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第十五話 帰って来たクノと対抗戦の説明のお話


もうヤダ……またやっちまった。

書きなおしverですよ……前と違ってる所もあると思いますが、大筋に影響はないハズです。


※報酬が貰えるのは上位3ギルド→5ギルドに修正。






 バタン!という音に振りむくと、そこにはキラッキラした笑みを浮かべたフレイが。

 早っ……て、帰巣符を使ったのか。


「クノさ~ん!」

「おっと」


 フレイが飛びかかってくるが、軽く回避。

 結果として後ろのテーブルにぶつかりそうになったフレイはぶーたれて抗議。


「酷くないですか!? 久し振りの再会だと言うのにっ」

「いや、学校でもあってるだろ」

「それとこれとは別問題なのですよぅ!」


 荒ぶるフレイを放置するのもアレなので、頭を撫でておく……お、静かになった。リリースっと。


「やぁクノ君。久し振りだね」

「ど、どうも」

「やっほークノくーん」


 フレイに続いてカリン、ノエル、リッカがぞろぞろと入ってくる。


「ただいまー」

「しかしクノ君、この四日ほど、どこにいっていたのかな? ログインはしているのにチャットが繋がらなかったのだけれど」

「あぁ悪い。ちょっとスキル原石のためにボスフィールドに引きこもってた」

「……相変わらずの変人ぶりだね」

「面と向かって失礼なこと言うなよ」


 カリンは呆れ顔で俺を変人呼ばわりだ。

 いやまぁ、自覚はないでもないんだけども。


「そういえば服装が変ってますねー。あの似非執事服はエリザさんのトコですか?」

「正解。早く強化したくてうずうずしてたんだとさ」

「あー。エリザさん結構そういうとこありますよね~。装備を作ることがよっぽど楽しいんでしょうね」

「ゲームを楽しんでる感じで、良いよな」

「ですね」


「クノ君、スキル原石がどうとかって、どんなスキルを取ったんだい? 良かったら教えてくれないかな?」


 カリンが質問してくる。

 スキルか。ふふ、いいだろう。驚く顔が見物だぜ。

 俺はスキル【狂蝕の烈攻】の詳細を言ってみる。HP1だとStrが二倍になりますよっと。

 きっと皆このピーキーさにびっくりする……て、アレ?

 何故か皆さん一斉に、なにかをさとったような顔をしておられた。


「え? どした、その反応。そこはもっと盛大に驚いたりさぁ」

「いや、クノ君ならもう何がきても驚かないよ。むしろ」

「クノさん……HP完全に無視してますよね? わたしの存在意義が……」

「あらら、ノエルちゃんが落ち込んじゃった。クノくんひどーい」

「なんというか、突き抜けてますねぇ……しかしStr二倍は素直に凄いとは思いますが」


 うん、なんだろうね、この諦められたような雰囲気は。

 俺なんか悪いことしただろうか……


「まぁ、そんなことは置いておいてだね」

「そんなことっ!? 自分で振っといてそれはないでしょう……」

「来るべき対抗戦に向けて、対策を練ろうじゃないか」


 スル―されたよ、おい。

 ってか対策?


「対策っても、そもそも詳しい内容知らないんだけど」

「……クノさんは公式も見てくださいよ。もうとっくに内容は発表されてますよ?」

「マジで!?」


 いそいでインターネットにつなぎ、『IWO』の公式ホームページに……あ。ホントだわ。


 ざっと読む感じ、ルールはこんなんだった。


 まず対抗戦はギルド単位での対決イベント。

 参加には人数が6人以上いるギルドでないといけない。

 参加可能人数は、6~12人。

 これだと人数がギリギリなうちは不利……いや、一対一じゃないから必ずしもそうとは限らないか。


 参加プレイヤーはギルドごとに“拠点”に転送されるようだ。

 そしてその拠点には“旗”がある。

 他のギルドの旗を自分の拠点まで持ってきたらポイントゲット、という訳だな。

 で、ポイントゲットの方法は他には他のギルドのプレイヤーを倒す、というものもある。

 しかしこの場合は旗によるポイントを10とすると、1程度だそうだが。

 主なポイント獲得手段はこの二つだが、その他にも様々な行動によるポイントゲット方法があるらしい。 隠し要素って奴だな。プレイヤーを何人倒すごとにポイント追加、とかそういうのだろうか?


 アイテムの持ち込みは、10種類まで。

 ポーション系アイテムは5つまでと個数制限もある。これは後半ノエルの出番が増えそうだな。

 そもそも俺は回復が必要ないんだけど。

 イベント専用のインベントリが支給されるらしいが、そもアイテムをほぼ使わない俺にとっては無用の長物だな。


 時間は正午から六時間。

 ただし体感時間加速装置(?)を使うようで、それは現実の時間だと二時間分だそうだ。つまり体感時間三倍と。

 この装置を使うには、いちいち政府だかの許可をとらなくてはいけない上に、導入に時間もかかるため、 土曜日はログイン時間が制限されるらしい。

 この加速装置、なんでも使いすぎると脳に悪影響を及ぼす恐れがあるらしいんだが……大丈夫か?


 合計獲得ポイントが多かった上位の5ギルドには報酬がでるらしい。

 内容はリルやアイテムやスキル等。

 報酬目録もあったが、今はパスだ。


 とルールはこんなところだな。


「このイベントで上位に入ることが、私達の目標だ。攻略組ギルドとしての意地をみせるよ」

「おぉ。いつになく燃えてるな、カリン」

「まぁね。じゃあ、細かい作戦を決めていこうか」

「そうね」


 いつのまにか戻って来ていたエリザも加えて、ギルド「花鳥風月」の作戦会議は始まったのだった。



―――



 カリンは個人の特徴をうまく把握していて、的確な作戦を組み立てていく。

 流石はギルドマスターってだけあるよな。俺にはとても真似できん。


「ということで、拠点を守るのは私、エリザ、ノエル。旗を取りにいくのはフレイ、リッカ、クノ君にしようと思うんだけど、どうかな?」

「いいんじゃないか?」

「いいと思うわよ」

「賛成ですよー」

「大丈夫だと思います」

「いいよー」

「基本ソロ行動になるから、細かな行動とかは個人で判断して欲しい。臨機応変な対応を期待してるよ」


 了解っと。


 こうして作戦会議は割かしスムーズに終わった、んだが。

 俺への指示、ソロでひたすらプレイヤーを倒せってだけだったんだが?

 フレイの「クノさんは何もしなくてもプレイヤーがうようよよってくると思いますよ~?」

 という発言を受けてのことだと思う。共闘も覚悟してたんだけどなぁ。

 俺だけなんか、扱いがあっさりしてたような……いや、そこは信頼の裏返しだと……出会ってそんなに時間たってないのに信頼もなにもないか……

 まぁ、いいや。


 とりあえず、頑張るとしますかね。




なんかいろいろ端折ってます。

致命的に足りない個所があれば報告お願いします。

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