作者に対する親切心からくる批評について

作者: 朝樹 四季

 作者にとって感想とはとても嬉しいものです。

 しかし、感想を書く側のマナーが悪いと貰った感想に対する喜びも半減、いや最悪マイナスになります。

 例えそれが良い内容のものであってもです。


 けれど、それにつられて批評して下さる感想までも排除してしまうのは違うのではないかと思い、今回筆を執った次第です。



 感想は貰えるだけで嬉しいものです。作品と言うアプローチに対して反応があるわけですから、嬉しくならないわけがありません。

 好きの反対は無関心と言うように、関心が持たれていること自体は嬉しいのです。


 けれどホームで赤文字を見て嬉しくなってポチっと赤文字を押し、開かれた画面に書かれていた感想がマナーの欠片もないものだった場合、テンションはダダ下がりします。嬉しいけれど、もやっとしてしまうことになるのです。

 内容が批判的なものであった場合はもうマイナスです。胸の辺りがぐちゃぐちゃすることでしょう。


 ただ感情をぶつけるように、相手を同じ人間だと思っていないように書かれた感想は良いもの、悪いもの問わず、人としてどうかと思います。

 そういう感想を貰った場合、私はこの人は子供なんだなと一呼吸して大らかな気持ちを持つようにしています。子供の頃の狭い視界で自らが正義であるかのように喚いていた思い出は私にもありますからね。それを思い出して心を鎮めています。


 そこまでは色んな方がおっしゃられているように、感想を書く側にもマナーは必要だと言う普通の話なのです。



 けれど、私が今回言いたいのはきちんとマナーを守って、作者への親切心から送られてきた批評の感想までもが同じ扱いをされている気がするというものです。


 勿論、最初から批評はなしで。読みたくないなら黙ってブラウザバックして。ここが嫌いとかわざわざ書かなくていい。

 と言っていらっしゃる方に親切心を出すのはお節介と言うものです。

 なので、そういう作者様方は今回除外します。



 私は批評を書いて欲しい方です。

 何が面白くなかったのか、何に不快感を感じたのか、書いてもらえないと今後に活かせないからです。

 ただ黙っていなくなられたら一人で悶々と考えなければなりません。それは不毛ではないかと思うのです。


 勿論、書かれた内容をそのまま「はい、修正します」とは言いません。ただそういう感想を持つ人もいるんだなと勉強させて貰うだけです。

 特に私みたいに書きたいものを書いている人にとっては、この小説が嫌いと言っている人達の目に付かないようにしようとは思いますが、言われるままに内容を変えたりなどする必要を感じません。でも私はそういう感想を持つ人がいるということを知りたいのです。


 だから、運営には批評を受け付けるか否かの選択肢も用意して、感想記載画面に「※この小説では批評は受け付けられておりません」と赤文字で表示して欲しいくらいです。

 そうすればこれがない私の小説には安心して書いてくれるだろうと思うからです。



 けれど問題が2つあるのです。


 1つ目は相手(作者)に何かを伝えるという気持ちを持つべきということ。

 例えば「面白くありませんでした」と一言書かれた感想に作者はなんと答えるべきなのでしょうか。なんて答えて欲しくて感想を書かれたのでしょうか。私は「そうですか」以外にどう書けば良いのか悩んでしまいます。

 書くのならば何が面白くなかったのかを添えなければ意味がないのではないでしょうか。そういう感想ならば私は大歓迎します。


 2つ目は判断するべきは相手(作者)ということを忘れるべきではないということ。

 批評はいいのです。けれど批判までしてしまったらそれはやりすぎでしょう。作品は作者のものなのですから、自分がこうして欲しいからと言って作者に求めるのは越権行為と言うものです。

 なのでどうしても書きたければ、「~~が面白くありませんでした。~~して下さい」ではなく、「~~が面白くありませんでした。~~したらもっと面白くなるのではと私個人は思いました」程度にすべきでしょう。

 もっと言うならば、「~~が面白くありませんでした。~~したらもっと面白くなるのではと私個人は思いましたが、ここからどうするのか作者様の物語を楽しみにさせて貰います」くらい優しい言葉を添えて害意がないことを示すべきでしょう。文字でしか思いを伝えられないのですからどれだけ包んでも包み過ぎにはならないはずです。


 この辺りが守られていない批評の感想が多い為、最初から批評を受け付けていらっしゃらない方が多いように思えます。

 ですが、その批評を受け付けていらっしゃらない方はどのように自らの作品が他人にどう思われているのかを判断しているのでしょうか。当たり障りのない言葉だけを聞いていては不安にならないのでしょうか。少なくとも私は不安になってしまいます。


 私ももやっとした小説を読んだ場合、黙ってブラウザバックしてしまうことが多いです。

 このまま書いていくのを見るくらいなら伝えてあげた方が親切なのか、他所は他所だと割り切って見て見ぬふりをするのか。今のところ、後者を選ぶ方が多いです。

 ほんの小さなことならオブラートに包むことで覆い隠して伝えることは出来る(本当に隠せているかは別問題です)のですが、多すぎる場合はまず言いません。これはもうその小説、もしくは作者が自分と合わないということだろうと思うからです。



 さて、皆様方は批評をどうお考えでしょうか。

 出来ればご意見を聞かせて頂けると嬉しいです。





 尚、何度も同じ内容の批評が来ると面倒になるという現実的問題は除外して下さい。