吸血姫と最果ての羅針盤

作者:蒼凍 柊一
ルーカスには夢がある。
世界地図を作る、という夢だ。
不正確な現在の地図を、確かなものにする。
書き込まれていない空白を明らかにし、世界全てを一枚の紙に収めるという夢。
14歳のころから始めた旅も、もう10年近く経っていた。
今日も測量を終え、街へと向かう道中――
月光が差し込む森の中でルーカスは『吸血鬼』の少女と出会う。

「私はルネ・フランシスカ・クリスティアナ。私と共に世界の果てを見にいきましょう?」

ルネの正体はともかくとして、ルーカスは世界の果て、という言葉に深く興味をそそられたので、旅路を共にすることにするのだった。

※第一章あらすじ
ルネと旅をすると決めたルーカスは日銭を集めようと宿で金になりそうな噂を集めていた。その中で、領主が直々に、街の見取り図を描ける者を探しているという情報を得る。
ルーカスは意気揚々と領主に会って依頼を請け負い、持ち前の経験と技量でそれをこなしていくのだが――。

世界地図を作ろうと世界を回っていたら……いつの間にか大切な君がそばに居た。
――羅針盤が指し示す世界の最果ては、一体どのような景色なのだろうか――

 世界を廻り、その『最果て』を目指す永き旅が今、始まる。
第零章 ~邂逅~
羅針盤との出逢い
2019/11/07 00:00
第一章 ~吸血姫と銀の匙~
噂話
2019/11/07 22:05
依頼
2019/11/10 00:00