第50話 時間の経過で
とりあえず通知については気を付けるとして、エリアボスとやらを倒せば昼と夜のどちらかを飛ばせる機能があるのは良いね! そういうのがあるのなら、エリアボスとやらは積極的に倒して……。
「エリアボスがさっきのライオンなら、地味に倒すの厳しくないですかねー!?」
あのライオン、私は一度負けてますよ!? それを倒さなきゃ昼夜を飛ばせないって結構な鬼畜仕様だー!
ミツルギ : あー、エリアボスのLvと進化階位だけは……あ、ヤバい。これ以上はネタバレなやつだ。
イガイガ : そういやそうか。
「むぅ、中々にネタバレ要素が多いですね……」
まだまだ序盤だろうから、ネタバレになるから語れない要素ってあるんだろうね。んー、まぁ、何かの要素があって大丈夫そうだし、今は気にせずやっていこうかな。
「ネタバレになるなら今は聞くのは止めときますねー! というか、ちょっと気になるので寝てみてもいいですかー?」
薄暗い程度とはいえ、明確に昼間よりも見通しが悪いしね。新しい場所へと行くのであれば、明るい昼間に行きたい! でもこれってどうやったら寝るんだろう? 寝ようって思ったら寝るのかな? よーし、寝るぞー! こんな感じかな?
あ、寝ようと思ったら本当にライオンが寝っ転がって、そのまま寝始めて画面が暗転したよ! 皆さんに聞いてからにしようと思ったのに、誤操作だー!?
咲夜 : あ、誰も何も答える前に寝始めた。
ミツルギ : サクラちゃん、誤操作か?
「あ、はい! 今のは誤操作です! あー!? 朝になっちゃいました!」
うぅ、皆さんに寝ても大丈夫か聞いてから寝てみるつもりが、先に寝ちゃったよー!? 思考操作の誤操作、恐るべし!
ミナト : 睡眠に関してはスクショと同じでショートカットにしておくのが良いよ。それだけで一気に誤操作は減るからね。
イガイガ : こういう戦闘外で誤操作を避けたい時に関しては、地味にショートカットは便利なんだよな。
神奈月 : え、そういう使い方ってあったのか!?
チャガ : これのショートカットはヘルプからしか作れんからな。意外と知らない人もいる。
神奈月 : ……マジか。俺、今初めて知った。
「ほうほう、ヘルプからショートカットを作るんですね! ちょっと作ってきます!」
えーと、一旦マップを閉じて、ヘルプは多分さっき見た項目だろうから、そこを開いて……あ、『睡眠のショートカットを作成』って項目を発見! それじゃポチっと選択してメニューを閉じれば……。
「おぉ! 睡眠マークのショートカットが出来ました!」
こう、Zが3つ並んだようなマークのやつ! そっか、そっか! 皆さん、ショートカットは使い物にはならないとは言ってたけど、それは戦闘中でのスキルの発動に関してのみなんだね!
ショートカットは視界の右下に出るから照準するのには相性が悪いけど、照準が一切必要ないものなら問題ないんだ! ふっふっふ、神奈月さんは知らなかった機能みたいだけど、このアドバイスは嬉しいのですよ!
「あれ? なんだか、あちこちで光の柱が上がってないですか!?」
え、これって何事!? あの光って何か見覚えがあるけど……あー!? あれって私のライオンが進化した時のやつによく似てるー!?
ミツルギ : お、始まったか。
富岳 : そのようだな。
金金金 : 何となくの推測は出来てるんだけど、あれって何?
イガイガ : あー、説明する方が良いか?
ミナト : サクラちゃん、説明は必要? 必要なら説明するよ?
「いえ、ちょっと近くに行って実際にこの目で確かめてきます!」
何となく皆さんが詰むとか言ってた理由が分かってきたような気がしてきた! それと私の勝手な予想だけど多分このモンエボって、雑魚敵相手の無双が出来ないゲーム!
とりあえず手早くマップ……はいらないや! 見えてる光の方に走っていけばいい! 一番近くに見えている光の元へ猛ダッシュ!
「走りながらだけど、私の見解です! モンエボって、エリアごとで敵の強さが分かれてるんじゃなくて、プレイヤーの進化に合わせて敵も進化して強くなっていくってシステムで合ってますか!? これ、敵の幼生体が成長体に進化してますよね!?」
多分だけど、これで間違ってはいないはず! 皆さんが少し前に実況外でやってた時間がどうこうって言ってたのは、この進化が始まるまでの猶予時間があるから! 多分Lv上限になってからタイムリミットがある!
Lv上限に至ったら自分のキャラを適度なところで進化させなければ、周りが進化してしまって格上だらけになって、どうやっても勝てなくなる! だから、育成に失敗してしまうとどんどん不利になって詰む! 多分そういうシステム!
