保険適用外の聖女
「グレース・ガードナー! 貴族から多額の金銭を受け取って私腹を肥やすお前は聖女にも我が婚約者にも相応しくない! 俺はお前との婚約を破棄する!」
王太子らしく豪奢でありながら品のある様相のブレイズ様が、煌びやかなパーティーの場に似つかわしくない質素な修道服を着た女性にそう言った。彼の隣に立ち、彼から贈られた薄桃色のドレスを着ている私とは大違いである。彼女はグレース・ガードナー、私ルシア・ハートと同じ平民の聖女であり、私のための物語をぶち壊そうとした悪女だ。
「そして、新しい婚約者にルシアを指名する。彼女は平民でありながら溢れる程の魔力を持ち、その光魔法でどんな傷も病気もたちどころに治す。俺も2年前の魔物のスタンピードの際に大怪我を負ったが、彼女の尽力のおかげで一命をとりとめることができた。このように日々民草のために力を奮うルシアこそが聖女の名に相応しい。それに引き換えグレースは大した魔力もない上に、光魔法を使って人を救うこともなく、貴族の屋敷に入り浸って贅を貪っている毒婦だ! そんな者を王家に迎えるわけにはいかない!」
きっぱりと言い切ったブレイズ様のことをうっとりと見上げる。遠回りになってしまったけれど、やっと正しい物語に戻った。
この世界が少女漫画『救国の聖女ルシア』だと気が付いたのは、教会を訪れた8歳のときだ。この国では8歳になると教会で適性魔法や特殊スキルの判定をしてもらう。その瞬間に私は前世を思い出し、そして自分がヒロインのルシアであることに歓喜した。
『救国の聖女ルシア』は簡単に言えば平民が王妃になるシンデレラストーリーだ。光魔法に適性があると診断されたルシアは貧しい家族を養うために聖女となる。光魔法が使える者は人々を治癒する聖女、聖人になれるのだ。聖女として働いても貰えるお金は微々たるもの。それでも家族のため、そして傷つき苦しんでいる人のためにルシアは懸命に働く。その結果、王子であるブレイズ様に見初められ、2人で国の危機を救った結果、周囲の人々に歓迎されながら王妃となってめでたしめでたしだ。
物語の通りに私は聖女になった。私は平民としては桁違いの魔力を持っていたから最初はすごくちやほやされた。それは気持ちがよかったが、いくら働いても大したお金が貰えないのはむかついた。魔力が低くて使えない聖女を厳しく指導することが数少ない気晴らしだった。それがいつの頃からか貰えるお金が一気に増えた代わりに、私をちやほやする人がいなくなった。私に代わって人々の中心になったのがグレースだ。対して魔力もなくて治療なんて全然できやしないし、顔だって平凡なモブ女のくせに持て囃されていて腹立たしい。その上、何故かヒロインの私を押しのけてブレイズ様の婚約者になった。なんで、どうして、といっぱいいっぱい考えて、彼女も自分と同じ転生者なのだと気が付いた。方法は分からないが私に代わってヒロインになろうとしているのだろう。絶対に許せない。問い詰めて、卑しい女だと自白させたかったのに、他の聖女や聖人に阻まれてまともに話すことさえできなかった。このままじゃ私の物語が壊されてしまうと思った。
それでも、やはりこの世界は私のためのものなのだ。物語通り魔物のスタンピードが起こって、その最前線に志願したら物語通りブレイズ様が大怪我を負って私の治癒で一命を取り留めた。そして、私とブレイズ様は恋に落ちて、ブレイズ様は聖女として相応しくないグレースとの婚約を破棄することにしたのだ。
このパーティーは第一王子であるブレイズ様を王太子に指名するためのものだ。そして、物語では私との婚約を発表する。グレースのせいで、婚約破棄という余計な手間もかかってしまったけれど、やっと物語通りに進み始めた。
さて、グレースはどんな顔をしているだろうか。ブレイズ様に捨てられた絶望で泣いている? それとも私に出し抜かれたことに怒っている? 上がりそうになる口角を抑えながらグレースを見下ろせば、いつもと同じ涼しい顔で佇んでいた。
