44話:魔王、裏稼業に邁進する
2話同時投稿です。話数にご注意下さい。
42話のおまけ部分になります。
「海賊ギルド直営のシップヤードの売れ行きが良いな、P-DD-RS02型の駆逐艦を8隻、P-FG-RS03型のフリゲートを22隻を次の跳躍輸送で運搬させるか。
クラス4から5の戦闘機も相変わらず需要が高いから追加生産と…また『ヴァルナ』ステーションが好景気になりそうだな」
ワイバーンのブリッジ、定位置の艦長席で端末を弄っていた所、ワイバーンが声をかけてきた。
『魔王様、ちょいと良いですか?』
「どうしたワイバーン?」
『へぇ。海賊ギルドの方は不安定なんですか?』
「いいや、順調も良い所だ。
海賊ギルドへの加盟数も順調に増加中だしな。
『ヴァルナ』ステーション産のスクラップビルド部品や中古艦艇の売れ行きも好調だぞ」
携帯汎用端末が表示している投影ウィンドウを操作しながらワイバーンに返事をする。
海賊ギルドは無駄な殺しはしない、古式ゆかしい海賊の仁義を守る組織―――所属しておいて守らない海賊は除名の上にギルド所属の海賊達からも指名手配されるものであるが、『獣道』内に限らずギルドに所属する海賊の数は増加し続けていた。
利益の為なら何でもするタイプの海賊達は中小企業連合の「海賊牧場」計画に乗って、今は羽振り良くやっている。
この手の海賊は規則だの仁義だのと色々制約がつく海賊ギルドに参加してこないが、そうではない海賊達。
美味しい餌を与えられるからと言って、尻尾を振るのを良しとしなかった気骨や矜持のある海賊連中は肩身の狭い思いをしていた。
中には艦艇や装備を一気に拡大させた新興海賊に、何となく気に入らない程度の理由で船ごと沈められた古参海賊団まであった。
そんな気骨はあるが懐事情が厳しい海賊達にとって、身代金という新しい稼ぎと船や修理部品、食料に燃料まで提供してくれる海賊ギルド設立の知らせは福音も良い所だったようだ。
海賊ギルドの話は口コミで瞬く間に広がり、既に海賊ギルドに登録している海賊団の数は中小合わせて300以上、中には絵本の題材にすらなっている伝統も名声もある海賊団『トワイライト』まで含まれていた。
海賊団『トワイライト』は『隠者の英知』に劣らない知名度な上に、合体分離する2隻の戦艦級の海賊船を旗艦にしている伝説的な海賊だったが、名前が売れすぎたのが災いしたらしい。
「海賊牧場」計画で一気に戦力を増して有頂天になった海賊達に狙われ続けて不本意な戦闘を繰り返した上に、今まで贔屓にしていた非合法バイヤーの大部分が「海賊牧場」計画に取り込まれて補給もおぼつかない状態になっていた。
海賊ギルド本拠があるセクター201の暗礁宙域にたどり着いた時には、戦闘艦の予備部品どころかリアクターの燃料や食料に水まで底を付いていたという。
その状態でも生き残り続けていたのは見事としか言い様がない。
また、海賊ギルド加入の海賊団に中古船や中古部品の販売も好調の一言だ。
一般的に海賊は自分の船を持つのが難しい。
戦闘機位なら横流しする闇バイヤーに事欠かないのだが、船舶ビーコンから部品まで経歴が辿りやすい戦闘艦は足がつきやすく。
無法地帯に専用の造船所を持っていたり、海賊に中古船を販売しても見逃される程度に賄賂を撒けるバイヤーから買うか、サルベージ屋が引き上げてきた船を買うなど手段が限られている
幸いな事に『ヴァルナ』ステーションは経歴の怪しい中古部品や、廃船扱いの船が集まってくる場所であるし『魔王軍』が撃退した海賊艦や戦闘機も持ち帰るので資源に困らない。
また、リゼルやおやっさんのように中古部品から船を一隻仕上げられる技師がいる。
海賊向けのスクラップビルド―――文字通り
造船技師としてもおやっさんの方が腕が上なんだが、改造技師として有名過ぎるのでリゼルがリーダーをしているんだ。
「―――という所だ。
「海賊牧場」計画のおかげと言いたくはないが、当初の予定より随分と順調だな」
『はぁ。でしたら魔王様。
普段の仕事が終わるとすぐに海賊ギルドの仕事を始めるのは何でですか?
