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#6 襲撃

どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。


鬨の声が辺りに響く。

桂高は急いで山を駆け下りた。虎を探しているうちに想像よりもずっと深くに入ってしまっていた。

火をかけられ家屋がごうごうと燃え盛っている。


桂高は自宅に向かった。

燃え崩れる家からくすんだ黄色の肌と赤黒い液体が見えた。

桂高は手に持った棒を使って燃え盛る木材を除去しようとした。手遅れなことはわかっていた。例え生きていても余命は幾ばくも無いだろう。でもせめて最後だけでも自分の目で確認したかった。


桂高が木を動かしたことで風穴ができた。家は爆発するかのように炎上した。助けたい思いを理性が抑えた。


もう一つ行くべき場所がある。自分を信じて愛娘を託してくれた恩師のもとに行った。


家の前で矢に貫かれて絶命している恩師・呂淵がそこにいた。

家に火はかけられていなかったが、残されていたのは何も無い空間だけだった。

連れ去られたのか、逃げたのか、逃げていてほしいと切に願う。


家の外から声が聞こえる。

「こんなもんでいいか。さっさと逃げるぞ!正規軍が来るぞ!」

そう言うと村から退散した。

他の賊に号令をかけている賊は目から下を布で覆った賊だった。賊は全員青の布を身に着けていた。同士討ちを避けるための工夫である。


桂高は手に棒を持ち後続を待っているであろう馬持ちの賊を見つけた。

「なんだこんなガキがまだいたのか。」

抜き身の剣を手に持ち桂高を見据える。


賊は桂高の棒を剣で受けようとしたが、棒を受けた瞬間剣は砕け、棒が賊の眉間に突き刺さっていた。


桂高は賊の馬を奪って追いかけた。一人でも多く賊を減らそうとした。が、馬が腹に矢を受け桂高は落馬した。


桂高の意識は馬蹄の音の静まりと共に潰えた。


いかがでしたでしょうか。

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