「婚約破棄、確かに承りました。新しい婚約に関しては国王陛下と教皇様がお決めになられることですので、発言は控えさせていただきます」
もしかして、王様が婚約破棄を認めないとでも自惚れているのだろうか? 間抜けな女だ。ヒロインである私に勝てるわけなんてないのに。
王様は深く深くため息を吐くと、教皇の方を見た。釣られてそちらに視線を向けると、真っ青な顔の教皇がいた。
「教皇、貴殿はこのことを知っておったか?」
「いいえ。ルシアがブレイズ殿下と通じていたことも、ブレイズ殿下がこの場で婚約破棄並びに新たな婚約を宣誓されることも、何一つ知らなかったと神に誓います。しかし、聖女の動向を把握できていなかったことを咎められるのでしたら、罰は甘んじて受け入れます」
「いや、知らなかったのなら罪には問わぬ。息子の愚行を把握できなかった余の罪の方が重い」
ぐこう……ぐこう、愚行? もしかして、ブレイズ様のことを王様は貶しているの? 横を見ればブレイズ様も王様の発言に驚いたように目を見開いている。
「愚行とはどういう意味ですか、父上!」
「そのままの意味だ。余が国のため、そして貴様のためにと聖女グレースとの婚姻を整えたというに、そのような痴れ者に入れあげるとは……直情的な部分もあるが、それでも王族として弁えていると思っていたのは余の見込み違いだったようだな。グレースとの婚約破棄も、その女との婚姻も認める。そして、貴様は廃嫡とし王太子には第二王子のマリナスを任命する」
「待ってください! どうしてグレースとの婚約を破棄したくらいで廃嫡にならなければいけないのですか!?」
マリナスは側妃の子どもであり、ブレイズ様とは10歳も離れた異母弟である。物語にはほとんど登場しなかったマリナスが、ブレイズ様の代わりに王太子に任命されるとは一体どういうことなんだろう。
混乱で固まってしまった私を他所に、ブレイズ様が王様に反論した瞬間、ピシャリと鋭い音が響いた。音の方を向けば、王妃が扇子を椅子のひじ掛けに叩きつけたようだった。
「口を噤みなさいブレイズ。グレースは貴方には勿体ないほどの女性でした。それを一切理解できない貴方に王は務まりません」
「そうよそうよ! ああ、グレースちゃんが身内になってくれると思っていたのに! 婚約破棄なんて! 酷い、酷すぎるわ!」
ブレイズ様の母であるはずの王妃は射殺すような視線をブレイズ様に向けている。横に座るマリナスの母である側妃も顔を真っ赤にして怒っているようだ。
自分の子どもが王太子になれなかったのだから王妃が怒るのはまだ分かる。でも、どうして側妃まで怒っているの? ブレイズ様も理解できていないようで、あちこちへと視線をうろつかせている。ふと、私も会場を見渡すと、今日という晴れの日に招かれた貴族たちが憐れむような、蔑むような、愚者を見つめる視線を送ってきていることにやっと気が付いた。
「二人とも落ち着け。……ブレイズよ、貴様は聖女グレースを貴族の屋敷に入り浸って贅を貪っている毒婦と言ったが、彼女が何をしていたのか何も知らぬのか?」
「知りません、知る必要もないでしょう。貴族は光魔法の使える医師を抱えている。聖女の仕事があるとは思えない」
「聖女グレースは若返りの魔法を使っていたのだよ。彼女曰く美容医療、と言ったか」
「若返り……?」
「そうよ、グレースちゃんはすごいの! 皺もシミも取って肌をぴっちぴちにしてくれるし、脂肪も減らして身体を引き締めることだってできるの。はあ、グレースちゃんが身内になれば長い長い予約待ちをしなくて良くなると思ったのに」
王様の話に割って入ってきたのは側妃だ。確かに子どもを産んだとは思えない若々しさと抜群のスタイルをしている。グレースの光魔法によってその若さを保っているのか、だから彼女を王太子妃に推すのか。
美容医療と、グレースが言ったらしい。そんな存在、この世界にあるわけがない。やっぱり彼女は転生者なんだ。貴族や王族に取り入ってブレイズ様の婚約者になったんだ、なんて浅ましい女だろう。
