70.おいこら織田ァ!
前回のあらすじ:義妹ちゃんの胃がマッハ
さぁ、皆さんご一緒に
「おいこら織田ァ! 」
「ぐふっ……! 」
帰宅してログインして早々に織田を見つけ出しその胸倉を掴みあげる。
「キリキリ吐いてもらおうやないかい? 」
「な、なんのこと……あとリアルの名前NGで……」
そうだった、ゲームでリアルの情報はアウトだった……気をつけなければ! ってそれよりも!
「お前なにワシに断わりも入れず先に一条……レーナさんと仲良くなってんねん! 」
「口調全然違っ…………あ、はい、どうでもいいですよね」
どうでもいいことにツッコミを入れてくるためさらに締め上げるとすぐさま音を上げる。…………こういうヘタレなところがダメなのだ。
「洗いざらい吐かないともう原稿読ませんぞ! 」
「そ、そのですね————」
そうして織田から詳しい経緯を聞いていくのだった………………。
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「おいこら織田ァ! 」
「ぐふっ、また…………」
こ、こいつぅ〜! 羨ましすぎる!! なんだよ一条さん自ら同行させられたって! なんだよ道中守ってもらったって! そこは普通逆だろ! ……じゃなくてこのやろー!!
「……それで? 」
「な、なにが? 」
「それで一条さんと冒険した感想はって聞いてんだよぉ! 」
「ぐふ、理不尽……」
なんて奴だ! お前クラスのミステリアス美少女とゲームを通して仲良くなるだぁ? それなんてラノベだよ!! 私も百合枠で立候補してもいいですか?!!
「その意外と無防備でよく顔が近くなったり…………」
「あ"ぁ"?? 」
「ぐぇ……! 」
なんだと……? 顔……顔が? あの良すぎる一条さんの顔が近くに……?? ヤバい吐きそう、初めてこいつに殺意を抱いたよ……しかもこいつ『ぐぇ』とか『ぐふっ』とか情けない声出してるくせに微妙にニヤつきやがってぇ……!! オタク特有の優越感とマウント滲ませやがってぇ……!! く"や"し"ぃ"!"!"
「……それにこの前のイベントでは耳元で囁かれて首に腕を回されてね」
「キィー! 」
「し、締まってる……リスポーンしちゃう…………」
私も耳元で囁かれたいでござるよ……絶対孕む自信あるよ、だって一条さんだもん。
「しかも初めての友達だって」
「……っ?!!」
なん……だと……?! 一条さんの初めてをコイツが……??
「おいこら織田ァ!! 」
「ぐ、ぐふっ……」
あ、今こいつさも苦しくて声が出たんですよみたいな風を装って笑いやがった!! 絶対こっちに対して優越感に浸ってる!! く"や"し"ぃ"〜"!!
「しかも初めてだから色々教えてって」
「あ"ぁ"?! 」
「これからもよろしくって」
「あ"ぁ"?! 」
「黙ってどっかいくなんて傷付くって」
「あ"ぁ"?! 」
「しかも根は優しいんだよね」
「あ"ぁ"……………………あ? 」
「ん? 」
根は優しい? 一条さんが?
「は? 一条さんが優しいわけないでしょ、織田くぅん? 頭大丈夫? 」
「こ、コイツッ!? 」
本当にこれだからにわかは……一条さんが優しいとかありえないから! 困るんだよね、そういう間違った知識広められるの。
「ちゃんとこちらに気遣ってくれるし優しいよ! 確かにジェノサイダーって言われるプレイ内容だけど…………」
「ん? ゲームは関係ないけど? 」
「は? だったら尚更優しくないわけないのでは? 」
「はぁ〜…………解釈違い乙、同担拒否だわ」
「こ、コイツッ!? 」
いやぁ〜参っちゃうね! 私くらいの古参ストー…………ガーディアンになるとなんとなく解るもんだけど、新参のにわかにはわからないかぁ〜、かぁっー! つれぇーわー、マジでつれぇ〜わー!
「……誰かちゃんと語り合える同志はいないものか」
「こ、コイツッ! 」
はぁ〜、一条さんが優しいわけないじゃない……あれは『周囲に興味がない』と『周りを細かく観察してる』のが矛盾せず同居してるだけじゃない、これだからトーシローって奴はよ〜!
