#9 真相 参
どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。
劉韓は山に戻った。あの棒使いが虎に挑むときに襲撃をかけられるように。ついにこのときが来た。そのために1年以上この薄暗い洞窟で過ごしたのだ。
襲撃の前に我が主人に書簡を書かなければ。劉韓は適当な布に襲撃開始のことを記し、部下に主人の下に行かせた。
劉韓は部下たちに厳命する。
村の人々を“程良く“殺せと。この土地はこの襲撃の後、普の領土になる。国は国民がいなければ成り立たないものである。国民は大切にしなければ。
反抗出来そうな者は殺し、売れそうな者は攫い、抵抗出来ない者は残す。そして、ところどころ火を放つ。だが、略奪はしない。失意のどん底に落とすと立ち直りが遅くなる。これらが我々の役目である。
日の暮れ劉韓は動き出した。第一目標は棒使いの師匠である。殺すための弓矢部隊は真っ先に家に行き男を射殺した。中にいた娘は中々の上玉に見えた。
売れば金になるだろう。
人を攫った者はいち早く離脱させる。人が増えると荷物になる。弓矢部隊は殿としても使えるので後に残す。
やることをやり終えたと見立てた劉韓は命令する。
「こんなもんでいいか。さっさと逃げるぞ!正規軍が来るぞ!」
劉韓は馬を駆り先を急いだ。公認とは言え、建前は賊である。討伐はされたくない。
部隊が集まってきた。
「報告があります。菅丑様が例のヤツに殺されました。」
「そうか……」
まさか虎と戦った後に山を降り、人を殺すほど体力があるとは思わなかった。劉韓は死を悼むと共に興味を持った。
〜普の国〜
「白熊様!隣国の安の国から急報がございます!こちらを。」
部下が書簡を差し出して来た。中を見た白熊はすぐに命令を下した。
「菅将軍に兵五千を与え討伐させよ!今度は逃がすな!」
白熊は命令を下すと書簡を置いた。置いた書簡の下には青の紋様のある小さな汚れた布が挟まっていた。
いかがでしたでしょうか。
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