第100話 落雷を利用して
んー、半ばヤケクソだけど、ランダムリスポーンで狙う場所がいくつもあるというのもそれはそれで負けな気がする。雷が落ちてる間って限定されるしね!
それならば狙う場所を1ヵ所に限定すればいい! 今日の残りの配信時間は20分くらいだし、目標のエリアボスの討伐も達成したし、こういう事をしても問題ないよねー!
「よーし、とりあえずランダムリスポーンで移動をする場所として、目的地を1ヵ所に絞りましょう!」
えーと、私の好きに決めても良いんだけど、ここは和室のお披露目も兼ねてあれをやっちゃいましょう! ふっふっふ、これならゲームは中断中になるから、時間経過はないもんね!
という事で、模様替えをしたVR空間へと切り替え! うん、ちゃんとモンエボは中断中になってるね!
ミツルギ : あー、またあれか。
神奈月 : おぉ!? 完全に和室だ!
チャガ : なるほど、こういう風に模様替えをしたのか。
いなり寿司 : 和服の狐っ娘アバターと和室は合ってるな。
G : おー、和室か。
富岳 : ふむ、外は竹林になってるのか。
真実とは何か : 微妙に竹林は見覚えがある。
神奈月 : あー、確かにどことなく見覚えがあるような?
うふふ、和室と狐っ娘アバターが合ってるって言ってもらえると嬉しいねー! そして真実さん、そこを見抜くとは鋭いですね!
「まだ色々と足りてないんで、合間でちょいちょい作り足していきますけどねー! 竹林は間に合わせとして標準で用意されてたのを使ってますけど……」
明日小物を作る予定ではあるけど、流石に背景までは無理かなー。うん、竹林はしばらくそのままになるけど、そのうち頑張って作ってみよう!
神奈月 : あー、なるほど。標準で用意されてるやつなら他の配信で使ってる人もいるし、見覚えある訳だ。
いなり寿司 : だなー。
「そうなりますねー! それではランダムリスポーンの目的地を決めていきますよー!」
他の人も使ってるからこそ、使ってないものに変えたいんだけど、流石に時間がかかるもんね。多分兄さんに相談が必要な気もするし、すぐにはここは無理!
とりあえず、まだお披露目出来てなかった人にも模様替えしたVR空間のお披露目は完了! さて、本題に移っていこう!
ミナト : よーし、やっていこー!
富岳 : どの出目で、どこにするんだ?
イガイガ : 選択肢としては、『高台の森』か『湖』か『川の下流』か『確保した安全圏で時間の経過』のどれかだな。
ミナト : 川の下流と時間の経過はほぼ同じ場所だから、ここではまとめてもいいんじゃない?
イガイガ : あ、そういやそうか。
うん、そうだね。そこはまとめてしまっていいだろうから、選択肢はこうだー!
「サイコロを振って1か2なら『高台の森』方面へ、3か4なら『湖』方面へ、5か6なら『滝』に行くという事にします!」
悩んだ時には運任せ! まぁ今回は悩んでる訳じゃないけど、次の目的地は決めなきゃいけなかったし、丁度いいよね! どっちにしても悩みそうだったし!
んー、でもやっぱりまだ家具系が全然用意出来てないから、和室も少し殺風景だよね。賭場とかも考えてたけど、そのまえに普通に和風の机とかは欲しいのさー!
G : あー、アーカイブで見たけど、これが例のサイコロか。
金金金 : もう定番化しつつある、サイコロでの運任せ。
咲夜 : ランダムリスポーンで次に行く場所を設定することになるとか予想もしなかったけどなー!
ミツルギ : それは同意。
イガイガ : それは間違いない。
神奈月 : だよなー。
ミナト : まぁそこはサクラちゃんだしね!
真実とは何か : それこそが真実である。
「さーて、それじゃサイコロの出番です! えーと、まだ机はないので畳の上にですね!」
という事で、配信用のメニューを呼び出してサイコロを取り出す! うーん、この取り出すのは箪笥から取り出すとかそういう風にしたいよね。
明日は日曜だし、元々そういう予定にはしてたけど、最低限でも机と箪笥は作っちゃおう!
「では、いきますよー! えいや!」
勢いよくサイコロを投げる! これで私の行くべき道への賽は投げられた! うん、文字通りの意味で!
「おっ、出目は2ですね! では、ランダムリスポーンで狙う目的地は森に決定です!」
ミツルギ : お、森になったか。
咲夜 : さて、無事に辿り着けるのか?
イガイガ : 完全に運任せだからなー。
ミナト : それじゃ、サクラちゃん、頑張っていこー!
「はーい! それじゃゲームに戻しますねー!」
無事に目的地も決まったし、ゲーム内に戻って落雷で死ににいくぞー! ……うん、なんでこうなってるんだろ? まぁいいや! なんとなく私の勘がそうしろと告げているのさ!
さて、手早くゲームの方に戻して、プレイ再開! うーん、相変わらずの大荒れの天気だねー。 そういや、川って……ちょっと水が増えたような気はするし、流れも凄い事になってる!?
「これ、天気が荒れてる時って川の中の敵はどうなってるんです?」
ミナト : んー、種類によるかなー? 流される敵もいれば、そうでない敵もいるしね。
富岳 : 荒れてる時の川には入らない事をおススメする。直球で言うが、陸地の種族は普通に溺れ死ぬぞ?
