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#3 守りたいもの
どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。
暇つぶしになれば幸いです。
時は少し遡る。
桂高が畑仕事をしていたとき姉が息を切らして走って来た。
「丁康さんが………虎に…殺されたって………。」
桂高の顔から血の気が引いていく。
道具を放りだして桂高は走った。
自分の目で確かめるまで信じたくなかった。
丁康は矢をを射つくしていた。無惨なものだった。
桂高は棒術の心得のある呂淵の下で修行したいと申し出た。虎に復讐するために。そして二度と大切な人を失わなくて済むように。
修行を始めて数ヶ月、桂高はメキメキ強くなっていった。常人より強い膂力がなし得た所業である。
ある日のこと、呂淵の隣に少女が立っていた。
「なぁ桂高。虎を退治できる力をつけたら私の娘の呂麗を守ってやってくれないか?」
突然のことだった。桂高は戸惑いながら答えた。
「どうして僕にそのようなことを?」
「娘は体が弱くてな。誰かが側に居てあげてほしいんだ。」
呂麗は細身で色白の同年代の少女だった。
「私で良ければお受けします。」
辺りには若芽が芽吹いていた。
いかがでしたでしょうか。
突然出てきたヒロインみたいな少女はどうなるのでしょうか。