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17 エピローグ

連投です。

 高校時代の3年間なんて、人生からしたらほんの一瞬のことなんだと、30歳になって思う。あの頃だって必死だったと思うけれど、社会人になってからの、日々の様々なトラブルや人間関係は、過去の出来事をどんどん上書きしてしまう。あんな凄いことがあったというのに、そういった新しい刺激を前にしては、今となっては夢のように…そう、学生時代そのものさえも夢のように思えてくる。


 毎日が同じことの繰り返しだとか言うけれど、人生という長いレールからみたら、まだまだそんな風に断言するのは早いのではないかと、最近そう思うようになった。



「風馬くんはフランスにいるんでしょ」

 何年か前から、都心部の駅近居酒屋で行うプチ同窓会を不定期的に始めた。今回はだいぶ間があいて1年ぶりくらいになる。

「悠里は追っかけなくていいの?」

「だから、そういう関係じゃないって」

「40までお互いひとりだったらパートナーになるって話だよね?」

「だっ…!なんで…っ?!」

「こないだ、一時帰国のときに言ってたよ」

「いやいや、とりあえず私は今マッチングで良い感じの人がいるからね」

 そう言って、悠里はジョッキを煽った。

「そーよねぇ、高校時代のメンバーだけでくっつき合うのも安直あんちょくかな?」

 僕の妻となったまなさんは温かい眼差しで悠里を見守っているようだ。つかず離れず、僕たちはこんな風に関係を続けている。まなさんとも一度、いやニ度か…、大きな別れを経験しながら去年とうとう一緒になった。人生一筋縄ではいかないのだ。あんなに毎日会って話していた絵梨衣達や山内君とはもうずーっと会っていない。


 10年後、悠里はどうしているのか、風馬くんともしお付き合いするようになったら、なんとなく僕たちの心労が増えるような気がしてならない。

「こら!そういうとこだぞ!」

「え?!僕、口に出してた?!」

 呆れ顔の2人に見つめられて、僕も焼酎を煽った。


「とりあえず、10年後は絶対また集まろうね」

 まなさんには、僕たちが入れ替わっていたことを知らせていない。暴露する気もなかったけど、10年後なら時効かもしれない。まなさんならきっと面白がって聞いてくれる気がする。

 そんなことをぼんやり思いながら乾杯のコップを傾けた。






 完

ノリで書き始めてしまったので、途中結構辛い思いをしました…。何とか最後まで描き切れて、感無量です!!

今また別の話を書いていますが未完にはしませんので、そちらもお楽しみいただけると幸いです!

感想等いただけますと励みになりますのでよろしくお願いします。

兎にも角にも、ここまでお読みいただきありがとうございました!!

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