74.辺境派遣軍その3
前回のあらすじ:王太子逃げる
首を落とした王太子殿下の護衛だったものを蹴飛ばして馬車の扉をぶち破る。
「では二人は支援をお願いします」
「「あ、ハイ」」
そう言い残して馬車から降りていくと案の定周りを囲まれていますね、皆さん憤怒の形相です。
「殿下が転移の羽を使われたのを見たな?! こいつを討ち取るぞ!」
「仲間の仇であるとともに我が国の敵である!」
指揮官クラスが部下に檄を飛ばすのを聞き流しながら周囲を把握していきますが……大隊か連隊規模なので四桁は確実に居ますね、これはさすがに本気を出さないといつ終わるかわかりません。
「……『身体強化・虐殺器官』」
「っ?! 構えろ! 油断するな!!」
「『精神感応・魔統』」
「警戒レベルを引き上げろ!!」
どんどん強化と付与を施していきます、出し惜しみは……あまり無しでいきましょう、ユウさんとマリアさんからも支援がなされましたしね。
====================
種族:人間
名前:レーナLv.48《+15》
カルマ値:-234《極悪》
クラス:殲滅者 セカンドクラス:魔統師 サードクラス:凶薬師
状態:憑依《影山さん》
虐殺器官《STR上昇:特大・AGI上昇:特大》
魔統《INT上昇:大・LUK上昇:大・従魔に対する強化効率上昇:大・従魔からの強化効率上昇:大》
属性付与《攻撃に火炎属性:極大・暴風属性:極大・光輝属性:極大・暗黒属性:極大》
神聖攻勢《攻撃に光輝属性:中・攻撃力上昇:中》
神聖守護《光輝耐性上昇:中・防御力上昇:中》
強化付与《STR上昇:特大・VIT上昇:特大・AGI上昇:特大》
強化付与《切断強化:大・打撃強化:大・命中率上昇:大・回避率上昇:大》
====================
うん、中々ですね……これに軍隊だけあって『称号:虐殺者』などの称号効果が発揮されるには充分すぎる人数が敵に回ってますし、数が減っても新しく獲得した『称号:殺戮加速』の効果で一定の水準からスピードが落ちることは無いでしょう、数が多くてさすがにある程度は時間がかかるでしょうからスリップダメージがある『自己改造・凶気薬』は無しでいきます。
「……楽しい『遊び』になりそうです」
「突撃——」
一番前に居た指揮官を目の下あたりから切断し、爆薬を詰め込み投擲しましょう。
「貴様ァ!」
その爆発を開戦の狼煙として鋼糸を展開しながら駆け抜け、彼らのド真ん中へと突撃します。
「止めろ!」
「後衛に近寄らせるな!」
突き込まれる槍を右の脇下で挟んで肘から先の腕を下から蛇が添え木に巻き付くように掴みとって奪い、石突で後ろを見ずに顎をかち上げ、そのまま槍を振るって前方を牽制しながら左肩に乗せ、首の後ろで回すようにして背後の方の首を掻き切り、さらに隣に来た兵士の一人に突き刺してそのまま持ち上げることで矢の雨を凌ぐ傘にします。
「クソッタレェ!!」
叫ぶ兵士の足に鋼糸を引っ掛けて転ばしてから首を踏み折り、突き刺した兵士ごと槍を遠くまで投げ込み爆破します。
「もうレーナさんが投げるものは毒か爆発物が仕込まれてるって考えた方が良さそうだね……」
「だね……」
会話をしながらも結界をいくつも重ねて張り、あのユウさんのウザイのも含めた妨害によって手助けは大丈夫だと判断しながら投げた槍に仕込んでいた鋼糸を一気に展開し、遠くの弓兵部隊に対して攻撃を仕掛ける。
「……遠くからでも操作できるのがいいですね」
鋭い鋼糸でもって弓兵たちの目やうなじ、脇下など防御が甘いところから貫き絶命させ、それが叶わなくとも痺れや毒にして無力化していきます。
「奴になにもさせるな!」
「クソっ! 捉えきれん!」
横から突っ込んできた方の攻撃を避けつつ頭頂部から短刀を突き刺し、そのまま地面に叩きつけるようにしてスキルかなにかで地面から現れた方の攻撃を防ぎつつ、そのまま頭に突き刺した短刀を支点にして一回転するようにして背後の方の首を脚で絡めとってから締め殺し、遠くから飛来する魔術に対して投げ飛ばすことで迎撃し、前の兵士の頭に踵落としをしつつ着地して短刀を引き抜き、頭から倒れ込んだ方の喉を鋼糸で貫いて殺し、目に付いた指揮官らしき人物に毒針を投擲して指揮系統をできるだけ破壊していきます。
「ば、化け物……」
「ヒィっ!」
「う、狼狽えるな!」
「敵前逃亡は重罰だぞ!」
指揮官や冷静な方から殺していった結果として段々と士気の崩壊が起きてきましたね?
