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#8 真相 弐

どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。


数日後、村は虎の噂で持ちきりだった。

(よし。いい感じだな。)

偵察として村に来ていた劉韓は思った。


とはいえ、噂だけである。警戒はされていたが護衛と共に山に来る者もいた。そんな奴らが劉韓の狙いである。山に来た奴を暗殺し、村の力自慢を削る。ただの村が奇襲に抵抗はできないだろうがこちらの被害も減らせるだろうという考えだ。


(とは言うものの、コレ使いづらいんだよなぁ………)

劉韓は”虎に見せかけて”殺すための『飛鉤』という武器を見ながら思った。


飛鉤とは壁を登るときなどに用いられる爪のような道具である。本来の用途とは異なるが見せかけには十分な道具だった。


ある三人組が山に来た。木樵が二人と護衛役の弓矢を持った猟師のような男である。

これを見せしめにしよう。劉韓は考える。


しばらくの間、木を採らせて逃げにくいようにさせた。

劉韓はサッと隠れていた茂みから出ると、猟師の男の腕と喉元を飛鉤で切り裂いた。残りは雑魚である。木の重さで動きの鈍い二人の木樵をさっさと殺し、使えるからと猟師の矢を拝借した。


後は虎のエサにするだけである。部下に虎を連れてこさせ、数日ぶりの食事を摂らせた。日頃から凶暴であるほうが都合がいいので体表に油を塗ったり、食事を抜いたりしている。こんなことをしているとこちらに牙を剥きそうだが、我が主人の調教は完璧だった。


計画が狂った虎の犠牲者が出ても頻度が落ちる程度だと思っていたが全く無くなるとは思いもしなかった。おかげでまた普の国から囚人を連れて来る必要が出てきた。いくら普の君主の了承があるとはいえ民衆には不自然な話だ。囚人が姿を消しているのだから。


ある日、とうとう我が主人から催促が来た。準備はできているから早く襲撃しろと。虎に立ち向かう気概の無い連中ばかりだと思っていたが、心残りがあった。部下から聞いていたとある青年の話だ。オレが猟師を殺した頃から、棒術の修行を始めた奴がいると。最後の用心としてそいつが修行している家の近くに隠れた。


「虎を討ちに行かせてください。」

用心が報われた瞬間だった。劉韓はその修行者が出発したのを見届け山に戻った。


今日この日が実行の時である。


いかがでしたでしょうか。

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飛鉤がよく分からない方は

「真三國無双 張郃 武器」で調べてみてください。


要は爪です。


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