第95話 ザリガニのいる滝へ
ふっふっふ、ザリガニへのリベンジ目標のLv10まで到達! そして、もうすっかりと日が暮れて夜になる直前だー!
「さーて、日が暮れましたし、ザリガニのいる滝まで進んでいきましょう! 『疾走』! そして今度こそちゃんと役立つべき時! 『威嚇』!」
今回は間違って一般生物を殺してしまわないように、衝撃波はなしで! これなら一般生物に逃げられる心配はなーい!
夜とは言っても見た目には薄暗いくらいのちゃんと動ける程度の明るさはあるけど、流石に昼間よりは視界は悪いねー。うん、この視界で夜の川に近付き過ぎるのは危ないから、少し距離を取りつつ行こう!
神奈月 : 今回は本格的に純粋に移動のみの発動か。
ミツルギ : サクラちゃん、それでもまだLv10の敵とは戦う可能性はあるから気を付けろー!
イガイガ : Lv10以外の敵は、ほぼ逃げるだけだがなー。
「はい、分かりましたー!」
ふふーん、今の河川域では時間を飛ばさないとLv11以上の敵は出てこない! これさえ分かっていれば安全に移動が出来るのですよ!
進化ポイントも稼ぎたいけど、今は使わずに溜める段階だから、優先順位はエリアボスの討伐が最優先! あのエリアボスのザリガニは今日の配信中に倒してしまいたいし、さっきのオオカミみたいに襲い掛かられない限りはスルーで!
「それにしても、オオカミから逃げ回ってる間に随分と迷走してたんですねー!」
ちょっとマップを最大表示で見てみたら、湖側のこの周辺はまだ踏破してなかったけど思いっきりマップが乱雑に埋まってた。まぁ毒の実を見つけたのは川岸でだったから、川岸までは戻ってきてるけどね!
とりあえず川に沿って駆けていけー! でも、全力疾走ではなく少し速度は抑えめで!
チャガ : ふむ、サクラちゃんは森側の方を踏破してたのか。
ミナト : 逆に湖側はほとんど手付かずなんだねー?
「あ、はい、そうなりますねー! 川まで戻って反対岸に渡るのも面倒だったんですよー!」
実況外でプレイをしてた時、進化ポイント稼ぎは森側でばっか戦ってたもんね。実は森へのエリア切り替えの目前まで行ってるけど、そこは実況外ではやるべきじゃないと思って進んでない!
んー、ザリガニを倒した後はどうしよっかな? 時間を飛ばして周りに強くなってもらうのもありだけど、滝の先に進んで更に下流に行くか、小高い丘の上の森に行くか、湖の方に行くか、悩むねー!
「あ、川の先の方で何か沢山光ってますね! わぁ! これってホタルですよね!? あ、逃げちゃいました……」
むぅ、折角綺麗な光景が見れたと思ったのに、いきなり台無しになったー! 誰だー!? 誰のせいだー!?
咲夜 : ホタルが逃げた!? あー!? 威嚇ー!?
ミツルギ : あー、折角のホタルが……。
いなり寿司 : 夜限定かつ、割とレアな光景なんだけどなー。
ミナト : 今のは一般生物だったけど、敵個体なら相当に美味しいレア個体なんだけどねー。
富岳 : 威嚇で追い払ったのは勿体ねぇな。ホタルは操作出来ねぇし……。
「え、ホタルってレア個体なんです!?」
というか、ホタルを追い払った犯人は威嚇を使ってる私だー!? ぐぬぬ、こんな綺麗なホタルが見れるんだったら威嚇を使わなきゃよかった! せめて、スクショを撮りたかったよー!
「ん? 富岳さん、ホタルは操作出来ないって言いました?」
普通に敵で出てくるっぽいけど、操作が出来ないってどういう事ー? なんだか、ここは聞いておいた方がいい予感がする!
富岳 : あぁ、ホタルは操作は出来ん。アンロックされている種族の中に、ホタルはないからな。
ミナト : 敵には出てくるけど、操作は出来ないって種族もそれなりにいるからねー。
金金金 : ん? オフライン版ってそうなのか?
ミツルギ : あー、オンライン版で出てくる敵はほぼ全て選べるからなー。
咲夜 : ……選べ過ぎて、凄いのもいるけどな。
イガイガ : あぁ、あれか。害虫系……。
G : おうおうおう!? 黙って聞いてりゃ、害虫だと!? システム的に正しく選択できる種族を選んで何が悪いのか、答えてもらおうじゃねぇか!
イガイガ : ちょっと待てーい! ここにいたのか、張本人!?
G : いたら悪いか!? あ、見てただけだったけど、ついカッとなってな。すまんな、サクラちゃん!
「いえいえ、Gさん、それは構いませんよー! 誰だって自分が好きなものを否定されたら嫌ですもんね! システム的に選べるなら、そこは問題ないと思いますよー!」
多分害虫ってムカデとかゴキブリとかクモとかそういうやつだよね。私としては積極的に選びたいとは思わないけど、だからといって選べるのなら排斥は駄目なのさー! ただし、自宅に出た場合は容赦はしない!
G : おぉ、話が分かるな、サクラちゃん!
ミツルギ : まさかのサクラちゃんは許容派……いや、今までの色んな躊躇のなさを考えると意外でもないか?
イガイガ : あー、それは確かに……。
「あ、という事は、操作は出来ないけどそういうタイプの種族も出てきたりするんです?」
ホタルも虫だし、操作出来る種族に虫もいるのかも? もしそうなら、蝶とかで飛びながら森の散策とかも面白そう!