ミツルギ : まぁそれもありではあるんだが……。
「あ、普通に死ぬんですね!?」
まさかのここでも死亡する場所があった! というか、そりゃ溺死するんだらそうなるよねー! あ、でもランダムリスポーンを狙うならそれもあり?
いなり寿司 : あー、落雷で死ぬよりは時間がかかるから、雷が鳴ってる間は雷の方が良いぞ。
咲夜 : だなー! 絶対に落雷の方がいい!
イガイガ : 変に溺死を狙うと、落雷より時間がかかるからな。
神奈月 : サクラちゃん、死ぬなら落雷だぞ!
なんだか皆さん、私が落雷で死ぬことを推奨してない? そもそも、なんで皆さんは落雷で死にまくるのを止めないんだろ? んー、気にはなるけど、まぁいっか!
「それじゃ、また駆け出して大ジャンプですね! あ、少し待ってください!?」
ミツルギ : ん? どした、サクラちゃん?
咲夜 : サクラちゃん、何事だ!?
「いえ、1回で済んだらいいんですけど、そうでない可能性もあるので、『死亡還元』も取っておこうかなーと!」
進化ポイントが貰える確率は高くなくても、わざわざ死んで移動するんだから持っておいても損はないはず! 運任せなら、更に運任せを追加するのみ!
ミツルギ : あー、なるほど。確かにそれはありだな。
イガイガ : だなー。
咲夜 : むしろ1回で到着される方が困る……。
いなり寿司 : おーい、言っていいのか、それ!?
咲夜 : はっ!? サクラちゃん、今のはなしで!
うーん、皆さん、何か企んでません? ランダムリスポーンで移動する事より、私が落雷で死ぬ事を狙ってません? 落雷で何度も死ぬと、何かあるの?
金金金 : サクラちゃんの疑いの視線。
富岳 : おーい、咲夜さん?
チャガ : 迂闊な発言が多いな。
「むぅ、皆さん、私が死にまくる事で何か企んでますね!? ですが、それはランダムリスポーンで手早く森へのルートの近くに出れば済む事です! 皆さんの思惑通りになるか、私がこの雷雨の中から抜け出すか、どっちが早いか勝負です!」
ふっふっふ、これならば私が皆さんの狙い通りになる可能性も、そうでなくなる可能性もある! 完全に運頼りの方法だけど、それがどうしたー! 運任せ、上等ですよ!
ミツルギ : なぜか勝負になった!?
いなり寿司 : 何があるかを知っている視聴者VS何も知らないサクラちゃん。
イガイガ : ま、ランダムリスポーンでの運次第か。
咲夜 : なんでこうなったー!? ……俺、迂闊な発言が多すぎない?
真実とは何か : それは否定できない真実である。
ミナト : さーて、どっちの狙い通りになるかなー?
「ふっふっふ、私が勝たせてもらいますよ! それでは勝負開始です!」
という事で、落雷を受けに駆け出していくのさー! そして、思いっきり大ジャーンプ! おぉ、光ったから今回は無事に死んだ……って、あー!?
<サクラ【器用なライオン】が死亡しました>
<死亡した為、ランダムリスポーンとなります>
「うがー! 思いっきり死亡還元の解放を忘れてましたよ! って、あれ!? また、あんまり場所が変わってない!?」
ぐぬぬ、これはまだ死なないといけないという事だよね。でもその前に、死亡還元を取ってしまおう!
<『生命』第2段階:スキル『死亡還元』を解放しました>
進化ポイントを3使ったけど、これまでの私の死にっぷりからしたら、そのうち回収は出来るはず! えっと、残り進化ポイントは18だね。
「それじゃどんどんやっていきますよー! 私は視聴者の皆さんに勝つのです!」
さーて、今度こそは森への切り替えの近くへランダムリスポーンする為に死んでいくぞー! 雷よ、かかってこーい!
ミナト : サクラちゃん、頑張れー!
金金金 : 終盤で特に謎な配信になってきた。
咲夜 : なんでこうなったんだろう?
イガイガ : ま、見てて面白いし、良いんじゃね?
チャガ : 確かにそうだな。
真実とは何か : 面白ければいい。それが真実。
「……またか」
「作者さん、その飽きれた感じはなんです?」
「サクラ、運任せが多くない?」
「予想がつかなくて面白いですよねー!」
「……言うだけ無駄だった」
「ふっふっふ! そんな事よりも100話目ですよ、100話目!」
「あー、うん、そだねー」
「作者さん、なんか軽くないですかねー!?」
「だって、もう1つの方は今の時点で最新話が946話で、もう1000話が見えてきてるし?」
「辿り着きそうな部分の桁が違ったのですよ!? うぅ、こっちも4桁話数を目指すのです! 応援して下さるどくしゃさんは、ブックマークや評価をお願いしまーす!」
「まぁこっちもまだまだ頑張るけどね」
「頑張らなくなったら、私の出番が消えるのですよ!?」
「という事で100話を超えて、まだまだやっていきますのでよろしくお願いします。さて次回は『第101話 落ち続ける雷』です。お楽しみに!」
「なんかタイトル的に私が死にまくりそうな予感がするんですけど!?」