第18話 ステータスの強化
ふっふっふ、私は私自身にびっくりだー! スキルを2つ持っている格上のあの雑草を、華麗に撃破したのです!
ミツルギ : なんか、狐っ娘アバターの方が笑みを浮かべだした。
咲夜 : 格上を倒したって事でテンションが盛大に上がってる?
イガイガ : そうっぽい感じだな。
神奈月 : まぁ気持ちは分かる。
金金金 : その微笑ましい笑顔、いいね。
「そうなのですよ! 格上と分かって、テンションが上がってるのです! さーて、HPは全快になってますし、次の敵を倒しに行きますよー!」
勢いに乗って、いざそのまま次の戦いへ! ふっふっふ、今の私は負ける気がしない! あのゾウだって倒せるのさ!
ミナト : サクラちゃん、ストーップ!
イガイガ : 色々と確認することをまた飛ばす気か!?
ミツルギ : サクラちゃん、せめてスキルのチュートリアルを見よう? な?
「はっ、そういえばそうでした! え、でもスキルのチュートリアルをやるにしても、進化ポイントは足りてませんよ?」
はて、新しくスキルを取らなくてはいけないのなら、進化ポイントはまだ足りないはず?
『投擲』は別系統みたいだし、え、そうだよね? あれ、今進化ポイントは何ポイントあったっけ?
咲夜 : え、足りてるよね!?
イガイガ : さっきのLvアップと幼生体の討伐で3ポイント入ってるはず。屈強の第一段階の解放に1は使ったけど、その時点で残り1だから、今は4ポイントだな。
ミツルギ : 二段階目の解放に必要なのは進化ポイント3だから、スキルは取れる。
チャガ : 一応、どのスキルツリーでも1つのスキルの解放までは出来るな。
「あ、そういえばそうなるんですね!」
そっか、そういえば幼生体を倒したのとLvが上がったので、それぞれに進化ポイントが手に入ってたんだった! うん、そこを忘れていたよ!
「あ、そういえばLvが上がった時に出てた基礎ステータスの上昇って何です? ステータスの強化ってスキルツリーの解放だけじゃないんですか?」
全然気にしてなかったけど、その辺りも全然確認してなかった。なんだろう、基礎ステータスって?
ミツルギ : 普通に気付いてるもんかと思ったけど、そこからか……。
イガイガ : 出番だぞ、ミツルギ! 良かったな、出番が多くて!
ミツルギ : うっせーよ!
咲夜 : なんか怒ってるミツルギは放っておいて……それについては、まぁLvアップの際に最低限上がるステータスだ。幼生体ならLvが1上がれば、生命は10、他は1ずつ上がる。
ミナト : まぁスキルツリーの解放でのステータス上昇の方が大きいから、ここは本当に最低限のステータスの底上げって感じだねー。
「なるほど、なるほど! そういう仕様なんですね、了解です!」
要するにLvさえ上がれば、着実にステータスは上がっていくって事だね! でもって、スキルツリーによるステータス上昇の部分の解放が重要そう?
うーん、それならスキルを取るにしても、ステータス上昇を解放するにしても一度スキルツリーを見た方がいいかな。うん、そうしよう!
「それじゃちょっとスキルツリーを弄ってみますね!」
さっきスキルツリーの内容を見た時は、屈強以外はサラッと流しただけだもんね!
あ、基礎ステータスについても聞いたから、そこの確認を先にしてみようかな? 皆さんが嘘を言っているとは思わないけど、念の為に自分の目でも確認なのですよ!
【ステータス】
名前:サクラ
種族:ライオン
進化階位:幼生体
Lv:5
生命 : 140
屈強 : 29
堅牢 : 14
俊敏 : 24
器用 : 14
知恵 : 14
「おー! ちゃんと全ステータスが上がってます! 少しですけど……」
うーん、少しではあるけど、元々の数値を考えたら結構な強化になるのでは!? あれ、そういえばあの雑草って、どのステータスが高いんだろう? それにスキルも気になるね。
葉っぱは遠距離攻撃だったから……えーと、確か遠距離攻撃に影響があるのは、器用だったはず! それで、あの根は近接攻撃……あれ? あれって近接攻撃なの?
ミツルギ : まぁ初期はこの微々たる数値でも、影響は結構あるけどな。
イガイガ : 確かに初期はなー。
咲夜 : ん? 今度は狐っ娘アバターが悩ましそうな顔をしてるぞ。
チャガ : なんというか、表情豊かなアバターだな。
ミナト : サクラちゃん、そのアバターってどう調達したのー? かなり作りこまれてるから標準で用意されてるのをちょっと弄ったって感じじゃないし、どっかでプロに製作依頼をしたやつ?
「え、このアバターなら自作ですよー!」
ふっふっふ、テスト期間の真っ最中に私のテスト勉強の時間と成績を代償にした自信作なのですよ! まぁ素人のお遊び程度で、自分で使うのが精々だけどねー。
ミナト : えっ!? このアバター、サクラちゃんの自作なの!?