てっきり海賊ギルドの運営が思わしくないかと思ってましたわ』
「真面目に働くだけでは浪漫がないだろう?
海賊から市民を守る民間軍事企業の代表が、海賊ギルドの裏の首領―――実に悪役冥利に尽きる状況じゃないか」
まあ、海賊ギルドの方も浪漫だけじゃ回らないので、それはそれで真面目に働く事になる訳だが。
『なるほど、ごもっともです。
海賊ギルドの運営が不調でなくてなによりです。
でも魔王様、就労時間が延びているのは事実ですわ。
………やっぱりライムさんの事が関係しとります?』
最後に小声で気まずそうに付け加えるワイバーン。
「ああ―――それもな」
ワイバーンの問いに答える俺の口調もやや重くなる。
無事にフィールヘイト宗教国から帰ってきたライムだが―――現在は勇者の貫禄をどこかのコインロッカーにでも預けたのか、でれでれの親馬鹿と化していた。
発端はフィールヘイト出張中にライムが妊娠しているのが発覚した事だ。
既に妊娠数ヶ月目に入っていたというから、
向こうでそのまま出産して、『ヴァルナ』ステーションに戻ってきた時には子連れになっていた。
子供を鑑定魔法で確認したら、職業が「魔王の娘/勇者の後継者」になっていたので俺の子供で間違いない。
リゼルやミーゼの子供達と姉妹として育てる為に、獣系アドラム人と同じペースで成長させる成長促進処理も行って、既に3歳位の外見になっている。
ライムの外見的年齢的に絵面としては幼い妹弟達の面倒をみる姉状態なのが色々と複雑な気持ちにさせる。
その光景のせいか、リゼル父の親馬鹿がライムまで対象になったようだが……まあ、
ミーゼも出産後半年位は似たような状況だったので、ライムもそのうち落ち着くだろう。
……落ち着いてくれるよな?
『魔王様、この前家に帰ったら子供達に出迎えられて―――大変だったそうですな』
「ああ……元に戻るのに歓楽街に一週間以上通うハメになったからな。
付き合わせたリョウはオゴリだと喜んでいたが」
『観念はなさらない……のでっしゃろ?』
何かを恐れているような口調で確認するワイバーン。
「当たり前だ。
どんな状況になろうとも男の
『魔王様、そう言ってくれると信じとりました…!』
熱い握手を交わす1人と1体の付喪神。
その光景を目撃するものも、その行動に突っ込む者も居なかったが、どこまでも
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以下はSF色の強いおまけです。
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・作中登場艦船
>>フリゲート艦 [FG]
・P-FG-RS03 ルミネンス (90m×25m)
『獣道』に設立された海賊ギルドが参入している海賊へ販売しているフリゲート艦。
新造船ではなく中古部品を寄せ集めて作られたリサイクル艦だが、リサイクル艦と侮れない性能をしている。
双胴艦の一種なのだが、リサイクル艦だけあって艦ごとに性能や船影が微妙に異なる。
共通点として推進器を全力運転すると青い燐光の航跡を出す事から通称がついた。
海賊ギルドに加盟している海賊団なら大体一隻は持っているメジャーな艦艇である。
艦名板にサインがあるが、リサイクル艦をここまでの完成度で安定作成する「リゼル・S」という無名の技師に注目が集まっている。
>>駆逐艦 [DD]
・P-DD-RS02 ロングホーン (160m×35m)
『獣道』に設立された海賊ギルドが参入している海賊へ販売している駆逐艦。
型番も名前もあるが、中古部品や廃棄船などを寄せ集めて作成されている為船ごとに船影が微妙に異なるが、センサーユニットが集中配備された角のような特徴的な船首をしている共通点を持つ。
新品を使っている部位が少ない旧式部品の塊だが、従来型の駆逐艦に近い性能をしているので侮れない。
>>巡洋艦 [CL]
・CMM-KD260xE3 ハングリーウルフ (550m×80m)
ユニオネス王国製の2世代前の高速巡洋艦。
現在は高速巡洋艦というジャンル自体が衰退しているので過去の遺物になっている。
