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第34話 確認したい事


 新しく2つの攻撃用のスキルを手に入れたー! ふっふっふ、Lvも結構上がってきたしね! これはひょっとすると、どれかの私の敵討ちが出来るかも!

 さて、それじゃマップで敵の位置と、今の私の位置を確認して、進化ポイントを確保しに行くぞー!


「あ、その前にちょっとステータスを確認しても良いですかー?」


 極端には変わってないだろうけど、この辺りの具体的な数値を少し確認しておきたいんだよね!

 進化ポイントが1残ってるし、これからの戦闘の為に使いきってしまおう!


ミツルギ : おう、問題ないぞー!

イガイガ : このタイミングでステータスを見たいって事は、どれかステータスを上げる予定?

咲夜 : まだ進化ポイントは1残ってるし、ステータス強化に使うのものもありか。

ミナト : 先の為に貯めておくのもありだし、使い切って強くするのもありだねー。


「はい! とりあえず、低いとこを底上げするか、高いとこを更に強化するか、方向性を考えようかなって思ってます!」


 という事で、現在のステータスを表示! さーて、何を強化しようかなー?


【ステータス】


 名前:サクラ

 種族:ライオン

 進化階位:幼生体

 Lv:8


 生命 : 170

 屈強 : 33

 堅牢 : 17

 俊敏 : 27

 器用 : 22

 知恵 : 17


 あ、『堅牢』が低くて、『俊敏』が高めだね! そういえば元々ライオンは『俊敏』が高いんだったっけ。でも『堅牢』の数値も他に比べると低いよねぇ……。


「あ、そういえば聞きたいことがあるんでした!」


イガイガ : 出番だ! いけ、アドバイザー・ミツルギ!

ミツルギ : くっ、サクラちゃんの公認になった以上、その呼び名は許容するしかないか……。それでどんな質問?

咲夜 : 完全に公認だもんな。

神奈月 : ミステイク・ミツルギが公認にならなくてよかったな。

ミツルギ : うっせーよ!


 ふっふっふ、この配信の中では配信者である私が絶対のルール! だからこそ、ミツルギさんはアドバイザーとして公認なのです! まぁそれは今はいいから、聞きたいことを聞いておこうっと。


「えっとですね、HPの回復ってどうやるんです? 今は全快になってるから問題ないんですけど、回復の仕方が分からなくてですね……」


ミツルギ : あー、それか。確実に今のサクラちゃんにも出来るのは戦わずに安静にしておく事だ。

チャガ : このゲームは、動きさえしなければ自然回復していくからな。

ミナト : 他にも手段はあるけど、その辺はちょっとネタバレになるんだよね。サクラちゃん、それでも良い?


 ふむふむ、放っておくだけで回復するのは良いけど、流石にそれだけじゃこれから先は間違いなく厳しいよね。

 他の手段もネタバレになるけどあるって話だし、多分回復用のアイテムがあるって推測はしてるし、ここは素直に聞いておいた方が安全かな? というか、進化までは他にチュートリアルはないみたいだし、アイテム絡みのチュートリアルはなさそう!


「回復に関してはネタバレOKって事で、教えてください!」


ミナト : そっか、そっか。それじゃ公認のアドバイザーのミツルギさん、よろしくー!

ミツルギ : おうよっと。えーと、幼生体の場合だとまだ手段が限られてるんだが……実物があれば説明も早いんだけどな。サクラちゃん、周囲を見渡してもらえるか?

イガイガ : 草原って分かりやすいのはあんまりないからな。近くにあればいいが……。


「はーい! とりあえず周りを見てみればいいんですね!」


 えーと、視界の邪魔になるからステータスは一旦閉じてっと。それで周囲をグルっと見回してみよう。うーん、イガイガさんは草原には分かりやすいのがあんまりないって言ってるし、やっぱり回復用のアイテムかな?