「ま、まぁ、確かにただ優しいだけじゃないかも知れないけど……」
「はぁ〜……」
「ほ、本当だって! 仮に違ったとしても僕はレーナさんが根は善人だって信じてるし、信じたい! 」
「あ、そう…………ていうか織田が初めて一条さんと会ったタイミングだと既に一条さん他の人とパーティー組んでるよね? 」
「!? 」
「…………友達は初めてでもフレンドは初めてではなかったようだね? 」
「なん……だと……?! 」
その時には既に誰か他の人とパーティ組んでダンジョン初攻略してたわけだから……織田ざまぁ! ハッハッハ! ………………はぁ〜、私が最初にパーティー組んだことにならねぇかなぁ〜?
「で、でも君はフレンドにすらなれてないじゃないか! 」
「ふふ、馬鹿だなぁ織田くん。馬鹿さ……! ホント馬鹿! 」
「こ、コイツッ!? 」
そんなことはわかっているさ……でもね?!
「一条さんのセカンドヴァージンと、初めての同性の友達&フレンド登録はこの私が貰ったァ!! 」
「な、なんだってー?! 」
「異性である貴様にはできまい! さらには長年のストー…………ガーディアン任務で培われたこの一条さんに対する洞察力ッ!! もはや仲良くなれない理由はないね」
「今ストーカーって言いかけっ…………ぐふぅ?! 」
「織田くん、君はいつも余計なことを言うね? 」
確かイベントの時も余計なことを一条さんに言って攻撃されてたはず……。
「本当に微妙に残念な奴だね君は」
「微妙に残念って言うな」
「お? 口答えするんか? 今度の冬コミ相手は森田か? 垰か? それとも両方? 」
「ごめんなさい、死んでしまいます」
秒速だったね! いつもの織田で安心したよ。
「よろしい…………今度家に遊びに来たときまたよろしくね? 」
「……また締め切りやばいの? 」
「いや、今回全然大丈夫だけど一応ね? 一条さんと仲良くなりたいし時間が欲しい」
別にそこまで切羽詰まってるわけじゃないけど……今度こそ勇気を振り絞って一条さんと仲良くなる一歩を踏み出すんだ、時間はいくらあっても足りない。
「……まぁ、いいけどね」
「よっしゃありがとう! それでこそ私の織田だよ! また最初に原稿読ませてあげるね! 」
「はいはい」
いやぁ〜、持つべきものはオタ友だね! 修羅場になると助かるわぁ〜。
「だがしかし抜け駆けしたことはチャラにはならぬ! 」
「……ペ〇ちゃんのほっぺ」
「許そう」
「チョロい……(ボソッ」
なんだ、織田って意外と話のわかる奴じゃないか、やはり争いはよくないのだ、対話こそ人類が他の動物に先んじて手にした叡智なのだ。
「じゃあ私はそろそろ———」
「おや、ユウさんこんなところに居たんですか」
「くぁwせdrftgyふじこlp」
「…………なんですか、これ? 」
「気にしないでください、ただの限界オタクです」
いきなりのご本人登場に心臓が過労死寸前でござる、労働基準法はいずこへ……。
「まぁ、丁度いいですね。レーナさん、この方がですね————」
「っ?! 織田、お前…………」
ごめんよ、出会い頭でいきなり締め上げて……やっぱりお前は私の心の友————
「レーナさんのストーカーをしていたらしいでっ———ぶぇ?! 」
「おいこら織田ァ!? 」
お前なに晒してくれとんねん!? 東京湾に沈めるぞこら、アァン?!
「いい?! 私はストーカーじゃなくてガーディアンなの! そこ間違えないで! 」
「ぐふっ、……ふぁい」
「…………本当になんです、これ? 」
憧れの一条さんが私たちの痴態を冷めた目で見ていることなど気づかず、私はこの
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おいこら織田ァ!
え? クリスマス・イブ?……( ‘ω’)ゴメンチョットナニイッテルカワカンナイ
作者:新作の序章は書き終わったぜぇ〜!
知り合い:ふーん
作者:毎日必ずジェノサイド・オンラインを一話書いてからやってるんやで?偉くない?
知り合い:世間はクリスマスなのに……うっ……!!
作者:泣きそう