大容量リアクターと高性能推進器、高機動性を実現する大出力イナーシャルキャンセラーを搭載し、巡洋艦でありながらフリゲート艦並の高機動・高速性を再現した傑作艦。
しかし、高速性と高機動性の為に武装や装甲は巡洋艦としては最低クラス。
また、軽巡洋艦や駆逐艦の性能向上により活躍の場は次第に消えて行った。
「これなら同じ予算で軽巡洋艦や駆逐艦量産した方がいいよね」という冷静な意見の元に旧式化と共にすぐに退役していった。
時代の過渡期に現れる、設計思想は良かったものの時代にそぐわなかった不遇な兵器の見本のような艦艇。
外見は広げた翼を持つ、幅広の短剣に近い鋭角なものである。
・CMM-KD260xE3-G.A.custom ヒュージウルフ(550m×90m)
ユニオネス王国製[CMM-KD260xE3ハングリーウルフ]を稀代の改造技師、ガルンリヒト・アストロベイトとその趣味仲間が魔改造を施した高速巡洋艦。
出所不明の試作品や民間改造品を中心に様々な技術が導入され。
ハングリーウルフの高速性と機動性を更に向上させた上、巡洋艦クラスに相応しい火力を実装している。
反面、試作品やその改造品の内部機器は非常にデリケートなものばかりで、戦闘出力を出せば数日中にリアクターが暴走、船体を巻き込み自壊する。推進器は数週間で構造ごと溶け落ちるといったゲテモノと化している。
高速艦とはいえ、辺境開拓船並の速度が必要なのか疑問の余地が残る。
ある民間軍事会社が運用しているが、何故か無事に運用出来ている。
艦首に主力戦艦級のイオン粒子砲を1門装備しているが、何かの間違いだと信じたい。
・CMM-KD260xE3-G.A.custom:EL フレンジーウルフ(550m×90m/550m×280m)
ユニオネス王国製巡洋艦の民間改造艦[CMM-KD260xE3-G.A.customヒュージウルフ]のバリエーション。
旗艦機能を持ち、電子情報戦装備を充実させた艦である。
電子戦用のセンサーパネルを展開させる姿は翼を広げた天使を彷彿とさせ、アクティブセンサー起動時には翼を取り巻く謎の発光現象を起こす。
カテゴリー的には「高速電子巡洋艦」に分類させるものだが、どの国もこのクラスに該当する艦艇を作成していない為、特殊巡洋艦と分類されている。
同系の改造艦ヒュージウルフよりも更に歪な改造が行われ、上部に増設された接続ハッチに強襲揚陸艦を増設する事により突入戦闘も可能な改造が施され、さらには大気圏内突入・離脱、大気圏内航行機能までついている。
この艦の持ち主は何がしたいのか判らない、意図不明な能力を持つ。
何故この艦が無事に飛んでいるか、既に都市伝説の範疇である。
・CMF-CD226xC5 ティーゲルⅤ (750m×180m)
ユニオネス王国製の3世代前の大型巡洋艦。
数度に渡り近代化改装を行っているが、戦闘艦というよりも骨董品の類である。
ティーゲル級はユニオネス王国が計画した戦艦の低コスト化・量産を図った巡洋戦艦計画により生まれたもので、現在は大型巡洋艦に分類されているが、以前は巡洋戦艦という扱いで、当事としては画期的なものだった。
巡洋艦並の機動性と巡洋艦以上の火力を持ち、戦艦よりも建造コストが低いコンセプトは艦によって火力偏重化など歪な性能だったものの大戦果を上げた。
各国もこぞって大型巡洋艦やその発展系である準戦艦を作った結果、真っ先に旧式化する運命を辿ったのだった。
現在ではユニオネス王国軍では退役し、現存していた艦は全て民用化されている。
尾翼の付いた音叉のようなデザインは現在でも高い評価を受けている。
・CMF-CD226xC5EX-G.A.C ヤクトティーゲル (800m×250m)
ユニオネス王国製の大型巡洋艦[CMF-CD226xC5ティーゲルⅤ]を魔改造ぶりに定評の出てきた改造技師、ガルンリヒト・アストロベイトが改造を施したもの。
原型であるティーゲルⅤからより大型化し船影まで変化した上に、ティーゲルⅢ時代に計画案だけ存在した外部ユニット増設による大型高速巡洋艦改装を施されている。
数こそ劣るものの戦艦クラスの砲を装備し、機動性、防御力とも向上し新型の大型巡洋艦が見劣りするカタログスペックを叩き出している。
