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#11 南端の町

どうも、ご無沙汰だと思います。ららと申します。


翌朝

「来たな。」

桂高の初仕事が始まる。

「今回は大した期間滞在しない。せいぜい4日程度になるだろう。前回の依頼と商談だけだからな。向こうに着いたら商談相手の護衛がいる。だからおまえさんは道中の護衛と見張りを依頼することになる。いいかな?」

「はい。了解しました。」

「宿は手配してあるはずだ。いつもそうだからな。では、出発しようか。」


護衛役になったものの、道中は平穏そのものだった。一行は大したことも無く、目的の町に到着した。話によると、ここは普の国の南端に位置するらしい。


町に着くと普の中心ほどではないにしろ中々の賑わいだった。一行は賑わいの中心にある城に着いた。ここが商談の相手の住居だそうだ。


門の前には出迎えが並んでいた。主人らしき男とその補佐。その他に数人の護衛が控えていた。

「遥々お越しいただきましてありがとうございます、趙玄さん。」

「出迎え感謝致します。楊沛様。」

「おや、そちらの方は……」

「桂高と申します。護衛として同行しました。」

「そうでしたか。以前のように部屋を用意しております。どうぞそちらへ。これから依頼品の受け渡しと商談がございますので。」

「わかりました。」


桂高は部屋に通された。どうやら他の数名とも同室のようだ。商談とはいえもうすぐ日没である。それほど長く待つことは無かった。食事は部屋に運ばれてきた。


「明日以降は夕餉まではどこに行っていてもいいぞ。羽を伸ばしてこい。おまえさんがここにいてもすることは無いからねぇ。」

「わかりました。ありがとうございます。」

夕食までというのは夕餉の後に商隊の話し合いがあるからだ。桂高は見張りとして部屋の前に立つ必要がある。


朝になった。朝餉を食べ、町に出た。

町を歩いているうちに昼になった。

桂高は何かするわけでもなく、ぶらぶらと歩いていた。

「安の国もやられたらしいな。」

「あれから10年以上経ったのにあいつらはまだ活動しているのか。」

「今活動してんのは白瑛の末子らしいぞ。」

「おい!仮にも今の君主の父だぞ!こんなところでその口調だと不敬罪で捕まるぞ!」

「君主の白熊様が追放してんだぞ?別にいいだろ。」

「それはそうだが……取り敢えず場所が悪い。もっと奥へ行こう。」

何か話していた二人は奥に行ってしまった。


いかがでしたでしょうか。

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