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#29 戸籍調査

どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。


「まだ本人に聞き取りをしていない」そう言われた郭艾は驚きを隠せなかった。いや、隠せなかった。「父上。攫われているのですから当然でしょう。」

「郭艾様。郭需様は孫義殿を疑えと申しているのです。」

「言うでない、劉信。」

劉信は出過ぎた真似をと言い、後ろに下がった。

「では父上。孫義殿を調査せよと。そのためには普の国に使者をたてなければいけませんが。」

「使者は儂から出す。おまえはできるだけはやくこの騒動を終わらせよ。」

「はっ!!!」


〜郭艾の屋敷〜

「そういうことで私は普に赴く。そなた等にもついてきてもらいたい。」

「お供いたします。」

周寧は即座に了承した。


翌日、郭艾達は芹をたった。



〜普の国〜

「ようこそお越しくださいました郭艾殿。」

「ご尊顔を拝しありがたきしあわせでございます。」

「郭需様からの使者によると戸籍を見せていただきたいとのこと。本来なら特別友好国でもない芹の国に国力を推し量れる情報は見せぬのですが、他ならぬ覇者様の頼みゆえお見せいたしましょう。」

「ありがたきしあわせでございます。」


「ここに記録してあるもので全てでございます。」

戸籍管理の者が案内を終えた。

「下がって良いぞ。」

言葉を聞くと一礼し、下がった。

規則に沿って整理されているので探しやすかった。が、『孫義』という名はおろか、『孫』という名字すら無かった。


「他に何か情報は無いのか?!」

今は孫義が賊の一員であるという前提で話が進んでいる。無論そんなことは何かの間違いだと思いたい。

「仮に孫義が賊の首領だとすれば名を劉韓といったはずです。賊の者が言っていましたから。」

「感謝するぞ。桂高。」


「このあたりに………」

郭艾はひとまず『劉』の名字を探した。劉はいくつか確認できた。残念ながら劉韓の名は無かったが、一つ気になる名を発見した。『劉信』という見知った名前を。

いかがでしたでしょうか。

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