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#2 虎
どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。
山に着くと早速仕事を始めた。
「早くしてくれよ〜。猟師でも虎は怖いからな!」
「わかってますよ。」
桂高はテキパキと作業を進める。
「にしてもほんとに力はあるよなぁ。その体のどこにそんな筋肉付いてんだ?」
(うるせぇ…)
桂高は身長が高くない。どちらかといえば低い方だ。
丁康はよくこのことでイジってくる。
日が西に沈み始めた頃、仕事は終わった。
「終わりましたよ。」
「お!じゃあ、さっさと帰ろう!」
丁康は手に持っていた弓矢を背負って桂高の後ろについた。
虎が出るところに何度も行きたくない。行く頻度を減らして虎に遭わないようするためにいつもより多く採ってしまった。家に帰る頃には多くの炊煙が上がっていた。
数日後、何事もなくなどという甘い理想は早くも砕かれた。
村に3人の死者が出た。
桂高と同じように薪を取りに行った2人とその護衛役の丁康が死んだ。死体の背中には爪痕が残っており、喉元や肉の多い部分を中心に噛み千切られていた。
虎のいる山は立入禁止となった。火をかける案も挙がったが延焼を恐れた者たちの反対があり、実行されなかった。
この翌日。
「すみません。」
家主が顔を出す。
「僕に武術を教えてください。」
重苦しい声と血走った眼を持つ桂高が立っていた。
いかがでしたでしょうか。恐らくこれからも文は硬いと思われます。どこかで砕けた文で書きたいです。