 はっ! 私が今まで小石以外のアイテムの存在を確認していないのって、実は分かりにくいからなのかもしれない!? ん? あ、あれは!


「わっ、イチゴだ! イチゴがありますよ!」


 イチゴと言っても、普通に売ってるイチゴじゃなくて野イチゴかな? それっぽいのをおじいちゃんのとこで見た事があるし、食べたことがある!

 しかも結構な量があるね! これってもしかして、食べたらHPが回復するというアイテムだったりするの!?


ミナト : あら、これは良いタイミング。

ミツルギ : お、それだ、それ。サクラちゃん、絶対に咥えずに、ライオンの前脚でそれに触れてみな。

咲夜 : サクラちゃん、咥えるのはなしだぞ!

イガイガ : 咥える云々は振りじゃないないからな!?

神奈月 : それ、言わない方が良い気がするけどなぁ……。


「やだなー! そこまで言われたら……やるしかないじゃないですか! ガブリ!」


 ふっふっふ、やるなと言われたらやるのがお約束! あれ!? 甘酸っぱくて、美味しいよ!?

 モンエボって、味覚再現機能付きのVRゲームだったの!? 


「懐かしい味がしますよ、これ! VR空間での味覚再現って確か結構厳しい認証が必要でしたよね!?」


 VR空間で食べ過ぎて、食べた気になり過ぎるのを防止する為にゲームでは制限が厳しかった覚えがあるよ!? 逆に料理専門のアプリではいくらでも食べ放題とかもあるけど、専用の許可が必要だったはず!

 ゲームで料理とかに味がある時は、大体どこかの料理店がスポンサーについてるんだよね! VRでの味見広告とか言われるやつ!


神奈月 : ……やっぱり、言わない方が良かったやつだった。

咲夜 : 発言が裏目に出た……。

真実とは何か : 真実は表に出さぬ事も重要である。

ミナト : サクラちゃん、とりあえず落ち着こう? オフライン版のモンエボは素材そのものの味までの認証は取ってるし、アイテムでは味があるからね。

咲夜 : 調理がない分だけ、認証が取りやすかったってインタビュー記事で見た覚えがある。

ミツルギ : サクラちゃん、なんで全快してる今食べちゃうかなぁ……。

チャガ : 咥えて取ると、動物系だと即座に消費になるからな……。


「そうだったんですか!? やるなと言われたらついやりたくなっちゃいました!?」


 うぅ、ついやりたくなったというのもあるけど、小石を咥えてもアイテムとして獲得できたから問題ないと思っちゃった。そっか、咥えて獲得したらすぐに消費になっちゃうんだね。

 でも、大丈夫! 結構たくさんイチゴは生ってたから……って、あれ!? さっきまでたくさんあったのに、全然ない!?


「全然残ってないのはなんでですかー!? え、私、一口分しか食べてないですよ!?」


ミツルギ : そういう仕様なんだよ、ゲームだし。まぁ一定時間が経てば復活するから……。

チャガ : 直接食べた場合はその場所のを全て消費して全回復で、採集してアイテム化したら割合回復になるんだよ。まぁ採集回数も、アイテムの質も場所によって違うがな。

金金金 : あー、そういう仕様なのか。

ミナト : エリアにもよるんだけど、ちょいちょいこういうアイテムの採集場所はあるからね。


「うー! 完全に私のミスだー! アイテム化しそびれたー!」


 ぐぬぬ、折角の回復用のアイテムの入手チャンスを台無しにして……あれ? 今回こそドジっ子と呼ばれそうなものだけど言われないね?

 うーん、まぁドジっ子と言われたくないし、実際にドジっ子でもないし、言われないならそれでいっか!


「よーし、それじゃ気分を切り替えて行きますよー! えーと、何をしてたんですっけ?」


 あれ? あ、そうだ。マップを確認して、現在地と敵の位置を確認しようとしてたんだった! ど忘れしかけたけど、ちゃんと思い出したぞー!