「……ふふ、みっともなく逃げても構いませんよ?」
「う、うわぁぁあぁあ!!」
「あ、お前!」
遂に耐えきれず一人が逃げ出し、それに続いて逃亡するものが続出する……こうなればなにが起きてるかわからない後続や後衛には『決定的な何か』が起こり敗走しているのだと勘違いする者も出てくるでしょう……あとは簡単です、背後から襲うだけですからね、それに…………。
「……《
私を中心として張り巡らされたものや、兵士の死体などに仕込んで投擲したところから鋼糸の『暗黒隠糸』が全て同時に私のもとへと還る……それによって軍のほぼ全体を巻き込み、縄で捕縛するようにしてバラバラに寸断し、時には絡め取られたまま引っ張られ、そのまま地面に打ち付けられ、上空に飛ばされ、他の方と猛スピードでぶつかり合い、衝撃などでめちゃくちゃに飛ばされた武器が飛び交い、辺りには血の海だけでなく、血霧まで漂い視界が赤一色ですね、これは凄い。
「は、はひ……!」
「あ、あぁ……」
「アッ……」
元はただ敵を捕縛したりする罠として使う程度なんですが、ここまで規模を大きくし、対象とする敵の数も多いとその副次効果として大打撃が与えられるような影響が出るんですねぇ……まぁ、結構STRとかパラメータがその分必要になりますが井上さんのアシストや強化付与、切断強化も二人がかけてくれましたからギリギリ大丈夫でしたね。切断した分は重さがかかりませんでしたし、殺せました。
「ぅ、ヴぉえ"!!」
「マリアは見ないで……まだ慣れる必要はない」
「でも……うん」
成功要因などを考察しながら戦意喪失した兵士たちを処理していきます……こちらを呆然と見るだけでつまらないですね? さっきまでは威勢がよかったではありませんか……退屈なのでサッサと終わらせましょう。遠くの方には適当に投擲して、近くの方は頭や股間を踏み割り、頭や首を短刀で貫いていきます。
「あとは……まぁ、少しは逃がさないと面白くありませんからね、そのまま王都とかに行って報告してくれるとありがたいのですが……どうでしょう?」
まぁ、別に思い通りにいかなくても問題はありませんけどねぇ〜。
《レベルが上がりました》
《スキルポイントを獲得しました》
《カルマ値が大幅に下降しました》
《既存のスキルのレベルが上がりました》
《レベルが一定に達したスキルがあります進化が可能です》
《新しく称号:人類の敵を獲得しました》
《新しく称号:一騎当千を獲得しました》
《新しく称号:指名手配・エルマーニュ王国全土を獲得しました》
《新しく称号:軍隊殺しを獲得しました》
《従魔たちのレベルが上がりました》
《ワールドアナウンス:プレイヤー名レーナがエルマーニュ王国全土に於いて指名手配されました》
《ワールドアナウンス:神殿と王国全土に指名手配されたため、あらゆる街や神殿に手配書が配られ、冒険者ギルドでも常設依頼として貼り出されます》
《ワールドアナウンス:これによりプレイヤーの方でも対象を捕らえるかPKすれば神殿や王国から報酬が貰えます》
…………………………………………ちょっと運営さーん?????
▼▼▼▼▼▼▼
殺り過ぎでしょ……(ドン引き)
漫画やラノベの特装版ってどういう基準でできるだろう?某オーバーなラップさんとか一巻からタペストリー付けてたりしてて割と謎だ……作者はチョロいオタクなのでそういう特装版はすぐに買ってしまうから財布が常に寂しい。
追伸)腕立て伏せしたら肘と肩の調子がおかしい