第43話 初めての進化
さてと『器用』のスキルツリーの第3段階を解放したので、進化先が出てきたよ! それじゃ進化を……あ、その前にステータスを確認しとこ! 進化前と進化後のステータスの違いを知りたいからねー!
「進化を始めたいと言いたいところですが! 現在のステータスを確認していきたいと思います!」
ミツルギ : あれー!? 進化をここで勿体ぶるのか!?
イガイガ : ここでステータスの確認は悪い訳じゃないし……。
いなり寿司 : 俺は何気にどういうステータスになってるのかが気になるんだが!
富岳 : まぁそれは確かに……。
咲夜 : 情報確認は大事だよな。
ミナト : 進化後の伸び幅を知るにもその方が良いからねー。
うんうん、そうだよね! 情報確認は大事だし、今のステータスが具体的にどうなってるかは私も把握してないから、進化後にどうなったかが分かるように確認しておくべき!
「という事で、ステータス表示です!」
スキルツリーの画面からステータスの画面へと切り替えてっと! さてさて、どうなってるかなー?
【ステータス】
名前:サクラ
種族:ライオン
進化階位:幼生体
Lv:10(上限)
生命 : 190
屈強 : 35
堅牢 : 19
俊敏 : 34
器用 : 31
知恵 : 19
「おぉ、屈強と俊敏と器用が良い感じに高めですね!」
これは遠近両用で、それなりにバランスが良いんじゃないかなー? でも堅牢と知恵が低いから、ここは進化してから少し強化した方が良いかも?
うん、進化したらまずは進化ポイント集めからかな? あ、もしくは草原から少し離れてみるのもいいかも?
ミツルギ : 良い感じに高いというよりは……妙に器用が高いけど、全体的に飛びぬけて高くもないというべきか。
イガイガ : バランス良くが悪い訳じゃないが、どうしても大器晩成型になってくるからなー。
金金金 : つっても、まだ幼生体だろ?
咲夜 : まぁそうなんだけど、オフライン版は詰む時はガチで詰むぞ?
いなり寿司 : 詰む時はホントに詰むよなぁ!? この調子で大丈夫か、この配信!?
富岳 : そうなったらそうなった時だろ。
「そうですよ! 詰んだ時は詰んだ時です! 詰むのが怖くて、初見配信とかやってられますかー!」
詰んだとしても、それはそれで私なりに頑張った結果だからね! 安全にクリアするのだけを見るのなら、そういう実況をしている人を見ればいいのさ! 多分いるはずだしね。
「それに詰んだとしても、私はあっさりと諦める気はないですからねー!」
ふふん、ゲームをやってて詰むなんて事は日常茶飯事だしね! 詰んでからの攻略には慣れているよ!
むしろ途中で普通は詰むよね? 全然詰まずに攻略ってどうやるのー? それって上級者だけが出来るやつじゃない?
ミツルギ : よし、よく言ったサクラちゃん!
金金金 : それでこそサクラちゃん!
いなり寿司 : なんか盛大に無粋なことを言ったっぽいな。すまん!
富岳 : なるほど、詰むのも覚悟の上か。
ミナト : さて、詰む詰まないの話は今すぐの話でもないし、先に進めていこう! ね、サクラちゃん!
「はい、そうですね! それじゃ進化を始めていくので、ミツルギさんお願いします!」
進化のチュートリアルは私公認のアドバイザーであるミツルギさんに任せたもんね。ここは全面的に頼らせてもらおうじゃないですか!
ミツルギ : おっし、任せとけ! んじゃ、進化の画面に戻ってくれ。
「はい、分かりましたー!」
えっと、まずはステータスの画面から進化の画面に戻して……おぉ、進化先が解放されてるよ! えーと、どれどれ?
【解放された進化先】
・器用なライオン
進化階位:成長体
進化ポイント:15
器用さに長け、遠距離での能力に秀でたライオンへと進化した姿。
「『器用なライオン』で成長体……ですか? あれ、名前が明確に変わるんじゃないんですね?」
名前の前に解放されたスキルツリーの項目名が付くだけ? なんかドーンと名前が変わる気がしてたから、少し拍子抜けだねー。
それと初めて出てきた成長体ってなーに? 今が幼生体だし、進化先の進化階位の名前が成長体って認識でいいのかな?
金金金 : へぇ、そういう名前の付き方なのか。
イガイガ : 進化が進んでいけばもうちょい変わっていくけどなー。
ミナト : まだまだ序盤だしね!
ミツルギ : ま、サクラちゃんの疑問への返答としてはそんなとこだろうなー。これ以上詳しくはネタバレになるから、無しだよな?
「あ、はい! ネタバレになるなら、ここまでで十分です!」
とりあえず今はまだ序盤だから、こういう単純な名前の付け方になってるって認識で良さそうだね。
それに成長体に進化してもまだまだ序盤みたいだし、更にその先に進化したら名前もどんどん変わっていくのかも! うん、そこはその時になってからのお楽しみだね!
