蒼き剣のアリス

作者:門司柿家
 海賊に襲われた船の底から助け出されたアリス。
 国最高との呼び声高い鍛冶師の夫妻に引き取られた彼女は、自らも鍛冶師を目指して鎚を握り、また自ら打ち上げた剣を得物にに剣士としても研鑽を積んでいた。
 鍛冶の技術も剣術も順調に成長を続けながら、後になって生まれた弟、妹とも仲が良く、穏やかな日々が続くかと思われた。
 しかしある日、両親が海難事故で消息を絶つ。
 アリスはきょうだいを養いながらなんとか剣鍛冶師として両親の跡を継ごうとするが、父の仕事を知る人々からの評価は厳しく、剣鍛冶の仕事はほとんどないまま、生活の為に野鍛冶をやったり、冒険者として剣を握る機会も多かった。
 どことなく悶々とした日々が続く中、上陸不可能と言われる島からボロボロの剣を携えた獣人が訪ねて来る。
 島には魔王が封じられていると伝えられており、その剣は封印の要となっていたという。
 かつて父が打ったというその剣を直してほしいというのだが……。
 ※作品中の鍛冶描写は創作が多分に含まれております。