第42話 進化の方向性
うーん、うーん、うーん! 進化の方向性が悩むなぁー! 後から他のスキルツリーも解放はしていけるみたいだし……でも、それだと器用貧乏になっちゃいそう。
あっ、別に器用貧乏でも良いのかな? うん、良いとしましょう! 今、私が決めた! この配信では私がルール!
ミツルギ : お、サクラちゃん、思いっきり悩んでるな。
金金金 : 狐っ娘アバターの悩み顔、良いですなぁ。
いなり寿司 : あー、気持ちは分からなくもない。
イガイガ : さて、サクラちゃんはどういう選択をするか。
ミナト : どうなるかなー?
「あ、皆さんお待たせしちゃってすみません!」
あわわ! 悩むにしても早めに決めないと、配信なんだから動きが全然なくなっちゃう! うーん、うーん、だけど、本当に悩むなー!? どうしよう!?
ミナト : 急かしてる訳じゃないから、焦らなくてもいいよー!
咲夜 : おーっす! あれ、サクラちゃんは悩み事?
ミツルギ : おっす、咲夜さん。今、サクラちゃんは進化先で悩み中。
咲夜 : あー、ダイジェスト動画の方を見てきたけど、今はそこからやってんだ。さてさて、どうなりますか。
イガイガ : 今は『屈強』と『器用』のどっちのルートに行くか悩んでるな。
いなり寿司 : まぁ選択肢はそれに限る必要はないけどな。
咲夜 : そりゃそうだ……って、今の発言、迂闊なやつ!?
ミナト : 咲夜さん、それはそうなんだけど、そこで掘り返しちゃ駄目!?
咲夜 : しまった!?
「……え? 他の選択肢?」
あ、そっか。スキルツリーの第3段階が解放出来ればいいんだから、今第2段階まで解放している『屈強』と『器用』に限定する必要もないのかな? 第1段階と第2段階の解放に進化ポイントが4必要で、今は進化ポイントは21あるんだよね。
えーと、第3段階の解放と進化の為に20必要だけど、残り3ポイントを手に入れてくれば他のスキルツリーからでも可能ではある! うん、これくらいなら魚の水揚げ自殺版をまたやればいける!
「よーし、どうするか決めました!」
ふっふっふ、再びあれをやる時が来たのです! さーて、それじゃVR空間の方に切り替えてゲームの方は中断中にして、サイコロの準備だー!
ミツルギ : この流れ……来るか、あれが!
イガイガ : あー、いなり寿司さん、咲夜さん、やっちまったな!
いなり寿司 : ……え? なんで配信用のVR空間に切り替えてんの? なんでサイコロの準備してんの!?
咲夜 : くっ、しまった!
金金金 : こっちは気にせずやっちまえ、サクラちゃん!
ミナト : あはは、今度は何が出てどういう方向性に行くかなー?
「さて、サイコロの準備は完了しました! 悩んだ時は運任せ! 『進化先はサイコロで決めよう』のコーナー、開始です!」
今思い付きでコーナー名は決めた! 2度目があるかは知らないけど、そんなものは気にする必要はなーし! こういうのはその場の思い付きでやっていけばいいのですよ!
いなり寿司 : 何がどうしてそうなったー!?
富岳 : えーと、まだ配信の準備中? あ、お初です。
ミツルギ : お、富岳か。いや、がっつり配信中だぞ。
富岳 : あぁ、そうなのか。……そういや昨日のアーカイブの中でもサイコロを振ってたな。
いなり寿司 : あ、そういえばそんなのもあったっけ。……ながら見は失敗だったか?
咲夜 : 迂闊な発言は止めるんだ。一言で一気に方向性が変わっていく……。
「富岳さん、初めましてー! そして、私の配信へようこそです!」
富岳さんもミツルギさんの書き込みに反応してた人だよね! 昨日はいなかった人も見に来てくれているのは嬉しいね! うふふ、張り切って頑張っていくしかないじゃないですかね!
富岳 : おう、よろしく!