イガイガ : マジで!?
チャガ : おいおい、マジか。これって、下手な売り物より質が良いんじゃねぇか?
金金金 : サクラちゃん、そのアバターデータ、言い値で買おう。
神奈月 : また、こいつは!? あー、でもこの出来は、うん、本気で金を取れるやつだ。
真実とは何か : 意外な真実が隠されていたものだ。
咲夜 : これは、ある意味一番の予想外かもしれん。すげぇな、サクラちゃん。
「やだなー、皆さん過剰に褒め過ぎですって! 確かに自信作ではありますけど、そんな人様からお金をもらえるような代物じゃないですよー! 金金金さん、その申し出は嬉しいんですけど、このアバターは私用ですし、そこまでの代物ではないので、ごめんなさい!」
皆さんが褒めてくれるのは嬉しいけど、これは本当に売り物じゃないからね。自分が使う分には自信作ではあるけど、アバターデータを売って他の人に使ってもらおうなんて、流石にそれは恐れ多いよー!
ミツルギ : なん……だと!?
イガイガ : あれ、もしかして自覚無し?
金金金 : ……勿体なさ過ぎる!
咲夜 : 今回は金金金さんに盛大に同意。
神奈月 : 同じく。
ミナト : あはは、そういう感じかー。
「もう! 皆さんで結託して私をからかってます!? アバターに関しての話はここで終わりにしますよ!」
なんだかこれ以上この話題を続けてても、皆さんにからかわれ続けそうな気がするから話題転換にしよう! うん、さっき気になってた部分もあるし、ここで聞くのがいいね!
「それはともかく、さっきの雑草のスキルって根は近接攻撃なんですか? 切ってくる葉っぱは遠距離だと思うんですけど、器用のスキルツリーの中にあるので合ってます?」
チャガ : その辺の情報って草花系の種族のネタバレになるけど、それでもいいか?
「はい、問題ないです! なんか妙に気になったのもあるし、多分そこに辿り着くにはまだまだかかりそうなんで!」
ちょっと話題を変えたいという意図もあるけど、その辺りは実際に気になるんだよねー。
私のライオンで流石に雑草の根っこや葉っぱを使う事はないだろうし、ここは聞いてもいい範囲だと思うのさ!
チャガ : そういう事なら問題はないか。
咲夜 : さっきチャガさんがスキル名を出しちゃったのが、逆に説明しやすいかもね。
チャガ : そこは放っておいてくれねぇか?
ミツルギ : まぁサクラちゃんが良いって言うならいいか。えっと、『葉っぱカッター』は草花系種族の器用のスキルツリーの2段階目で解放されるスキルで合ってるぞ。でも『根の操作』の方は近接攻撃がある屈強のスキルツリーではないな。
イガイガ : 『根の操作』は草花系の俊敏のスキルツリーの方だな。基本的に移動用のスキルなんだよ、あれ。
ミナト : まぁ人間で言うところの手足みたいな扱いだから、移動以外にも使えるんだけどね。
「あ、あの根って俊敏のスキルツリーなんですか! これは聞いてよかった気がします!」
あの根を動かすスキルは近接用の攻撃じゃなくて、移動用のスキルだったとは思わなかった! うん、今のを聞いておくという判断は間違いじゃなかったみたい。
そっか、スキルって一言で言っても、攻撃用以外のスキルも存在してるんだね。なるほど、それなら一回全部のスキルツリーの内容をしっかり見ておく方がいいのかも?
「よーし、決めました! とりあえずスキルツリーの項目を詳しく確認していきます!」
ミツルギ : よしきた。
イガイガ : まぁ色々とスキルはあるからな。
チャガ : ま、スキルツリーを詳しく見て、育成の方向性を考えていくのもありだろ。
ミナト : サクラちゃん、ファイトー!
「はい、頑張ります!」
うん、頑張ると返事はしたけど、スキルツリーを見るのに何を頑張るんだろ? まぁ言っちゃったものはそれでいいのさー。
さてと、さっきは屈強以外は一段階目を軽く見ただけだから、次は考えながら見ていくぞー! どんなスキルがあって、何を優先して取っていくかも考えないとね!
「あ、アバターについては聞かないでくださいねー!」
「聞こうと思ったのに、先手を打ってきただと!?」
「だって、色々と面倒なんですもん。良いじゃないですか、私が自分用に自作したってだけで!」
「……もしかしてアバター絡みでなんかあったの?」
「黙秘権を行使します!」
「……こりゃ聞くのは無理っぽいね。無理に聞き出すのもあれだし、今回の分をよろしく」
「あ、今回はカンペあるんですね! えーと、これなら問題なしです! 『強敵を倒してテンションの高いサクラを応援してくれる方は、ブックマークや評価をお願いします』! ふふん! 頑張りましたから、これは当然ですね!」
「さて、次回は『第19話 スキルツリーの中身 前編』です。お楽しみに!」
「おー! 次は前後編ですね!」