一部公開された改造内容において、艦載機運用の為の母艦機能追加や船体外部追加装備型の大型兵装などが含まれており、既に計算とか類推とかをするまでもなく狂気の産物である。
>戦艦 [BB]
・ARBS-EL-152Cグレイマウス級C型 (1200m×380m)
アドラム帝国の新型電子戦艦。
主に索敵や隠蔽艦の発見など情報収集に特化させたC型。
電子戦装備を充実させた分武装の量が減少しているが、新型のリアクターや兵装により従来型の戦艦程度の性能を維持している。
その特製上高コストな為に生産数は少なく、現在までにロールアウトした数は20隻に満たない。
アドラム帝国が掲げる軍事戦略上、高コストの艦を少数配備する事は稀少なため、様々な問題点を抱えた新型艦と言える。
>>主力戦艦 [MB] (Main Battle Ship)
・AA-038refit18アルビオン (4300m×1400m)
AI反乱戦争の際に苦境に立たされた人類が国家間連合を組み、総力を挙げて作り出した、反乱AIの中枢星系へ反攻を行う為に製造された超弩級戦艦の38番艦。
型番にあるAAはアンチ・AI(Anti-AI)の省略名。
AI反乱戦争中に大破・破棄されて漂流していたものを海賊団『隠者の英知』が回収、復元したもの。
記録によれば竜骨や中枢が大破して破棄されたはずなのだが、ほぼ完全に復元されている。復元方法は記録が残っておらず不明である。
18回にも渡る改装を繰り返し、長年に渡り単艦規模であれば宇宙有数の戦闘力を保持し続けてきたと言われている。
主力戦艦としてのサイズもアドラム帝国第一艦隊旗艦「アドラム・ワン」に迫るものであるが、基礎設計が非常に古い為に専門家の間でも「現行の戦艦以上だが主力戦艦にやや劣る」というのが定評である。
出自も特殊すぎる代物だが、この艦の一番特異な点はどの国にも属さない海賊勢力が所持していた点だろう。
またジャンプドライブ搭載しているという未確認情報もあるが、現実性の薄さから噂の領域を出ない。
追記:近年にこの艦を所持していた海賊勢力が解散し、現在はアドラム帝国に本拠地を置く民間軍事会社の所属になっている。
>>強襲揚陸艦 [AAS](Amphibious assault ship)
・M-HD4002ドラグーン (180m×30m)
アドラム帝国=ユニオネス王国が共同開発した3世代前のハイブリット型強襲揚陸艦。
準駆逐艦レベルの戦闘能力を持ち、艦載機を最大2機搭載し、カチコミ(突入ポッドによる白兵戦)も、惑星上への降下作戦も行える万能艦……を目指していたが、
要望が高すぎる割に作成コストに制限があった為、器用貧乏な船になってしまった。
ある程度量産はされたものの、旧式化してすぐに専門艦へと配備換えされていった。
ユニオネス王国も開発に携わっていたので、アドラム帝国艦として珍しく見た目が良い。
形状としては翼を持つ流線型のクナイ。推進器のある後部がやや膨らんでいる。
・M-HD4002ドラグーンG.A.custom (180m×30m)
アドラム帝国=ユニオネス王国が共同開発した[M-HD4002ドラグーン]の改造艦。
惑星上への降下陸戦機能を喪失しているものの。
様々なジャンク品や試作品をふんだんに使い、このサイズの艦としては驚く事に軽巡洋艦並の能力を保持している。
反面、搭載された部品は不安定なものや劣化が早いものが多く運用面で不安が残る。
・M-HD4002-G.A.C-R2 ドラグーンR2 (190m×35m)
アドラム帝国=ユニオネス王国が共同開発した[M-HD4002ドラグーン]の改造艦。
ジャンプドライブを搭載した上に戦闘艦としての能力を増強し、強力な電子戦能力も追加されている。
アドラム帝国通産管理局に提出されたリアクターの出力比などから類推すると、駆逐艦サイズでありながら新型巡洋艦に匹敵する能力を持っている事になる。
だが、あまりに非現実的すぎるので欺瞞情報であると疑うべきだろう。
>>輸送艦 [TS] (Transport Ship)
・ARTS-CC4-2003B ネプチューンB型 (80m×300m)
アドラム帝国で設計された中型輸送艦のベストセラー、ネプチューンシリーズの初期型。
