この前に四半期ランキング1位を獲得したお礼の連続投稿をしております、まだの人はお気を付けくださいませ。

久しぶりだね、ハン…………チャーハン君！！

ハンネス:おいこら作者ァ！！

「いよいよだな……」

「そだね〜」

俺の呟きにケリンが気の抜けた返事をする。いつものことだが、さすがに初の公式イベントとなれば緊張の一つでもするだろ？

「おい、大丈夫かよ？ うちのパーティーには上位五名に入ってる奴が二人いるんだぞ？ 」

「あ〜、そうだったね……」

チェリーとミラの名前を見つけた時は我が目を疑ったぜ……まぁ、その分向こうからポイントが来てくれるんだから楽なもんだが。

「……色んな方に狙われるのは少し怖いですね」

「大丈夫、射抜く」

チェリーと比べてミラはいつも淡々としてやがるな？ まぁ、それよりも今回のイベントでは…………。

「レーナだったか？ ……絶対に倒す！ 」

「えぇー？！ 僕もうあの人とやり合うのやだよ？！ 」

「まぁ……気持ちはわからんでもない」

俺の決意表明にケリンが叫びラインが同意する。確かにこの前のケリンの死に方は……その…………悲惨の一言に尽きる。

「一時期すれ違うプレイヤーみんなにネタにされてからかわれたんだからな！ 」

「スレもお祭り状態だったしな」

特にジェノラーとかいうふざけた連中が騒がしかったな……。

「ていうか広場に人多いわね」

「当たり前だろ、イベントなんだから」

仲間たちと『始まりの街』の広場で会話していると――――――

「ジェノサイダーちゃんキターーー！！！」

「マ？ 」

「うわ、本当に来てる！！ 」

「こっわ、近寄らんどこ……」

―――――ほう？ 奴が堂々とここに来てやがるのか、いつもみたいにコソコソ隠れずに…………。

「あっ、ハンネス待て！ どこに行く？！ 」

「ちょっと！ 勘弁してよ！ 」

仲間たちの制止を振り払い一直線にそいつへと向かっていく。周りも鬼気迫る俺に気付いたのか自然と道を空けていく。

「やべ、ハンネスがジェノサイダーさんに…………」

「何が始まるんです？ 」

「第三次大戦だ」

「これは何かありそう」

「さーて、面白くなって参りました！ 」

ここまで自分のことで騒がれているので一人でボンヤリと佇んでいるそいつのもとへと辿り着く。

「……」

「……」

「…………」

「…………おい」

目の前に立ったというのに一瞥すらしない様子に半ばイラつきながら話し掛ける。

「……なんですか？ 」

「……お前に言いたいことがある」

ふぅ……落ち着くんだ俺、今度こそコイツには負けねぇ……あれからスキルもレベルも上げてきたし、仲間と訓練や連携の確認、反省会だってしてきた…………。

「俺はこのイベントで必ず、今度こそてめぇをぶっ倒してやる！！ 」

「言ったぁぁあ！！！！」

「ハンネスがジェノサイダーちゃんに宣戦布告したぁあー！！」

「祭りじゃーー！！！」

言った、言ってやった…………どうだ！ ビビったか？！ 周りが五月蝿いが気にせず奴の反応を窺う。

「…………今度、こそ？ 」

「そこかよ！ 」

なんでだよ？！！ なんで覚えてねぇんだよ？！！！

「ハンネスまさか、覚えられてないのか…………？ 」

「嘘でしょジェノサイダーちゃん…………」

「ハンネス草」

「さすがにかわいそすぎるでしょ、笑うわこんなん」

「てめぇらうるせぇぞ？！！！ 」

怒鳴ると途端に『きゃー怒ったー！ 』だの叫びながら散っていく…………くそっ！ ふざけやがって！

「まぁ、はい……とりあえず宣戦布告ですね？ 覚えておきます」

「っ？！ そ、そうか……なら、いいんだがよ…………」

今コイツは『覚えておく』と言ったか？ …………言ったよな？！！

「よっしゃあ！！ 」

「……変わった方ですね」

俺の歓喜の叫びに奴が…………いや、レーナが不思議そうにしてるが関係ねぇ！ やっと、やっとだ！ やっと一歩踏み出せたぞ！！

「そうだ！ 覚えておけよ！ お前は俺が必ずぶっ倒す！！！ 」

「？ とりあえず『遊んで』くれるんですね、わかりました」

そうやってレーナに対しての宣戦布告が終わると同時に空中に画面が浮かび上がる。

『やぁやぁ、プレイヤーの諸君！ 運営だよ？ 』

『主任、真面目にお願いします』

………………出だしから大丈夫かこの運営は？

『いいじゃない、初めての公式イベントなんだし！ 』

『そうですが……』

『いやー、本当は始まりの街の領主が主催のイベントやる予定だったんだけど……潰れちゃった！！ テヘペロ☆』

絶対に原因は隣にいるレーナだろ……当の本人は我関せずに『へぇ〜』とか言ってやがる、気の抜けるな…………。

『まぁ、いいや今から10分後にイベント専用マップに飛ばされるから準備よろしく！ 』

『説明が足りてません。……イベントマップにはパーティーを組んでいる者以外はバラバラに転移させられます。それこそランダムなので、いきなり敵同士同じところに転移される場合がありますがご了承ください。なお、イベントマップは様々な地形をご用意し、広大となっておりますのでイベント終了までまったく会えない人も居ますのでご注意を。転移から30分後に全プレイヤーの居場所がマップに表示されます』

じゃあ、イベント期間中はレーナと会えないまま終わる可能性があるってことか？！ それは困る！！

『それぞれポイントが高いプレイヤー、秩序陣営ならカルマ値が高い者、混沌陣営ならカルマ値が低い者ほどマップに再度表示される間隔が短くなりますので再度ご注意を』

そういや、そうだったな？ それに確かこいつのカルマ値は一人だけぶっ飛んでるからわかりやすいか…………。

『それでは皆さま初の公式イベントを是非とも楽しんでくださいませ』

『綺麗に締めたね！ いやー、僕は有能な秘書を持って幸せ者だよ』

『んんっ！ では皆さま御機嫌よう』

最後まで締まらねぇ運営だな……というより主任か…………まぁ、それよりも。

「絶対にお前を見つけ出してやるから首を洗って待ってろよ！！ 」

「？ そうですね、待っていますね？ 」

っ？！！ い、いきなり微笑むんじゃねぇよ！！ 心臓に悪いだろ？！？！！ 文句を言おうとした直前に俺の視界は白く染まり強制転移させられるのだった………………。

レーナさんの『悪魔の微笑み』…………ニコポがハンネスに炸裂！！ こうか は ばつぐんだ ！！

…………マジモンの悪魔とか言ってはいけない！！