カプリッチョの世界とラプソディーの異界 オープニング

作者: 想こころ

カプリッチョの世界とラプソディーの異界のオープニング。いわゆう前日譚です。

あたりは少し薄暗いく空気が冷たいどこかの会議室のようだ。

いや薄暗いのではなく居眠りをしてしまったせいで目がぼやけてしまったのだろうか、どっちにしろ視界が悪いのにはかわりない。

「ちょっとあなた!聞いているんですか!!」

キーンとするような女性の高く大きな声が俺の耳に突き刺さってきた。

「おきてます、おきてます………zz」

「起きてくださーい!!!」

ギーンと耳に響いて少しヒリヒリした、が結果的に目が覚めたのでいいだろう。

「悪い、昨日は鬼が大量発生しててあまり寝てないんだ。」

さっきは寝てないと嘘をついたがこれは嘘をついていない。本当に。マジで。

ロングヘアーのいかにも清楚系というような女性は、はぁーっ、っと重いため息をつき、

「確かに昨日、白昼町には鬼が発生してお疲れなのはお察ししますが、今日の町会議は今後に関して特に重要なことでもあるのでしっかりと聞いてください」

少し疲れ気味に言っていた。こいつも疲れてんだなぁ。お疲れ様。

「分かってるよ。さっきまでずっと寝てたけどこれからちゃんと聞く」

あっ…

「やっぱり寝てたんじゃないですか!!全くあなたって人のは、い…」

あーまた始まった。と思った時、

「まあまあ今日はその辺にして話を戻しましょう」

議長の男性が苦笑いしながら止めてくれた。ナイスだぜ!!

さっきまでうるさかった女性はぐっ、というような表情を浮かべ嘘のように静かに椅子に座った。再び冷たい空気が辺りに立ち込める。

「では、彗星町の件ですが皆さんの多数決で決めたいと思います」

彗星町か…最後まで約束を果たせなかったな。

議長が多数決の数を数えているのが新時代に向けてのカウントダウンのように聞こえてきた。

「では、半数以上の方が賛成ということでこの件は承認されました。では、今日の会議はこれを持って一切を終わらせてもらいます。お疲れ様でした」

「…」

辺りには無の空間が広がった。

俺は会議中ずっと寝てたのであとで聞いた話では彗星町を鬼から守る新しい守護者を決定するための会議だったらしい。承認された新しい守護者の経歴書もその時に配られた。

「くろほし…クロム。か」

俺は経歴書に貼ってあった写真を見た時、クロムの目の奥にある紅の光に密かな恐怖を抱いた、まるでこれから起こる様々なことを予兆するように…

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