのまま飛び降りたら死ぬ気がするよ?
多分どこかに降りれる場所があるはずだけど、暗いから遠くまで見渡せないなー。うーん、これは夜目があった方が良いのかな?
咲夜 : 別に飛び降りていいんじゃね? 死にはしないし。
イガイガ : まぁそれでも良いけど……。
「え、この高さから飛び降りても死なないんです!?」
ちょっと待って! まさかの飛び降りでは無事なの!? 落下ダメージとか大丈夫なの!?
いなり寿司 : この場合は死にはしないな。死なないだけだけど。
富岳 : まぁ一度体感してみるのもありもするな。
チャガ : 飛び降りた直後に戦闘にならないように要注意だがな。
「なんかもの凄く気になる内容なんですけど!? え、本当に飛び降りても大丈夫なんです!?」
というかチャガさんのコメント的に大丈夫とも思えないんだけどー!? そして誰も詳細を教えてくれる気はなさそう!
これは、あれだね! ネタバレ案件で、皆さんが言及を避けてるやつだ! だとすると、ここで飛び降りると何かがあるのは間違いない! 何があるかは分からないけども!
「えぇい、こうなれば自棄です! えいや!」
皆さんが嘘をついているとも思えないし、ここは思い切って大ジャンプで滝……滝壺の中には飛び込みたくないから、崖の方から飛び降りる!
「わっ!? わわっ!? わー!?」
絶叫系とかは全然平気だけど、この落下する独特の浮遊感をライオンで体感するのは不思議な感じ! あっという間に近付いてきたけど、ちゃんと着地は狙ってみるよ!
「……!? すっごい衝撃ですね……!」
でも、なんとか着地は成功! うぅ、でも盛大に落下ダメージはあって、結構HPが危ない状態だー! ぐぬぬ、これは確かに落ちた後に戦闘は危険だね。
でも、この高さならダメージはあっても着地は出来るんだ! うん、それが分かってちょっと安心。HPさえあれば、飛び降りれるのは良いよね! あ、地味に通知に『落下ダメージについて』って出たよ?
ミナト : おぉ、サクラちゃんは見事に着地出来たね。
神奈月 : ライオンは地味にこういう時は着地しやすいけど、それでもちゃんと着地するのは難しいのにな。
ミツルギ : だよなー。サクラちゃん、お見事!
いなり寿司 : 想像通りにはならなかったか。
咲夜 : 俺としてはこっちになってくれてホッとした!
G : 飛び降りを勧めといて、そういう反応!?
んー? なんだか思ってたのと違う反応だよ? 咲夜さんとか『こっちになって』とか言ってるし、他にも何か可能性があったって事だよね?
「なんだか、私がちゃんと着地が出来ないのを想定されてた気がするのは気のせいですかねー?」
富岳 : まぁそうなるな。今回はサクラちゃんは成功だったが、飛び降りるのに失敗する事もある。
金金金 : あー、なるほど、そういう事か。
チャガ : 今の高さから着地に失敗したら、まぁ成長度合いにもよるんだが、今なら死亡一歩手前だな。自分から飛び降りた場合は、生命……HPは必ず1は残る仕様なんだよ。
「なるほど、着地に失敗してHP1になるのは、要は毒の実と同じような仕様なんですね! 地味に親切仕様です!」
そっか、そっか。毒の実を自分で食べた場合もHPは1残る様にはなってるもんね。間違って落ちたとしても、死亡はしないようになってる親切仕様なんだ!
まぁ無事に着地出来たとしても反動で結構なダメージはあるみたいだから、そこは要注意だね! 実際に今の私のライオンのHPは1割くらいしか残ってないし。
ミツルギ : まぁ親切仕様かどうかは意見が分かれるとこではあるが……。
いなり寿司 : 自分から落ちても死なないのは、あれを考えると微妙なラインなんだよな。
チャガ : ま、あれは必須なものでもないし、何とも言えないところか。
んー? あれってなんだろう? 何となく頭の隅に引っかかる感じもするんだけど、何の事かがよく分からないねー? まぁあれって言い方で伏せてるし、ネタバレ案件な気もするからスルーしとこ!
とりあえず私にとっては自分からの落下では死なないという事が重要なのさー! うん、これって色々使えそう!
今後もこういう地形があったら、威嚇で追いかけさせて、敵を落下死とかさせられそうだしね! 少なくともタカは落下ダメージで死んだんだから、そういう事も出来るはず!
ミナト : あ、サクラちゃん、何か思いついた顔になってるけど、交戦状態になってる場合は自分から飛び降りたら普通に死ぬから、そこは要注意だよー! あくまで死なないのは交戦状態になってない場合の仕様だからね?
神奈月 : あー、敵を落下ダメージで殺そうとして飛び降りたら、自分が死んだとかやったなぁ。
イガイガ : それで敵はちゃんと着地してて、死に損とかあるある。
富岳 : ま、自分がちゃんと着地してしまえば良いだけだがな。
おおっと、ミナトさんに私が考えてた事を見抜かれたみたい! そして神奈月さんとイガイガさんから、その内容での失敗談が出てきたね。
ふむふむ、さっき出てた通知の内容はこの辺りの内容かな? うん、タイミング的に多分そのはず!
