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#46 肉親

どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。


桂高を探す男は青い旗印を背後に引き連れて現れた。

「貴様の生まれ故郷は私が滅ぼした!仇を討ちたくば出てくるがいい!!!」

とても簡単で安っぽい挑発である。が、最も大切なものを奪われた桂高の冷静さを損なわせるには十分なものであった。


桂高は曹章を意識から閉め出し、真っ直ぐに白鳳を見る。

「おっと、お前の相手は俺だろう?」

曹章が桂高の意識に無理矢理に割り込んで来る。

「邪魔だ!どけ!!!」

「落ち着いて話そうじゃぁないか。弟よ。」

桂高の動きが止まった。

「今、なんと言った?弟だと?貴様が僕の兄だというのか?」

「そうだ。俺はそう言った。」

「……ふざけるな…!ふざけるな!!!」


桂高の攻撃に激しさと粗雑さが増した。

「僕に…兄などいない!いたのは記憶にも無い両親と貴様に殺された姉上だけだ!!!」

桂高の横薙ぎが今まで受け流していた曹章の剣の横腹を捉え、怒りが乗った攻撃は曹章の剣を叩き折った。桂高は曹章の動揺を見逃さず首を目掛けて突きを繰り出す。が、咄嗟に身を捩った曹章の右肩を突くことになった。


「腕を上げたな。流石だ。」

曹章は右腕を力無くぶら下げて言った。

「頑張った奴には褒美をあげないとな。名前は知らんが、お前の想い人は生きている。いや、安の住民はみんな生きている。白鷗がいた城で隠れているいるはずだ。」

曹章はそう言い残して左手で手綱を握り去っていった。

「待て!!」

追いかけたくなったが、行った先は死地であることくらいは桂高でもわかった。

桂高は逃げている白燕を追った。


〜〜〜〜〜

「今私が生きているのはそなたのお陰だ。感謝いたすぞ、孫仁。」

「私は白燕様に仕えているのです。当然の行いでしょう。」

二人は雑兵の兜を頭から外し言葉を交わした。

「そなたも良き働きであったぞ、狗放。」

白燕はいつも横にいた舅であり、一番の忠臣に呼び掛けた。

「えぇ。実に良き働きでございました。」

孫仁は俯いたまま白燕に同意した。

「そなたに繋がれたこの命必ずや無駄にはせぬぞ!」

白燕は煙の立ち昇る山を見て言った。



いかがでしたでしょうか。

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