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#43 襲撃

どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。


「何者だ!」

そう尋ねる衛兵の肩の鎧には赤い印がある。狗放に教えられた白燕様の軍の目印である。

「桂高と申すものだ。白燕様に取り次いで貰いたい。」

「桂高様でしたか。名前は伺っております。どうぞこちらへ。」

様という敬称に慣れないが、ここでは一般兵よりは上の立場なのだ。単独行動ばかりで忘れていたが。


「桂高よ!よくぞここまで来た。狗放は先についておるぞ。して都で異変があったと聞く。私の妻達は無事だろうか。」

「申し訳ありません。奥方様の安否は不明です。」

「仕方のないことだ。今はお主が無事だったことを祝おう。では都のことを言ってくれ。」

「はい。反乱を起こしたのは旗から推測するに伯鳳の軍でしょう。ただ、単独の軍にしては数が多すぎる気がします。他の勢力が噛んでいると思われます。」

「伯鳳は普の国が手を焼いていた賊の首領のはずだ。反乱しても不思議は無い。後は反乱に参加する勢力か………父上は外交関係に何か支障をきたしたことも無いはずなんだが………」

「では国内の反乱分子でしょうな。」

「孫仁、それはどういうことだ。」

孫仁。確か白燕様の側近で頭が良いはずだ。

「上様はここ数年で国内に多くの問題を生みました。我々とて被害者です。そして、我々と同じような者達が。」

「兄上か。」

「はい。その旧臣ならば反乱に加わっても不思議はございませぬ。」


僅かな時でよくここまで頭が回るものだ。桂高は素直に感心する。


「白燕様、今の伯鳳が一番恐れているのは白燕様でしょう。居場所が露呈すれば必ず攻め寄せるでしょう。その時の対応を練るべきと考えます。」

「うむ。桂高よ、今からそなたには衛兵隊長の任を申しつける。」

「はっ!」

「下がって良いぞ。」





〜普の都〜

「伯鳳様、これからいかがするおつもりで?」

「そうだな………曹章は白燕の居場所が分かり次第攻め滅ぼせ。私は安の国を滅ぼす。あの国は滅ぶべきものだ。大した手柄もないのに開祖帝から賜った土地だ。我々こそ領有にふさわしい。」

「仰せのままに。」



いかがでしたでしょうか。

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