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#32 羨望

どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。


楽単の葬儀中、桂高は末席でうっすらとした笑みをこぼしていた。守る対象を守りきり、戦死していった楽単という人物。これこそが自らのなるべき姿だと感じた。


葬儀は終わった。無論誰にも笑みは見られていない。

「桂高。普に帰ろう。」

「わかりました。」

周寧は疲れ果てた様子だった。


「色々と振り回してすまなかった。これは謝礼だ。受け取ってもらいたい。」

「感謝いたします、郭艾様。今後のご活躍を信じております。」

「楽単に繋げられたこの命、必ずや報いようぞ!」



「桂高さんはこれからどうするのです?」

帰り道、周寧は突然聞いてきた。

「今の仕事を続けるか、別のことを始めるか、まだ迷っています。」

「別のこととは?」

「誰かに仕えてみたいと思いまして。」

桂高はそんなことを言った。自分でもわかっている。こんなことを思ったのは楽単の生き様を見たからだ。

「そちらはどうするのです?孫義さまがいなくなった今、まとめるとすれば周寧さまでしょう。」

「うむ。帰った後話し合わなければ………」


長い旅を終え、普の都に着いた。仕事はこれで終わりである。

桂高は周寧から謝礼を貰い、宿に向かった。

が、どれだけ探しても見つからない。

通行人に聞くと、少し前に無くなったとのことだ。

簡単に言えば潰れたらしい。仕方なく他の宿を探すもまともな所が無かった。どの宿も規格外に高く、とても払おうと思えない所ばかりだ。

宿の管理者に値段について尋ねると、

「突然白熊様が重税を課けだしてな。こうでもしないと自分達が生きていけねぇんだ。」


普に戻ってからの違和感の正体が分かった。以前程の活気が見られず、何処か沈んでいるように感じていた。簡単なことだった。

『税』ただこれだけだったのだ。


でもなぜ突然?

桂高の頭からはこのことが消えなかった。


桂高は苦しみながら高額な費用を払い宿に泊まることにした。


いかがでしたでしょうか。

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