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80話 不器用っぽい

投稿数時間後に投稿というのがやりたかっただけなので、ものすごく短いですごめんなさい。

多分、今まで一番。

「ルナ! 大丈夫か!?」

「あ、主様」


 『コトリアソビ』を完全に元通りにしてから、強斎は直ぐにルナのもとに駆けつけた。


「大丈夫よ。ちょっと銃の持ち方を間違えて自分に発砲しちゃっただけっぽいから」

「本当か?」

「えっと……はい。そうです」


「傷の方もHPも完治したわ」

「ありがとう。ゼロ」


 強斎に心からお礼を言われて嬉しい半面。それだけルナを大切に思っていることを再認識し、少しだけ嫉妬をするゼロ。

 だが、決して表情に出すことはなかった。


「主人、一旦あの二人ミーシャとレイアを呼び戻しましょ。結構大変なことになってるんでしょ?」

「……まぁな」


 強斎に対する敵視問題なら大丈夫だった。

 だが、今回は違う。


「早く人間界と戦争しないとな……。魔界の手中になれば、龍人の奴らもそうそう手出しはできんだろ」

「まぁ、それがいいかな。もっと手っ取り早い方法もあるけど」


「ん? なんだ?」

「全界征服」


「それはまだ早いな」

「なんで?」


 強斎は少しだけ照れくさそうに口を開いた。


「あいつらが……俺の仲間が殺されるかもしれないから」

「ああ、迷宮の前にいた人たち?」


 小さく頷いてから、ポツポツと本音を語りだす。


「これは俺の勝手な思い込みなんだが……多分、あいつらは俺が魔界側に付こうが龍界側に付こうが俺の味方側に付こうとする」

「随分と自信有り気なのね」


「それだけ深い関係を持った奴らなんだ。自意識過剰かもしれない。だけど、あながち間違ってないような気もする」

「ふーん。でも、なんで殺されるの?」


「俺が全界を敵に回した場合、あいつらはどうすると思う?」

「人間界を裏切って主人の仲間になる?」


「おそらくな。だからまだ早い……俺を敵と認識させてからになるかな……っと、続きはミーシャたちと合流してからだ」


 その時、ゼロとルナは互の顔を見合ってから苦笑いをしていた。

 二人は強斎にこう言いたいのだろう。


 『不器用だ』……と。


………

……


「紹介する、俺の奴隷たちだ」

「はぁ……」


「ついでにルシファー。こいつらは全員お前より強いからな」

「しょ、承知しました!」


 図体は半端なくでかいのだが、事あるごとにビクビクするのはいつ見ても違和感しか感じられない。

 ここにいるのは強斎、ゼロ、ミーシャ、レイア、ルナ、ルシファー、そして何故かいるキャルビスだ。


「おい、ルシファー」

「は、はい!」


「魔界軍はどんな感じだ?」

「充分な数、練度、士気を揃える為には数ヶ月必要になります……」


「数ヶ月か……」


 そこで、強斎は数ヵ月後に人間界で大きなイベントがあることを思い出した。


「よし、戦争を吹っかける日時は人間界の武道大会がある日だ」

「確かに、その日でしたら一気に戦力を削ぎ落す事が可能になりますね」


 ルシファーの答えに頷き、周りを見渡す。


「となると必要なのは……ミーシャ、レイア」

「「はい」」


 二人に目線を合わせ、命令を下した。


「できるだけ多くの魔物たちを使役しろ。魔物を使って一気に攻め込む。いいな?」

「「はい!」」


 その時、二人には魔物を操るのに必要なスキルを与えた。


「ルナは人間界と魔界の監視。ゼロは俺の代わりに指揮を取ってくれ」

「わかりました」「わかったわ」


「ん? お前はどうするつもりだ?」


 すっかり口調も戻ったキャルビスが、不思議に問いかける。


「俺か? 俺は――――」


 強斎がその言葉を発した瞬間、この場は戸惑いに満ち溢れてしまった。




「――――少しの間この世界から消えるな」

主人公が消えてしまったらこの物語はどうするんだよ!

澪ちゃん暴走すっぞ!


さて、作者も少々驚きを隠せない展開になりましたがなんとかなります

書いてる途中にネタが思いつくって怖いよね!

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