「それじゃ、進化を実際にやっていきましょう!」
ミツルギ : だな。他に進化先が出ていたら基本的にここの時点で選択が可能なんだが、今回は『器用なライオン』で確定でいくぞー。サクラちゃん、それを選んで、進化の実行を選択してくれ。そこで確認メッセージが出るから、そこで確定すれば進化が始まる。
「えっと、これですねー!」
<幼生体【ライオン】を成長体【器用なライオン】に進化させますか?>
「おぉ、これが確認メッセージですね!」
これを押せば、私のライオンの初進化だね! あ、ライオンどころかモンエボでの初進化だった! さっきまではいまいち実感が湧いてなかったけど、いざ実行しようとなるとなんだかテンション上がってきたー!
「それじゃ、私のライオン、初進化いきまーす! いえーい、これで成長体!」
<幼生体【ライオン】が成長体【器用なライオン】へと進化します>
という事で、進化開始! あれ!? なんか私の視点が上空に飛ばされたー!? え、なんで、なんで!?
え、あ、違う! これ、種族を選んだ時にライオンに突っ込んでいったのが逆に飛び出たって感じっぽい!
「わぁ!? 光の球から、光の帯みたいなのが伸びていってますよ! しかもライオンの姿も光の粒になってバラバラになってます!」
おぉ、今の私から伸びて光の帯と、光の粒になっていくライオンが混ざり合っていくよ! わー! こんな風に上から見下ろすようになるとは思ってなかった!
「次々と光の帯が増えていってますねー! どんどんいっけー!」
ふっふっふ、なんかどんどんテンションが上がってきたー! あ、一度は光の粒になって崩れて無くなったライオンのシルエットが新しく出てきてるみたい?
「おぉ、最後には私がまた突っ込むんですか!」
いえーい! 進化の〆として、光の球になってた私が再びライオンに突っ込んだー! その瞬間に私を中心に光の柱が上がったね! そして、完全にライオンの身体が再構築されたみたい!
<成長体【器用なライオン】への進化が完了しました>
「これで進化完了です! あ、進化後の姿ってここで確認出来るんですね!」
ふふーん、折角進化したんだから、自分の姿も見ないとねー! まぁ普通にステータス画面でライオンの姿とか表示されてるからいつでも見れるけど、今はそれとは気分が違うのです!
とにかく進化した私のライオンの姿を確認だー! おぉ、基本的には大きくは変わってない気もするけど、ライオンの鬣の量が増えて迫力が増している気がする!
それになんだか顔全体に少し白い模様が入ってるね! これ、今まで絶対になかったやつだー!
ミツルギ : おっし、これで進化完了だ!
イガイガ : 進化の時は、結構テンションが上がる!
富岳 : そりゃここはモンエボの醍醐味だからな!
金金金 : 進化のお祝いだ、サクラちゃん! 【1,000】
いなり寿司 : なんというか、進化で盛り上がってる事で少し安心した。
咲夜 : 相変わらずだな、金金金さん。
「ですよね、ですよね! 金金金さん、今日もありがとうございます!」
わーい、やったー! 今日も金金金さんが投げ銭をくれた! もう兄さんに頼んだことへの料金は支払い済みだから、今度こそ純粋な私の収入なのですよ!
さてと、進化は無事にこれで完了だけど、少し気になったところを聞いてみよ! これは多分ネタバレじゃないからいいよね!
「ところで、この白い模様ってなんですかー?」
ミツルギ : それは、進化した先で得意とする部分に浮かび上がってくる模様だな。
イガイガ : ライオンの場合は『屈強』だと爪や牙の周辺、『生命』だと全身に薄っすらとかそういう感じ。
咲夜 : ライオンの『器用』だと、顔に出るんだよな。
ミナト : 今は基本的に、そのスキルツリーで出てくるスキルを使う部位に白い模様が出ると思ってたらいいよー!
「なるほど、そういう事ですね!」
ふむふむ、要するにこの白い模様が成長体に進化したという証! 『威嚇』や『咆哮』はライオンの顔とか口から発動するから、私の『器用なライオン』には顔に白い模様が出たんだね!
ふっふっふ、これで進化は終わった! それじゃ進化後のステータスの確認をやっていこー!
あ、そういえば進化したならスキルツリーの第3段階よりも先が見えるようになってないかな? うん、早く戦ってみたいけど、その辺の確認もしていかないとねー!
「ふっふっふ、遂に成長体に進化しましたよ!」
「まぁ、そうだね」
「なんか反応薄くないですかー!?」
「いや、今回はポンコツっぷりを発揮する余地がなかったんだなーって思ってね」
「私はポンコツじゃなーい! 私に何を期待してるんですか、作者さん!」
「え、予想外の展開?」
「普通に進めたら進めたで、その反応は納得いかないんですけど!?」
「はい、それじゃこれ」
「私は怒ってるのに、いつものやつですか!? 今回は読みませんよ、私は!」
「んじゃ自分で読もうっと。えー、サクラのポンコツっぷりが楽しみだという方はブックマークや評価をお願いします」
「あー!? 作者さん、自分で読むというその手段はズルいんですよ!?」
「さて、次回は『第44話 進化後の変化』です。お楽しみに!」
「またスルーされました!? ぐぬぬ!」