「光魔法で民草を癒すのではなく貴族へのごますりに使うなんて、やはり聖女には相応しくないでしょう!」
「はあ……その視野の狭さが王に向かぬというのだ。では、そっちの娘、ルシアと言ったか。貴様に問おう、聖女になってから今までの間に随分と待遇が良くなったのではないか?」
「は……はい、聖女になったばかりの頃に比べると自由が利きます。私の頑張りが認められたのだと思います」
「貴様の努力ごときで待遇が改善されると思っていたのか、思い上がりも甚だしいな」
「え……?」
「父上、発言を撤回してください! ルシアは飛びぬけた魔力を持ち、それによって多くの民草を救いました! 父上も平民を見下していらっしゃるのですか!?」
「飛びぬけたというがな、それは平民の中でという注釈が入るだろう。貴族としては極々平均的なレベルだ。そして、貴族が聖女、聖人となる今では特別優れた存在とは言えぬ」
王様の言葉の意味が分からない。特別優れた存在とは言えない? そんなわけない、だって物語のルシアは他の聖女や聖人とは比べ物にならないくらいの光魔法が使えたのだ。
そこで、あれ、と首を傾げる。物語で、聖女も聖人もほとんどが平民だった。教皇やその周辺の偉い人たちだけが貴族の生まれだったような気がする。でも、今の教会では貴族出身の聖女や聖人がごろごろいる。
「ブレイズの言った通り、貴族は光魔法の使える医師を抱えている。だから、教会に頼るのは平民だけだ。故に教会の地位は低く、聖女、聖人になるのは魔力の低い平民だけだった。魔力が高く光魔法の使える貴族はわざわざ教会に入ろうなどとは考えない。身を粉にしてでも民を救いたいと考えるよほどの善人くらいのものだ。国からの補助はあっても教会の運営は厳しかっただろう。それを変えたのが聖女グレースだ」
「グレースが……? 何をしたというのですか」
「彼女は光魔法を使って若返りの魔法、美容医療を施したのだ。それに貴族は飛びついた。彼女の美容医療の世話になったのは女性だけではないだろう」
そう言って王様は自分の髪を撫でた。よくよく見てみれば会場にはハゲている人はほとんどいなかった。それも、グレースの魔法によるものなのだろう。
「父上はグレースが若返りの魔法を使えるから俺と結婚させようとしたのですか!?」
「本気で言っているのか? 貴様の目には余がそれほど利己的な王に見えておったのか。グレースを王太子妃にしようとしたのは若返りの魔法が使えるからではない。その魔法によって教会を潤わせ、医療を国の隅々にまで行き届かせてくれたからだ」
「父上、仰っている意味が分かりません」
「国王陛下、僭越ながら私から説明申し上げてもよろしいでしょうか?」
「構わぬ」
ずっと口を閉ざしていたグレースが片手をあげると、王様もそれを了承する。すっと一歩前に出たグレースは先ほど婚約破棄されたとは思えないほど堂々としている。
「まず初めに申し上げますと、医療は儲からないのです。いえ、金儲けをしようとすれば簡単な手段はあります。治療の対価に大金を要求すれば良いのです。しかし、それでは金のない平民は適切な医療を受けられず死んでいくしかありません。その不平等を是正するために格安で医療を施す教会は、国からの補助があっても経営は苦しいものでした。そこで私は考えたのです。必要な医療は低額のまま、もっと別のところで稼げばいいのではと。私は光魔法の適性はありましたが、魔力は並の平民レベルのもの、大した治療などできません。ですから、命を救う医療ではなく、美しくなるための医療に力を入れました」
グレースは大きく両手を開く。まるで舞台役者のような大げさな仕草だ。モブがやるには不格好なはずなのに、瞳がキラキラと輝いていて目が離せない。
「貴族の皆さまは私の魔法を支持してくださいました。そして、教会に多額の寄付が寄せられるようになった。おかげ様で今までは見捨てるしかなかったスラムや僻地にも聖女、聖人をおくって医療を行き渡らせることができましたし、教会の社会的地位も高まりました。教会の地位が高まったため、光魔法の使える令息、令嬢が手習いとして聖女、聖人になることが増えました。貴族の方々は平民に比べてずっと魔力が多い。民草への治療の質も各段に向上しました。以前よりずっと、ずっと助けられる人が増えたのです」
