第14話 進化ポイントを求めて
育成方法の確認はしたけど、チュートリアルはまだ途中だった! えーと、どこかの項目を実際に解放してみようってなってるね。
んー、どれを解放しようかなー? 1段階目はどれもステータスを上げるみたいだし、スキルツリーの先にあるスキルを取っていくにはどれも解放する必要はありそうだよね。そうなると、最初は効率を上げる為にこれかなー?
「よし、決めた! 攻撃力が欲しいんで『屈強』の1段階目を解放しときますね!」
何かのステータスを解放してみようとチュートリアルに出てるし、ここは攻撃力を上げておくべし!
<『屈強』第1段階:ステータス強化『屈強+5』を解放しました>
<育成要素のチュートリアルはこれにて終了になります>
よし、ちゃんと育成システムを使って『屈強』の第1段階を解放して、ステータスの屈強が+5になって22から27になったー! これは確かに皆さんが気にするわけですよ! なんで私はここは後で良いとか思ったのかなー!?
うん、済んだことは考えなくてもいいや! ともかく育成のチュートリアルは終わったー! 進化とかアイテムについては進化が可能になった時点で新しくチュートリアルが出るのかも?
「ふっふっふ、今回はちゃんとチュートリアルをやり遂げましたよ! この調子で頑張っていくぞー!」
ミツルギ : まずは屈強からか。
咲夜 : まぁ、最初はどれを選んでもいいしなー。
イガイガ : サクラちゃん、進化ポイントはまだあるけど、使うの?
「あ、そういえばそうですね。んー、どうしましょう?」
さっきはサラッと流し見をしただけだけど、先にあるスキルの内容が見れるようになってるから確認していこうっと。
えーと、2段階目はスキルツリーが2つに分岐してて、これはどっちもスキルみたいだね。
「屈強の次の段階で選べるのって『爪撃』と『噛みつき』なんですねー。んー、でも他のステータスも上げたいですよねー。どう育てていくか悩むなぁー」
咲夜 : うん、その気持ちは分かる。
金金金 : 育成要素はゲームの醍醐味だもんな。
ミツルギ : まぁ、そうなんだけどな。初見でやりたいんだから、余計な事は言わない方がいいか。
金金金 : ん? 何か言いたそうだな、ミツルギ。
イガイガ : サクラちゃんはネタバレなしでやりたいって言ってるんだから、余計な事は言うなよ。
「あ、本当に聞いてない時はネタバレは厳禁でお願いしますよー!」
発売から結構時間が経ってるゲームって攻略情報が揃ってるから、効率的な攻略方法ってあったりするけどねー。でも、初見プレイでの配信なんだからそれに頼ったら面白くないし!
多分、ミツルギさんの言う余計な事ってそういう情報なんだろうなー。という事は、今の時点でも何か有用な育て方が存在する? あー、もう! そこから考え出したら余計に悩むー!
「うー! ミツルギさんのバカー!」
ミツルギ : え、なんでいきなり罵倒されたの、俺!?
チャガ : ネタバレなしでって言ってるのに、思わせぶりな事を言うからだろ。
イガイガ : そうだ、そうだ!
ミツルギ : あー、すまん、サクラちゃん。確かにそれはそうかもしれん……って、それならイガイガも同罪だろ!?
イガイガ : なに、俺に責任転嫁しようとしてんだよ。
ミナト : はいはい、コメント欄での喧嘩はそこまで! サクラちゃんが進められないから、喧嘩するなら黙ってようねー?
イガイガ : ……すまん。
ミツルギ : ……悪かった。
あ、ミナトさんが収めてくれた。ちょっとさっきのは私もミツルギさんに八つ当たりしてしまったけど、ミナトさんも良い人だなー!
「ミナトさん、ありがとうございます! ミツルギさん、今のは少し八つ当たりになってたので、そこはごめんなさい!」
ミツルギ : あー、さっきのは俺も悪かったよ。変に気になる情報を言わないように気を付けるわ。
真実とは何か : 過ちを認めて、謝れるのはなかなか難しいものだ。
咲夜 : 素直に謝れるサクラちゃんは良い子だね。
神奈月 : 確かにそれはあるな。
「やだなー。褒めても何も出ませんよー?」
えへへ、こんな形で褒められるとは思わなかったよ!ふふーん、褒められたらなんだか良い気分ー! この調子でテンション上げていこー!
あ、今気づいたけど、いつの間にか視聴者さんがまた増えて15人に増えてるよ? でも、コメントしてる人は増えてないから、ただ見てるだけの人かな? まぁそういう人もいるよね!
「新しく見に来た視聴者さん、ご視聴ありがとうございます! さーて、ここからは進化ポイントを集めていきますよー! スキルツリーの解放はまず第2段階の攻撃用っぽいスキルを取ってからにします!」
まずは攻撃手段を充実させてから、数を倒していく作戦なのですよ! ふっふっふ、死んでも同じエリアの他の場所に飛ばされるだけなら、ひたすら攻撃あるのみだー!