ミナト : サクラちゃん、大正解!
ミツルギ : 正直、そこを言い当ててきたのは意外だな。
いなり寿司 : ほほう、ドジっ子だけって訳でもないんだな。
「ミツルギさんもいなり寿司さんも、その言い方は失礼じゃないですかねー!? それに私はドジっ子じゃなーい!」
まったく、ドジっ子という不名誉なのは昨日の配信中に返上して、皆さんは言わなくなってたはずだからね! いなり寿司さん、アーカイブの何を見直してきたんですかねー!
まぁいいや。今はそれよりも、光の柱が重要なのさー! よーし、もう少しで辿り着くのですよ!
いなり寿司 : お、おう。それはすまんかった!
ミツルギ : ちなみにだけどサクラちゃん、普通にしてればこんなに一気に同時にはならないからなー。
富岳 : 同時に大量に発生してるのは寝て時間を飛ばしたからだな。
「え、そうなんですか!?」
そっか、私が寝て時間を飛ばしちゃったから、その間の分だけまとめて進化が発生しちゃってるって感じなんだね!
「というか、それって地味にミスじゃないですかねー!?」
あわわっ!? よく考えたら、敵も進化するならLvも上がっていくって事だよね!? 徐々に増えていくはずの敵の進化を一気に進めたら危険じゃない!?
ミツルギ : サクラちゃん、大丈夫だ。これはイージーだから。
イガイガ : そうなるなー。
富岳 : まぁ、イージーだしな。
金金金 : つまり、イージーじゃなければヤバかったと。
チャガ : そうとも言う。
咲夜 : 絶対に詰む訳じゃないけど、立ち回りは気にする必要が出てたな。
「イージーだからセーフなんですかー。そうでなかったら危なかったというのが怖いとこですね!?」
あー、初めの種族がイージーになってて良かったー! ノーマルとかでどう変わるのかは分からないけど、結果としてはセーフみたいなのでセーフ!
あれだね! 何となく難易度を変えると何が変わるか、ちょっと分かってきたかも! 多分敵の進化や成長の速度が変わってくるんだ!
……あれ? でもそうなると皆さんが昨日言ってた無双的な戦いって出来そうにない気がする? あれー? んー、まだまだ知らない要素もありそうだし、まぁいいや!
ミナト : あ、サクラちゃん、寝て時間を飛ばすのが別に悪い手段って訳でもないからね。
金金金 : そうなのか?
神奈月 : 早く周囲を進化させたい時に有効なんだよ、この手段。
咲夜 : サクサク進めたい時には良いんだよなー。そういう意味では、成長体を探そうとしてたサクラちゃんには丁度いい。
イガイガ : 進化の演出の光も、成長体の居場所の目印になるしな。
「あ、そうなんですね! それなら結果オーライです!」
確かに光の柱が上がっている部分に成長体がいるのは確定って事だし、これなら識別を獲得する為の進化ポイントも手に入れやすいはず!
とりあえずもう目の前に迫っている光の柱以外の近くの場所を覚えておこうっと! そして、光の球が地面に降りてくるタイミングで辿り着いたー!
遠くから見ると光の柱みたいに見えてたけど、近くから見ると光の帯が束ねられてるみたいな感じだった! 本当に光の柱が上がったのは、今この進化を終えた瞬間!
「さぁ、進化したての成長体! 少し先に進化したこの私のライオンがぶっ倒してあげるので、進化ポイントを寄越せー!」
まだ光の柱が消えてないけどシルエット的には小さいから小動物っぽい! いざここから成長体同士の戦闘開始! 同格の相手だろうから、決して油断はしないのですよ! あ、進化を終えた敵の姿が見えてきた!
「初の成長体の敵はネズミですね!」
よーし、それじゃ初の成長体の敵の討伐をやっていこー! 進化したばかりなら、第4段階以降のスキルは何も持ってないはずだし、Lvも同じはず! 進化直後は絶好の狙う機会だよね!
「誤操作に関して、作者さんに苦情を申し立てます!」
「あー、それは無理」
「なんでですかー!?」
「一応誤操作を防ぐ手段はあるにはあるけど、本編で出てきてない事をここでネタバレする訳にもいかないしね」
「……むぅ、確かにそれはそうですね」
「まぁ誰かがそのうち説明するか、自分で気付くまで頑張って」
「はい、そうしますね! それでは、私、サクラがその手段を自力で見つけられると思う方はブックマークや評価をお願いします!」
「……それ、ダメなやつじゃん」
「その反応は酷くないですかねー!?」
「至極真っ当な反応だと思うけど……。さて、次回は『第51話 進化したての成長体』です。お楽しみに!」
「どんどん進化ポイントを集めて行くのです!」