「さて、それでは改めましてルールを説明します! サイコロの出目が1なら『生命』、2なら『屈強』、3なら『堅牢』、4なら『俊敏』、5なら『器用』、6なら『知恵』でスキルツリーの第3段階を解放して進化先を決定します! 『屈強』か『器用』になればそのまま解放、それ以外なら足らずの進化ポイント3を確保してから進化をやっていきますよー!」
ミツルギ : さて、どれになるか。
イガイガ : 無難な『屈強』に行ってほしいが、運任せだしなー。
ミナト : 展開が読める、読めない以前の部分だしねー。
咲夜 : ふぅ、こうなった以上は見守るのみか。
金金金 : だなー!
いなり寿司 : ちょ、馴染みすぎじゃね!?
富岳 : 昨日のアーカイブを見た限りでは、そういうもんなんだろう。
いなり寿司 : 富岳も馴染みすぎー!? やっぱり作業しながらの流し見だったのがまずかった!?
ミナト : 視聴方法は自由だけど、流石にそういうのを何回も本人がいるとこでは言わないようにねー。
いなり寿司 : あ、つい……。すまん!
「いえいえ、私は気にしないので構いませんよー!」
私だってそういう風に見る時もあるから、そこを責める気はないからねー! 出来ればしっかり見て欲しいけど、時間的に厳しい事もあるはずだもん。
それでもアーカイブを再生して、こうして見に来てくれているんだからありがたいものですよ!
さてと、脱線はここまで! いざ、進化先を決める為にサイコロを構えて、視点を私の狐っ娘アバターのものに切り替えて、準備完了!
「それじゃ、いきますよー! えいや!」
コロコロと音を立てて、サイコロが転がっていきますよ! よし、動きが止まったし、サイコロの出目はどうなったかな?
ミツルギ : お、5が出たか。
ミナト : 5なら『器用』だねー!
咲夜 : あー、そっちに行っちゃったか。
イガイガ : まぁこの場ですぐに進化出来るやつで良かったってとこか。
富岳 : アーカイブを見てる時も思ったが、凄い進め方だな。
金金金 : これがサクラちゃんのやり方だしな!
いなり寿司 : ……後でもう一度、しっかりとアーカイブ見直しとこ。ちょっと流れが特殊過ぎる……。
うーん、なんだかいなり寿司さんが困惑してるみたいだけど、私そんな特殊な事ってしたっけなー? 運任せってそこまで変でもないよねー?
まぁいいや! 今はとりあえず進化先が決まったから、進めていこうー! ふっふっふ、それにしてもサイコロは私に遠距離攻撃を極めろと言っているようですね!
「サイコロの出目は5になったので『器用』に決定です! それじゃ早速解放してきますねー!」
という事で、モンエボの方に操作を切り替えて、『器用』のスキルツリーを開いて第3段階の解放をやっていくのさー!
えーと、あれ? そういえば『器用』のスキルツリーは『威嚇』と『咆哮』の2つを解放してるから、どっち側の第3段階を解放しよう?
富岳 : これ、どっちを解放するんだ?
いなり寿司 : この段階で威嚇と咆哮、両方を解放になってんの!? いや、これ、アーカイブをガチで見直さないと、なんでこうなってるかが意味不明なんだが!?
ミツルギ : それは見直した方が絶対に良いな。
イガイガ : 見てても意味不明ではあるがな!
咲夜 : これで投擲まで持ってるんだからなー。
いなり寿司 : ……え、これ、初見プレイだよな!? 上級者の縛りプレイじゃないよな!?
富岳 : 間違いなく初見プレイだな。……アーカイブを見る限り、真っ当なとは言えないが。
「なんか皆さん失礼なことを言ってませんかねー!?」
見てても意味不明とか、真っ当でないとか、縛りプレイとか、変なことばっか言ってるよねー!?
私は真っ当に初見プレイをやってますよー! 初見プレイとか言いながらがっつり攻略情報を見てるような真似はしてません!
