01-25
嫌なことはさっさと済ませてしまおうと、話がまとまってすぐに必要な荷物を≪海老介≫に積み込んだ。
ハビタットで降ろす気はなくとも出発の時持ってきた荷物は一応持って戻った方が荷物はどこに置いてきたんだって不審に思われて面倒くさいことが増えないようにとの配慮らしい。
ついでに、ハビタットに下りれるようなら職場に戻らないのは決まっていても職場での人間関係を清算してしまいたいのでその時の手荷物もあると言っていた。
ちょっと特殊な役職だけあって親類とかは気にしなくていいそうだ。
人間関係に関しては俺も気にする相手は居ないのでシンパシー。
スクールで親しかった相手は親の都合で別の星系に行ったし、親類とは俺が自立した段階でほぼ関りがなくなった。
そういう俺だからギフトを拾った時にそういう人達を付けられたんだろうか。
≪海老介≫をハビタットの特別ドックに停めて安全を確認してみるとドックの出口やその先の通路のあちこちに明らかに警備員とは違う武装した人が多いと無機質美人のホログラムに注意されたのでハビタットに滞在するのは諦めて、監視されていない通信を無機質美人のホログラムに確保してもらいムチムチ美人さんやレディアマゾネスSPさん達の退職の手続きや荷物の回収を済ませた。
無機質美人のホログラムに彼女達の拉致を違法じゃなくする根回しを妨害してもらったのに違法行為に踏み切るなんて恐ろしい集団が居たもんだ。
勿論そんな危ない無許可の武装集団の違法行為は敵対するところへ通報しておいたのでハビタットから≪海老介≫が出立した後ちょっと騒ぎになっていたと無機質美人のホログラムに教えてもらった。
加えて、ムチムチ美人さんやレディアマゾネスSPさん達が挨拶するつもりだった職場の同僚は友情よりお仕事を優先したと無機質美人のホログラムが調査結果を伝えていたので、ノコノコ職場に顔を出したら売り飛ばされることになっていた彼女達はじゃあ別に挨拶できなかったのを気にしなくても良いかと割り切っていた。
元々そんなに職場や同僚に思い入れはなかったみたいだ。
帝国での柵を取っ払って暫くは皆のテンションが高かった。
駐在エルフさんや無機質美人のホログラムも巻き込み毎日の如く体力を使い切って倒れるように眠るまで食堂やらプールやら人型ロボットスポーツ用に改装したドックで集まって騒ぎ通し、楽しそうな皆と一緒にいると俺も楽しくなるのでついつい俺も騒ぎすぎてふと目が覚めると腕やら脚やらが相互に絡まっていて自力でどうにもならず救助を待ったりとテンション相応に俺へのスキンシップも激しくて、俺以外は誰も気にしてないし俺も楽しい方が大きいので直ぐに気にしなくなるんだけどたまに悪いことしてる気分になって居心地が悪くなったりもした。
酔っ払い持ち帰ってグヘヘとか俺には無理なんだなと実感。
いや、そもそもトラブルはゴメンなのでそんな危ないことしないわ。
俗世から解放されたムチムチ美人さんやレディアマゾネス元SPさん達が落ち着く頃には旧エルフ星回復プロジェクトが目に見えて進んでいた。
エルフさん達の持っていたデータと比べてみれば、もう少しで失った質量を取り戻せそうな感じだ。
後は上手いこと成型して自転させて水を放り込んで大気を形成させて微生物から始まり植物やら魚鳥獣やら各種生物を定着させて生態系を構築したら回復プロジェクト完了だ。とても先の長い話だな。
暇だし旧エルフ星を旅立った恒星系間移民船団の足跡を追いかけてみようか提案しよう。
駐在エルフさんはしなくても良いんだけどなって顔をしていたが他の皆は他にする事あるわけでもないし実質自分が何かするわけでもないので恒星系間移民船団の捜索を≪金剛城≫で行うことになった。
旧エルフ星を出発し、先行している恒星系間移民船団支援船団の下へワープして回収。あとは先行調査高速艇バージョン2を大量に用意したら近い恒星系へ手あたり次第に放ってとりあえず終わり。
エルフさん達の文明や旧エルフ星を旅立ってからの時間を考えるとそんなに遠くまで行っていないはずなので上手くいけばこれで見つかるらしい。
順当にいけば一番最初に目指した恒星系で捕捉できるはずなので先行調査高速艇バージョン2の殆どが無意味っちゃ無意味だったりもする。
でも機械的知性コミュニティのマザー達がそういう人種の精神構造には無理そうな仕事はどんどんくれていいのよって感じで押しが強くて断り切れない。
ま、まあ恒星系間移民船団の捜索において無意味でも調査そのものは無意味じゃないし。
恒星系間移民船団支援船団が一時的に滞在していた恒星系にて、あちこちへ放った先行調査高速艇バージョン2の報告を待っている間再び暇を持て余した。
やるべき事もないので滞在中の恒星系を調査した。
また暇を持て余したので滞在中の恒星系に存在した原生生物の存在する惑星の調査及び観察を開始するとムチムチ美人さんやレディアマゾネス元SPさん達に駐在エルフさんといったクルーの内一部がとても楽しそうに記録を取り始めた。
駐在エルフさんは生物観察が趣味らしい。