ミナト : うん、虫も色々出てくるよー。操作出来るのと操作出来ないの、どっちもいるけどね。
神奈月 : 虫系で人気があるのは、カブトムシやクワガタだな。
咲夜 : 蝶やカマキリ辺りもそこそこ人気だぞ。
G : 残念ながらゴキブリやムカデは選択出来ねぇんだよな、オフライン版じゃ……。
ふむふむ、蝶がプレイ出来るのは良さそう! アンロック第1号はキツネにするって決めてるけど、その次の候補にもいいかもね!
「おっと、そうやって話してる間にもうすぐ滝ですね!」
話をしながらだったから気付かなかったけど、いつの間にか威嚇も疾走も効果が切れてたよ! うん、でも途中で他の敵に襲われる事もなく無事に滝まで到着!
というか、意外とホタルがいた場所は滝に近かったんだね。
「そういえば、ホタルが操作出来ない種族というのは分かりましたけど、レアって何かあったりするんです? あ、これはネタバレでもいい質問です」
咲夜 : ホタルは倒すと経験値か進化ポイントの多いレア種族。弱いしね。
イガイガ : 一般生物のホタルの群れに1体だけポツンと混じってて、見た目もほぼ変わらないっていう。
富岳 : まぁホタルは夜限定のボーナス種族だな。一般生物でも食べたら回復量が多いやつだ。
ミツルギ : 出現確率は凄い低いけどなー。
ミナト : 普通のホタルとは色違いで光るから、夜ならいたらすぐ分かるけどね。一応昼にもいるにはいるんだけど、出現確率自体が夜よりも更に低くなるから探すのは面倒なんだよね。
「それは確かにレアなボーナス種族ですね!?」
ふむふむ、夜限定で見つけやすくなる色違いに光るホタルとかいるんだ! さっき見た時は色違いに光ってるのはいなさそうだったし、威嚇を使ってる最中に出てこなくて良かった!
でも、そういうのが夜に出現するのって楽しいね! 多分だけど、そういうのはホタルだけじゃなさそうだし、これからは気にしていこうっと。本当に移動に専念する時や振り切るために逃げる以外では疾走頼りの移動は控えた方が良いかも?
咲夜 : ……ちなみに、オフライン版の害虫系は地味にその系統のレア個体だったりする。
G : おう、感謝しろよ!
いなり寿司 : 苦手生物フィルタに入れてて、そもそも遭遇しなくて知らねぇって人も多いがな!
イガイガ : それは当然の結果というか……。
ミナト : あはは、まぁ苦手じゃなければ狙い目ではあるんだけど、そこはどうしても苦手な人も出てくるからねー。
「確かに苦手な人に、それを強要するのも駄目ですからねー! Gさん、その辺は気を付けてくださいねー!」
なんだかGさんはGさんなりのこだわりがあるような気はするからそれを否定する気はないけども、ちょっとそれを押し付けようというとこがある気もする! 苦手なものは人によって違うんだから、そこは可能な範囲で良いから配慮はした方がいいもんね。
G : 俺、名指しなの!?
ミツルギ : 嬉々として、嫌がるのを分かってて動いてる節があるからなぁ。
金金金 : 嫌がられる事を前提として、隙を作らせようとしてるよなぁ!?
G : ……否定は出来ん。
咲夜 : 否定出来んのかい!
ミナト : はいはい、オンライン版での話をここに持ち込み過ぎないの!
ミツルギ : だなー。
G : あー、うん、それは失礼した。
金金金 : 了解。
よーし、とりあえず昼間にもレアなボーナス種族がいる事は分かったし、ミナトさんが状況も収めてくれた。それじゃ、私は私のやる事をやっていこう!
「さーて、滝の下へ向かいましょうか!」
話してる間に、滝の目前まで来ているのです! 川の水が落ちていく様子も目の前に見えてるし……川幅は相当あるし、これって結構大きな滝だよね?
ミツルギ : さて、サクラちゃんは勝てるかな?
咲夜 : ぶっちゃけ、分からん!
真実とは何か : 全てが終わるまでは分からぬ真実である。
チャガ : エリアボスも個体によって強さや相性が変わってくるからな。
ミナト : 『屈強なザリガニ』だし、近接攻撃には要注意だよ!
富岳 : 水中では圧倒的に不利だから、陸地に引っ張り出すのが最優先か。
「はい、そのつもりでいます!」
うん、前回一方的に殺された時の反省がここで活きてくるね! 水中が主戦場の敵を相手に合わせる必要は皆無! でも、ザリガニなら結構陸上でも動けそうだから、陸上に引っ張り出したからといっても油断はしない!
という事で、これから下に降りて、ザリガニとの2度目の対決だー! それで……どうやって滝の下に降りるの? まだ下を見てないんだけど、凄い水音が聞こえてるし、結構な高さがありそうな気がするよ?
「選択できない種族っているんですねー?」
「まぁ、そうなるね」
「ふむふむ、これは何が選べるかというのも楽しみですね! ホタルは操作してみたかった気もしますけど!」
「まぁそこら辺は色々と都合があるからね?」
「分かってますよー! 無制限に何もかも選べるって方が無茶ですもん!」
「うん、そういう事」
「それにしても、やっぱり後発のオンライン版の方が選択肢は多いんですね! えっと、昔は時々続編の方が減るゲームがあって、高い追加要素で後から出して色々と荒稼ぎしてて、今は規制がかかったんでしたっけ?」
「……サクラ、そこは触れないでおこうか?」
「え、なんでです? あ、作者さんの方はまだ……えーと! 私にザリガニへのリベンジを頑張れと応援してくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「さて、次回は『第96話 滝の下へ』です。お楽しみに!」
「あれ!? まだ戦闘開始じゃないんです!?」
「さてね?」
「むぅ、何はともあれ頑張っていきますよー!」