<< 前へ次へ >>  更新
85/127

77話 コトリアソビに突入っぽい

お久しぶりです!

なんとか3月3日に間に合いました!

更新が遅れた原因は自分のマイページからtwitterに飛ぶか活動報告で察してくれると幸いです


それと、今回の文は前半と後半で2週間の間があったので少しだけおかしいかもしれません

「神を……あぶり出す? 主人は何言ってるの?」


 ゼロは唐突の告白に少々戸惑っていた。


「そのままの意味だ、人間界と戦争して神をあぶりだす。そして…………いや、何でもない」

「まぁ、主人の事だから何か考えがあるのだろうけど……でも、戦争するだけであぶりだすことなんてできるの?」


 ゼロの疑問は二人の魔王の疑問でもあった。


「ああ、そのことについては問題ない」


 強斎はとある本を取り出し、再度口を開く。


「この本さえあれば何とかなる」

「何とかって……その本って解読不可能と言われてる本ではないか」


 管理人であるキャルビスは、強斎の持っている本を見てそう呟くが……。


「主人は読むことが出来るのよ。……何故か私もだけど」

「なっ!?」


 そのことについて最も驚いていたのはルシファーだった。

 何かを言おうとするが、立場を考えて口篭る。


「おい、言いたいことがあるなら言え」

「あ、いえ……」


 すっかり強斎の下の立場になってしまったルシファーは、恐る恐る語りだす。


「その言語は未だに何語なのかも判明されてなかったので……。少し驚いてました」

「本当にそれだけか?」


「……」

「……まぁいい」


 強斎はため息をついてから話を続ける。


「魔界そのものを変えようとは思わない。だが、戦争の指揮はとらせろ。いいな?」


 ルシファーとキャルビスははっきりと頷く。


「俺の用事はこれだけだ。ゼロ、行くぞ」

「了解」


 強斎が部屋を出ていこうとした時、ルシファーが強斎を呼び止める。


「暗黒騎士様」

「なんだ」


「龍人の存在には気を付けてください。最近、何かしらの動きをしています」

「龍人……か。気を付けて――――」


 言い終わる前に強斎は険しい顔で何も無い所に振り向いた。


「どうしたの?」

「……ゼロ。人間界に戻るぞ」


「え?」

「またここに来る。魔界軍の練度を高めておけ」


 強斎はそう言い残し、急ぎ足で部屋を出た。



「……おい、キャルビス」

「なんだ」


 ルシファーはスッと立ち上がり……。


「今まで待たせたな。人間界との戦争の始まりだ」


 どことなく嬉しそうな顔でそう呟いたのであった。


………

……


「あ、キョウサイ様! お帰りなさ――――」

「ご主人様おかえりなさーい!」


 ミーシャが笑顔で出迎えようとしたところに、レイアが横から入ってきた。


「ただいま。唐突だが人間界に行くぞ」

「人間界に?」


 レイアを少しだけ睨んでから、ミーシャはその意図を訊く。


「少しだけやることができてな。時間かかりそうだからお前らも連れて行こうと思う」

「キョウサイ様がわざわざすることなのですか?」


「まぁな……こればかりは俺がやらないといけない」

「キョウサイ様……」


 心配するミーシャに強斎は優しく微笑んでから、金が詰まった袋を渡す。


「これは?」

「金貨50枚だ」


 強斎はその袋をレイアとルナにも渡す。


「これだけあれば大抵の物は試し買えるだろう。これからは滅多に行くことができないから、思う存分遊んでこい」

「キョウサイ様……決めたのですね?」


「ああ……」


 その一瞬だけ場の空気がとてつもなく重くなった。

 強斎の決意については全員知っているからだ。


「キョウサイ様、一つだけ言わせてもらってもいいですか?」


 そんな重たい空気をミーシャが破る。


「私は……いえ、私たちはキョウサイ様のものです。どんな酷な道でも喜んでお供いたします。ですから、そんな悲しい顔をしないでください」

「……ふっ、そうだな」


 強斎は数秒だけ微笑んでから背中を向ける。


「ゼロ、お前もついてきてくれるか?」

「何を今更……当たり前じゃない」


「……じゃあ行くぞ。人間界に」

『はい』


………

……



「……あれって俺たちが作った家だったよな?」

「主人は家感覚かもしれないけど、立派な迷宮だからね?」


 強斎とゼロは人間界にある『コトリアソビ』を眺めていた。

 厳密にはそこに群がる人々だ。


「あの家の目的って、奴隷を増やす目的だったんだがな……」

「主人はルナクラスの奴隷を量産するつもりなの?」


 少しだけ睨みながら訴える。


「いや、流石にそれは無理だ。スキルも能力値もこれ以上は付与できん」

「ならいいけど……じゃあ何のために?」


「情報収集が主な理由だな」

「それ以外は?」


「あの家の改造。もっと大きくしたい」

「主人は何を目指しているのかしらね」


 と、その時。


「よし、裏口から人が消えた」


 強斎はそのタイミングを見計らって、あらかじめ作っておいた裏口から迷宮内に忍び込んだ。

 この裏口からなら一気に最下層までたどり着くことができる。


「で、主人。今回の目的は?」

「この迷宮内に異物が入り込んできやがった。精霊やら竜やらが殺されていってる」


「へー……。主人の迷宮にそんなことするなんて随分と勇気のある異物なのね」

「ああ、それもかなりの手馴れだな。未だに正体がわからん」


 強斎の表情からは緊張が見られた。

 ゼロはその表情に違和感を覚える。


「ねぇ、主人」

「ん?」


「そんなに危ない奴なの?」

「いや、俺たちからしたら虫以下に過ぎない」


「だったら、なんでそんなに緊張するのよ」

「……」

「主人?」


 ゼロが数秒見つめると、観念したようにゆっくりと口を開く。


「さっき、あの群がりの中に俺の仲間がいた」

「主人の……仲間?」


「ああ、俺の仲間にして……いつか戦う事になる敵だ」

「……そっか」


「だから、今ここで死なれてもらっては困る。手分けして探すぞ」

「わかったわ」


 ゼロは何も聞かずにしっかりと役目を果たしてくれている。

 ミーシャたちとは違う安心感。そして包容力。

 それがゼロを頼ってしまう原因だった。


「さて……俺は70下層から攻めていくか」

この小説が消されかけた時にふと新作を思いつきました。

しばらくしたら投稿するのでその時はよろしくお願いします!


メインはこの小説でいきますけど!

<< 前へ次へ >>目次  更新