本当に嬉しそうに笑っている。今にも駆け出してしまいそうなほどの浮かれようだ。そんなグレースの姿に茫然としているブレイズ様に、王様は「分かったか?」と問いかけた。
「聖女グレースは魔力の少なさをものともせず、民草を救うために尽力した。その聡明さと慈悲深さから、生まれは平民であったとしても国母として相応しいと思ったのだ。これは余と王妃の総意であり、側妃も彼女が王太子妃になるのなら王太子をブレイズにしても良いと認めた。それを、貴様は己の感情で無為にしたのだ。王として失格と言わざるを得ない」
「しかし……しかし、父上! そうであったとしても、ルシアだって多くの民草を救った聖女ではないですか!? 王妃にだって相応しいはずです」
「言ったであろう、魔力があると言っても貴族としては並程度だと。貴様の傷を治したようだが、あの場にいた他の貴族の聖女、聖人とて同じことができた。ルシアよ、貴様は他に何ができる? 聖女グレースのように教会を立て直すことはできたか? これから先、国を支えていくことはできるか? 余は貴様にできるとは到底思えない」
王様から冷え冷えとした視線を向けられる。王様だけじゃない、王妃や側妃、そして会場中の貴族からも同じような視線を向けられていた。
できるわけない。だって、私はヒロインじゃん。生まれ持った才能でちやほやされて、イケメンと幸せになれるんじゃないの? どうして責められなくちゃいけないの?
「もう、良い。ブレイズとその娘はこの場から控えよ。ブレイズは今この瞬間から王族ではない。配慮する必要はない」
王様がそう言うと騎士たちがブレイズ様と私を会場から手荒に引きずっていく。憐れみのこもった瞳を向けてくるグレースに、こんなはずじゃなかったのに、と呟いた。
「聖女グレースよ、愚息が申し訳ないことをした。して、今後のことだが、マリナスの婚約者になるというのは……」
「いいえ、マリナス殿下には同い年の婚約者様がおられましたよね。それを退けて、10も上で平民の私が婚約者として納まるというのは、マリナス殿下にとっても、婚約者様にとってもあまりにも酷でしょう。ご心配なさらずとも、私も教会も王家に反感などは抱いておりません」
「もちろんです。ブレイズ、様の婚約破棄は教会側の不備もありますゆえ」
私が振り向くと教皇様も激しく頷き同意してくれた。
私は王妃になりたかったわけじゃない。ただ、王妃として権力を手に入れたら、もっと国の医療に力を入れられるかもと思って打診を受け入れただけだ。だから、婚約破棄をされたところでそこまでの痛手ではない。
ただ医療で人を救いたいだけなのだ。私は前世の、日本という国で医師をしていた記憶を持っている。それ故に、どんな人にも平等に医療の手は差し伸べられるべきだという考えがある。光魔法の適性を見出され、聖女として入った教会の運営は散々なものだった。私は前世の記憶でどうにか教会を立て直せないか考えた。日本の病院も赤字経営が多い。医療として儲かるのは保険適用外の部分だ。この国に保険なんて制度はないけれど、命に直結しない部分を充実させれば儲かるのではないかと思った。その考えは間違っていなかったようで、教会の懐は潤い、平民への医療は充実し、ついでに私も聖女として名を揚げてしまった。
「そうか、貴殿は聖女の名に相応しく寛大なのだな。しかし、謝罪を言葉のみとするわけにはいかぬ。何か望むものはないか」
「でしたら1つだけ望みを聞いていただけないでしょうか」
「良かろう、申してみよ」
「はい、今後教会は健康診断、というものを行おうと思います。身体に不調がない段階で身体に病気の元がないか調べるものです。これを王家の方々に実際に行っていただきたいのです。早い段階で病気が見つかれば死に至る病気を未然に防ぐことができるかもしれません。尊い方々にとって大変重要なことと存じます」