ミツルギ : まずは進化ポイント集めからか。
チャガ : さて、どうなりますかね。
イガイガ : とりあえずは見守るのみ!
金金金 : 俺としては純粋にオフライン版の序盤がどうなってるのかが気になる。
咲夜 : ま、見てれば分かる。
金金金さんは私と同じで未プレイですもんねー。私のこの配信を見てくれている人が全員プレイ済みの人ばかりじゃないはずだから、その辺もしっかりやるのですよ!
「それじゃ、敵の幼生体を探して出発!」
ふっふっふ、既に走り方も戦い方も習得したから、この広い草原を探していけばいいだけなのさ! 今見えている範囲でも、シマウマの群れもいるし、キリンや、ヒョウなんかもいるねー。あ、ゾウも何匹かいる!
あのゾウはさっきライオンの私を殺した個体とは別だと思うけど、そんなのはお構いなしなのですよ! とりあえずゾウを1回、八つ当たりに倒すまで!
「とりあえず、あそこのゾウ狙いで! 八つ当たりです!」
咲夜 : あ、地味にゾウに殺されたのを根に持ってたよ。
ミツルギ : でもまぁ、その気持ちは分からなくもない。
金金金 : 違う個体だと分かってても、倒したくなるよな、ああいうの。
ミナト : うん、うん、分かるよ、その気持ち! 私も初めてプレイした時にやったもん。
「おぉ、皆さん分かってくれますか! それじゃ、いきますよー!」
狙いは群れから逸れているこっちを見てないゾウがいいよねー? 群れに突っ込んで、袋叩きで返り討ちとか嫌だし、逸れた個体をボコるのですよ!
ふっふっふ、あれだけ数がいるし、さっきみたいに私のライオンよりLvが上の幼生体の可能性は低いはず! さぁ、ゾウ狩りの始まりですよ!
えーと、走っていきたいというイメージで近づいて……さっきは具体的な攻撃方法が定まっていなかったけど、スキルの名前を見てなんとなくそこは分かった!
あれですよ、ライオンのどの部分で攻撃するかを明確にイメージすれば、多分その場所で攻撃してくれるはず!
「くたばれ、ゾウー!」
気合を入れて声を上げつつ、ゾウに向かって疾走開始! うん、ちゃんと操作出来てるし、ゾウの側面にかなり近付いたから、ここから飛び上がって爪を振り下ろすイメージで! シマウマより耐久性はありそうだから、何回か爪で攻撃するつもりでいくよー!
おぉ、少しジャンプするタイミングが遅かったみたいで、ゾウに体当たりって形にはなったけど押し倒す事に成功した! ふっふっふ、ちょっと失敗したけど、結果オーライ! くたばれ、ゾウ!
「やった! ちょっと予定外に体当たりが混ざりましたけど、狙ってた爪での攻撃が出来ましたよ! それにゾウも倒せましたよ! ステータスの強化、ばんざーい!」
ミツルギ : お、初めに比べたらかなり上達したんじゃね?
イガイガ : 今のゾウが幼生体で返り討ちを予想してたが、普通に一般生物だったっぽいな。
咲夜 : ここまでのサクラちゃんにしてはお見事!
真実とは何か : まぁ、まだジャンプをするタイミングが遅すぎたとかもあるけど、十分過ぎる上達だ。
チャガ : ……言い方がひでぇな、お前ら。
神奈月 : まぁ初めの方を見てたらねぇ……?
「ちょっと、皆さん! チャガさんの言うように普通に褒めてくれても良いんじゃないですかねー!?」
序盤の操作が酷かったのは流石に私も自覚はあるけど、今回はちょっとしたミスがあったとはいえ良くなってるんだから誉めて欲しいよ!?
でもまぁ、ライオンの攻撃力が上がってる実感はあったので良し! ゾウはなんとなくシマウマよりも攻撃回数が必要な気はしてたけど、あっさり仕留められたしね!
「やっと育成が始まったか」
「ふっふっふ、これで私は負けはしなーい!」
「いや、まだスキル――」
「よーし、どんどん倒していくぞー!」
「……おかしい、育成が進んだはずなのに先に不安しかない!?」
「何をそんなに不安がるんです!?」
「……まぁいいや。はい、今回のカンペ」
「私の疑問に答えてくれませんかー!? ふぅ、仕方ない作者さんですねー。えーと今回は……おぉ、珍しいじゃないですか! 『ちゃんと進んだサクラが立派だと思ったら、ブックマークや評価をお願いします!』 はい、今日のノルマ終わり!」
「……もはやただのノルマ扱い。次回は『第15話 幼生体を探せ』です。お楽しみに!」
「敵を探して、ぶっ倒せー!」