積載量が多く、少人数で運用可能かつブリッジ周りの快適さに定評がある。
B型は特に輸送量に特化したタイプだが、武装の貧弱さに人気は薄い。
形状は広げた翼の下に箱を抱きかかえた鳥のような横長の船体。
・ARTS-LCC3-2015E ウラヌスE型 (600m×300m)
アドラム帝国で生産されている汎用大型輸送艦、ウラヌスシリーズの一つ。
積載量が大きく好評だったネプチューンシリーズの拡大発展系。
広大な積載量の割に運用人数が少なくて済むため、企業の評価は非常に高い。
反面、運用人数の少なさから緊急事態への対応能力は極めて低い。
ネプチューン輸送艦を縦に何個も並べたような外見はシンプルだが、互換性に優れコストパフォーマンスも良好である。
・ARTS-LCC3-2015EJ ウラヌスEJ型 (600m×300m)
安定した性能と積載量に定評のあるウラヌス級汎用大型輸送艦にジャンプドライブ及びゲートリアクターを増設したもの。
ウラヌスシリーズの積載量を生かし、単艦で長距離ジャンプができる為商用の輸送艦として商売に携わるものにとって垂涎の代物。
正式な分類はジャンプドライブの稀少さ故に絶対数が少ない跳躍輸送艦である。
・ARTS-LCC3-2015EG ウラヌスEG型 (600m×300m)
安定した性能と積載量に定評のあるウラヌス級汎用大型輸送艦にゲートリアクターを増設したもの。
海賊などに襲撃された際、ゲートリアクターを使用してジャンプドライブ搭載艦からの援護を受けられるが、救援用のジャンプドライブ艦が別途必要と大きな難点がある。
>>戦闘輸送艦 [TC] (Transport Combat Ship)
・ARTS-LCC3-2015E-C2 EC2アリエル (600m×300m)
非武装に近かった大型輸送艦ウラヌスを武装強化したもの。
戦闘艦としては大型の部類であるが、元が輸送艦なので直接戦闘能力はそこまで高くない。
機関出力とシールド出力が増大し、主砲こそ無いものの近接/対空兵装の火力はフリゲート級以上になっている。
コンテナは専用のものになり、ドローンベイを追加されているのでドローン運用母艦としても扱う事ができる。
/ドローン搭載能力 ドローンゴースト 4500/8000機(通常積載/最大積載)
・ARTS-LCC3-2015E-C3 EC3アリエル (600m×300m)
大型輸送艦ウラヌスを非常識なレベルで武装強化したもの。
巨大な船体と豊富な搭載能力を生かし、船体全体を覆うシールド強度は巡洋艦と比べても遜色なく、一見薄そうな外部装甲の下には分厚い装甲板がびっしりと埋まっている。
装甲の内部には収納型の砲塔があちこちに仕込まれており、砲撃能力は軽巡洋艦並である。
また、C2型と同じくドローンベイと豊富なドローン搭載量を持っている。
しかし、輸送能力が低下している事と、輸送艦の頃と運用人数がさほど増えてない為に想定外のトラブルに対する対処能力は低いと思われる。
既に戦闘輸送艦というジャンルとは違う、別の何かではないだろうか。
/ドローン搭載能力 ドローンゴースト 2000/3000機(通常積載/最大積載)
>>特殊艦
・ARTMS-LCC1-102A ジュピターA型 (1800m×900m)
アドラム帝国の独自規格である母艦級輸送艦。
ステーション間の輸送ではなく輸送艦や戦闘艦を内部へ収納し、船自体を輸送・補給する能力を持った特殊艦。
元々は旧型化した母艦級の船を超大型輸送艦として民用化しようとしたものだが、大型過ぎて使い勝手は良くない為、見かける事はまずない。
元々戦闘艦だけあってシールドや迎撃用の小型火器は非常に充実している。
戦艦級を船体外部に2隻、または巡洋艦級を4隻固定して輸送・補給し、船体内部には多数の軽巡洋艦や駆逐艦、フリゲート艦やその他輸送艦等を収納可能。
艦載機も数百機単位で運用できる代物である。
・ARTMS-LCC-DLA-1J ジュピター1J型 (1800m×900m)
母艦級輸送艦にジャンプドライブを搭載し、跳躍母艦に改造したもの。
民間でこのタイプの艦艇を使っているのは帝国内でも1社しか存在しない。
その他改造も施されているようだが、外部資料が存在しないため不明である。