保険適用外の医療として美容医療以外にも健康診断がある。美容医療は光魔法の応用でどうにかなったが、健康診断は難しい。そこで目を付けたのが鑑定スキルだ。物に対する鑑定スキルは商人にとってこの上ない当たりスキルである。しかし、人に対する鑑定スキルは騎士など対人で戦う職種以外には無用のものであり持て余すものだった。しかし人に対する鑑定スキルで弱点、引いては病に侵されている場所を特定することができるのではないかと考えた。それを用いて今後は教会で健康診断を行うことにした。病が早い段階で分かるということは王侯貴族にとってメリットが大きいはずだし、そこから平民にも浸透してゆけばよい。
まず手始めにどのように健康診断を宣伝しようか悩んでいたが、婚約破棄が王家への貸しになるのなら利用しない手はない。
「健康診断か。なるほど、貴殿は面白いことを考える。……ますます、愚息のせいでとり逃してしまったことを惜しく思う。良かろう、健康診断とやらを受ける。王妃、側妃も異論ないな」
「ええ、グレースの申すことなら間違いはないのでしょう」
「健康診断はいいけど、グレースちゃん。美容医療、もっと融通利くようにならない?」
「実は他の聖女や聖人に美容医療の魔法を伝授しているんです。もしよろしければ、そのうちの一人を側妃殿下の侍女として召し上げていただけないでしょうか? 実力は私が保証いたします」
「本当に!? すごいすごい! 嬉しい! 侍女にする、あとで詳しく話そう!」
美容医療を使えるのが私だけでは心許ないと他の聖女や聖人にも教えていた。しかし、美容医療を編み出した私がやっている、ということ自体がネームバリューになっており、他の人間を貴族が受け入れてくれるか懸念があった。それも今この瞬間、側妃殿下のおかげで解決した。彼女が他の聖女、聖人も私と遜色ない美容医療が行えると宣伝してくれれば、私がいなくなったとしても教会の地位が下がってしまうことはないだろう。
「聖女グレースよ、此度のことは本当に申し訳なかった。しかし、今後も王家と教会は力を合わせて国を守っていければと思う」
「陛下のお気持ち、しかと受け取りました。これからも末永くよろしくお願いいたします」
美容医療、健康診断という画期的な魔法を生み出した聖女グレースはその功績が認められ、女性としても平民としても初めて教皇の地位についた。生涯独身を貫いた彼女は死後に神の座に召し上げられたとして、今なお医神として多くの聖女、聖人に慕われている。
グレース・ガードナー
平民の聖女。
前世は日本で医師をしていた。
『救国の聖女ルシア』は知らない。
人を救うためなら自分の全てを投げ打っても構わないと考えるバーサーカー寄りの善人。
ルシア・ハート
平民の聖女でヒロインだった。
物語通りならずば抜けた聖女だったが、貴族の子息令嬢がいる今となっては凡庸な聖女に成り下がっている。
今後、ブレイズと共に幽閉されて生涯を終える。
ブレイズ第一王子
第一王子で王太子でヒーローだった。
頭は悪くないのだが、直情的で視野が狭い。そんな彼を支えられるようにとグレースが婚約者に据えられたのだが彼には理解できなかったようだ。
国王
賢王。
グレースの有能さをいち早く見抜いてブレイズの婚約者に据えたが、ブレイズにはその意思は一切伝わらなかった。
王妃
政略結婚で嫁いできた国が第一の賢妃。
息子は可愛いがそれ以上に国が大事。
グレースは絶対に良き妃になると思って可愛がっていた。
側妃
可愛らしさだけで側妃になった下級貴族出身の側妃。
国王に愛されていたいだけで権力とか興味ないので王妃との仲は案外悪くない。
自分の子どもが国王になるよりも、美容医療を優先的に受けられる方が嬉しい。
教皇
貴族出身の教皇。
光魔法が使える貴族ならもっと良い仕事もできたのに教会に入った底抜けの善人。
故にグレースの考えに共感し、突飛ともいえる発想も否定せずに助力した。