「要するに、私がちゃんと着地して、反動で死なないだけのHPを確保していれば問題はないんですね! それだけ分かれば十分です!」
ふっふっふ、着地をミスしたら死ぬこともあるのなら、着地でミスをしなければ生き残れるという話! ミスをしなければいいのですよ、ミスをしなければ!
まぁ今はそれは良いとして、それよりも先にやっておいたほうが良い事をやっていこー! このままのんびり突っ立っていても仕方ない!
「今の残りHPじゃザリガニと戦うのは危険なので、全快まで休憩ですねー! ……一応少しだけ野イチゴを食べておきます!」
エリアボスがいる場所のすぐ近くまでは来たけど、ここで回復に専念! マップを見たら赤い印は滝壺の中だから、陸地側なら大丈夫だよね。とりあえず、ごろりと横になってHPを自然回復だー!
でも、流石に他の敵が出てきたら危険な水準のHPだから、野イチゴを3個ほど食べとこう。うーん、回復アイテムの残量が心許なくなってきたね……。
「こう、都合よく近くに回復アイテムの果物とか生ってませんかねー?」
あ、でも戦闘中に食べるのは地味に難しいから、特になくても問題ないかなー? むしろ毒の実の方が欲しいかも?
ミツルギ : 流石にそこまで都合よくはないだろうな。
ミナト : うん、まぁそうだろうねー。毒消しに使える薬草なら、すぐ近くに生えてるけどさー。
咲夜 : あ、マジだ。
いなり寿司 : あ、ドクダミか。地味にどの毒にも効く良いやつじゃん。
富岳 : 今必要なものではないが、持っておいて損はないな。
ドクダミ? あれ、どっかで聞いたことがあるような気もするよ? んー、どこで聞いたんだっけ? ん-、まぁいっか!
「その毒消しに使えるドクダミって、どこにあるんです?」
ミナト : サクラちゃんの目の前。小さめの白い花が咲いてる草があるでしょ?
「すぐ目の前でした!?」
へぇ、沢山白い花が咲いてるけど、これがドクダミなんだ? 寝っ転がってる状態でも前脚が届くから、どんな毒にも効く毒消しなら採集しちゃおう!
「ところで、毒消しが出来る植物って種類があるんです?」
全部の毒を消せるのが今採集してるドクダミみたいだけど、そういう言い方だとそれ以外の毒消しの薬草がありそうだよね。
ミツルギ : いくつか種類はあるぞ。継続ダメージを弱めるだけとか、毒の予防をするとか、完全に毒を消すのとかなー。
富岳 : 採集をする表示が出る植物は時々あるから、それを探してみるのもいい。果物よりは分かりにくいが、時々有用なのがこうしてあるからな。
チャガ : 割と使いやすいのがハーブ系か。
いなり寿司 : その辺、リアルで知識がないと見落とすんだよなー。
イガイガ : ……今、オフライン版にハーブがあるのを初めて知ったわ。
咲夜 : 分かる。俺も結構進めるまで知らなかったし。
ミナト : そういう人にお勧めなのが、図鑑だよ! そして識別だよ!
「もしかして、採集可能な植物かどうかって識別で分かるんですか?」
もしそうだとしたら……結局、1つずつ識別して再使用時間を待って、識別しての繰り返しで面倒なだけじゃない? うーん、それをし始めたら結局時間がかかって仕方ないだけの気がする!
「やっぱり時間がかかりそうなんで、識別で分かるとしても止めときます!」
ミナト : あぁ!? 折角のお勧めチャンスがー!?
G : ミナトさんって、相当やり込んでるサファリ系プレイヤーか。
神奈月 : 時々、サクラちゃんをサファリ系プレイヤーの沼に引っ張り込もうとしてるよな。
イガイガ : 地味に底なし沼だからなぁ。
咲夜 : そして、なんだかんだで回避してるサクラちゃん。
金金金 : マイペースっぷりでは敵う者なし!
真実とは何か : それこそ、まさに真実である!
「マイペースは大事なんですよー! 人に合わせる事ばっか考えてたらストレスが溜まりますからねー!」
時と場合にもよるけども、周りに無理矢理合わせて嫌な思いをする必要はないもんね! マイペースは大事なのです!
そうやって話している間にHPもかなり回復してきたし、全快までもうちょっと! 毒消しに使えるドクダミも5個は手に入ったしね。
さてと、ザリガニへのリベンジまであと少し! エリアボスだから強敵だろうけど、頑張って倒すぞー!
「作者さん、作者さん!」
「どしたの、サクラ?」
「次こそはザリガニへのリベンジですか!?」
「うん、そうなるね」
「よーし! 絶対に勝ってやりますからね!」
「気合入ってるね、サクラ」
「そりゃそうですよ! ボス戦で気合を入れずに、どこで気合を入れるんですか!」
「ま、そりゃそうだ」
「そして読者皆さん! 私、サクラにザリガニへのリベンジを頑張れという方はブックマークや評価をお願いします! 死なずにちゃんと倒してみせるのです!」
「頑張れ、サクラ」
「はい、頑張ります!」
「ということで次回は『第97話 エリアボスのザリガニ 前編』です。お楽しみに!」
「1話で終わらないんです!? いえ、それだけ私が頑張っているのです!」