01-19
みんなあっという間に無機質美人のホログラムがクルーに加わった日々に順応した。
何のトラブルもないし寧ろ日々の生活で≪金剛城≫のレスポンスが向上したことは歓迎するに値するほど明らかなものだったし当然だった。
順調に≪金剛城≫のクルーが増えている。
それに伴い≪金剛城≫のマザーコンピューターのデータも充実の一途をたどり漁っても漁っても新しいものと出会う。
無機質美人のホログラムも大量のデータを抱えて合流したので惰性で続けているマザーコンピューターのデータを把握しようとする作業ももうしなくていいかなと方針を変えた。
これからは雑に流し見して面白そうなものを弄ってみよう。
表面的に今までとほぼ変わらず気持ちの部分のみの変化ではあるが気にしない。
そんなわけで人型ロボットを作ってみた。
大きさは設計図があった内で一番小さい5メートルくらい。ほぼ剥き出しの操縦席に手足をくっつけたような見た目をしている。
なんと、製造を指示して完成まで30分。
操縦方法は≪海老介≫で使われてる機体を自分の身体として扱えるなんかすごい技術の人型に限定したダウングレード版。
技術ツリー的には人型ロボットの制御システムの方が先に開発され発展していって人型以外にも使えるようになったらしい。無機質美人のホログラムがおまけな感じに教えてくれた。
音声対話形式というか人と会話する感覚で使えるようになりユーザーフレンドリーが進歩して俺のファジーな要求にピンポイントで応えてくれるようになっている。
なおムチムチ美人さんやレディアマゾネスSPさん達は以前の≪金剛城≫統括AIでも職場のシステムとは比べ物にならないほど使い勝手がいいと言っていた。
最新鋭艦でも乗る人次第で出来ることがトラクターと大差ない実例なんだなとしみじみした。
広い方が良いだろうと1辺15キロメートルの立方体空間である大型艦用ドックに行ってみたら広すぎたので1辺1.5キロメートルの立方体空間である小型中型艦用ドックで4メートルの民間汎用人型ロボットを動かして遊んでいたら女性陣に見つかって、気付けば超高反発ボールを使って6対6の変則バスケをしていた。
俺はまともにボールを保持できないのでボールを反射させる移動するポールみたいになってた。
なんで超高反発ボールなんて使おうと提案してしまったのか。
ムチムチ美人さんが操縦に関してはすさまじく上手で自分の身体を動かすのは上手じゃないのに頭脳労働一辺倒じゃないんだなと印象が変わった。
レディアマゾネスSPさん達のリーダーは流石に人を動かすのが上手くて順当にチームの要になってた。
4メートルの民間汎用人型ロボットで超高反発ボールバスケに区切りを付けたら4メートルの民間汎用人型ロボットでサバイバルゲームやチャンバラに種目を変えて遊び倒し、バスケを含めた3種目個人戦の最優秀選手にそれぞれ2日ずつ俺を独占する権利が与えられていたのはいつの間に話がついていたんだろうか。
無機質美人のホログラムに名前を呼ばれた人がかなり喜んでいたので俺何も聞いてないよと口をはさむ事は出来なかった。
ちょっぴり釈然としない気分だったものの、以前にレースをやった際次の機会でも俺の一日独占権を賞品とする事に同意していた様子を無機質美人のホログラムに見せられてそういえばそんなこともあったと納得してしまった。
後日談として翌日のムチムチ美人さんが全身筋肉痛に襲われていた。
人型ロボットスポーツにハマったようでトレーニングを増やすらしい。