金金金 : サクラちゃん、ステータス強化は?

ミツルギ : 先に強化をするのでは?


 はっ!? そういえば、倒しに行く前に少しでも強化をしようと思ってたんだった! ステータスを閉じてたから忘れてたよ!


「あはは、やだなー! ちょっとしたど忘れですよー! さーて、それじゃステータスを強化していきましょう!」


 あはははは、完全に強化を忘れ切って別の事をしようとしてたけど、口に出してないからセーフ! マップを開くまでで、よかった!

 よし、手早く済ませてこの事はきれいさっぱりと忘れ去ろう。それが良いよね!


「うーん、折角元々高い『俊敏』があるので、ここは『俊敏』を上げておきます!」


<『俊敏』第1段階:ステータス強化『俊敏+5』を解放しました>


 手早く操作して、これで『俊敏』のステータスが上がった! 回復アイテムがないなら、ヒットアンドアウェイで戦って、ダメージそのものを受けずに頑張るのみ!

 ふっふっふ、攻撃なんてものはどれだけ威力が高くても当たらなければ何の意味もないのですよ!


咲夜 : 妙に手早い操作だな?

真実とは何か : そういう時の真実は……。

イガイガ : 何かを誤魔化そうとしてる時か。

神奈月 : そこまで分かってるなら、誤魔化されといてやれよ……。

ミナト : さて、次は現在地の確認だね!

チャガ : 今の位置はどこかが問題か。

ミツルギ : 今なら、あのゾウともまともに戦えるかもしれないしなー。


「え、あのゾウと渡り合える可能性があるんですか!? それならすぐに現在地を確認しますね!」


 誤魔化したいのに誤魔化されてくれない人達はスルーして、すぐにマップを確認! ミツルギさんの見立てではあのゾウを倒せる可能性があるのなら、まずはあのゾウを仕留めるのさー!


「えいや! あー! あのゾウ、割と近くですよ! よーし、それじゃあのゾウを倒して、私のライオンの敵討ちです!」


ミツルギ : お、そりゃよかった。

金金金 : サクラちゃんの敵、今こそ討つべし!

咲夜 : 自分の敵討ちを自分でやるのか。

神奈月 : そこはツッコんだら駄目なとこだぞ。

イガイガ : さて、前回は一方的にやられたが、なんだかんだで強化した今だとどうなるか。

ミナト : サクラちゃん、爪撃と噛みつきを使うのがぶっつけ本番になる気もするけど大丈夫?

チャガ : 途中で敵を見つけて、練習ってのもありだぞ。


「んー、積極的に他の敵は探しませんけど、普通に見つけたら戦います! でも、ゾウの所に辿り着くまでにいなければそのまま挑みます!」


 練習はした方が良いんだろうけど、ゾウが近くにいるのを分かってて回り道をする気もなーい! 今度こそ、あのゾウをぶっ倒すのさー!


「サクラ、なんで咥えるなって言われたのに咥えたの?」

「やるなって言われたら、やりたくなるじゃないですかー?」

「……うん、まぁそう言ってたね。聞くだけ無意味だったかー」

「それは良いとして、味があったのにびっくりです!」

「オンラインが解禁の前は、味がないのが一般的だったからねー」

「あれってなんで制限があるんです?」

「料理を味わうのはVRだけで良いって、栄養補給は錠剤とかで済まそうとする人が増加して、食品業界が危うくなりかけたからだね」

「切実な理由だったー!?」

「ま、色々あるんだよ」

「そうみたいですねー!」

「さて、それじゃ今回も任せようか」

「はい、お任せ下さい! 私、サクラのゾウへのリベンジ戦を応援してくれる方はブックマークマークや評価をお願いしまーす! 全身全霊で頑張りますよー!」

「という事で、次回は『第35話 ゾウへのリベンジ』です。お楽しみに!」

「絶対にリベンジしてやるのです!」

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