金金金 : お、怒り顔のサクラちゃん。怒られてるのが自分でなければ、ほのぼのとした気分で見ていられる。
ミナト : まぁその辺は置いといて。サクラちゃんとしては『威嚇』と『咆哮』、どっち側を解放したい?
「んー、そうですねー」
ミナトさんが話を元に戻してくれたから、それに乗っかろうっと。うーん、スキルツリーなら、その先にあるのは多分それぞれの上位のスキルとか、同じような系統のスキルがありそうだよね。
流石にここまでは運任せにするのもどうかと思うから、しっかり考えて決めよう!
「『威嚇』の先は何か癖が強そうな予感がします! 後から取る事も出来るなら、ここは堅実に『咆哮』の先にしておきますね!」
第3段階を解放が進化の条件なのであれば、ここはどっちでも進化としては同じはずだしね。ここで変に博打はせずに、無難な選択肢で行くのさー!
ミツルギ : サクラちゃん、ここでそれを言う!?
イガイガ : 堅実って……なんだっけ?
咲夜 : おかしい、俺の知っている堅実の意味はこうじゃない……。
いなり寿司 : 何もかも慣れてるのかと思ったら、普通に困惑してんじゃねぇか!
富岳 : そういうもんなんだろう、この配信は。
ミナト : それじゃサクラちゃん、それでいってみよー!
金金金 : 一番順当にアドバイスしてるのって、実はミナトさんじゃね?
イガイガ : 金金金さん、それを言っちゃミツルギの立場が無くなる!
ミツルギ : いつもはアドバイザーとか付けてるくせに、今回のはわざとか!? わざと外したのか!?
イガイガ : ……説明させんなよ。
ミツルギ : おいこら、待てや!
うん、なんだか皆さんのコメントがごちゃごちゃしてきたし、強引に進めちゃえ! それで流れが変わるはず!
「それじゃ、『器用』の第3段階を解放していきますよー!」
という事で、進化ポイントを5消費して、器用のスキルツリーの咆哮側の先を解放なのさー! これで残る進化ポイントは16!
<『器用』第3段階:ステータス強化『器用+7』を解放しました>
<進化先の1つが解放されました>
「あ、進化先が出たみたいですね!」
なるほど、なるほど! こういう風に進化先が解放されていくんだね! という事は、最大で進化先は6種類は出るのかな? うん、多分そうだね!
ミツルギ : おし、これで進化に進める!
ミナト : ミツルギさん、ここからの説明はよろしくねー!
富岳 : 頑張れよ、アドバイザー・ミツルギ!
イガイガ : 公認なんだから頑張れよー!
ミツルギ : うっせーよ!
いなり寿司 : 何、このカオス。
咲夜 : うん、多分これがこの配信の標準だ。
金金金 : 多分そうなるだろうなー。
さーて、ミツルギさんのアドバイザーとしての出番も必要みたいだし、次は進化をやっていこー! ふふーん、ライオンが進化したらどんな風になるのかなー?
「……はぁ、またか」
「作者さん、ため息を吐いてどうしたんですか! 元気出しましょうよ!」
「いや、誰のせいだと!? なんでまたサイコロになってるの!?」
「そんなものは悩んだからに決まってるじゃないですか!」
「何故二択から運任せのサイコロに変わった!?」
「結果的には二択の内の『器用』になったじゃないですかー!」
「いや、ほんとにもうここで本当にサイコロを振ったら5が出たのには驚いた……」
「ふっふっふ、サイコロは私に器用を勧めていますよね!」
「そこは自分で決めようよ、サクラ?」
「そこはお断りします! という事で、私、サクラの華麗な選択が良いと思った方はブックマークや評価をお願いしますねー!」
「華麗な選択か!? あ、ドサクサに紛れて済ませたな!?」
「ふふーん、変なのを読まされる気がしたので先に手を打ちました!」
「その行動力で、普通に選んでくれないかなー!? はぁ、まぁ良いや。それじゃ次回は『第43話 初めての進化』です。お楽しみに!」
「わーい! 今度こそ初めての進化ですよー!」