77話 コトリアソビに突入っぽい
お久しぶりです!
なんとか3月3日に間に合いました!
更新が遅れた原因は自分のマイページからtwitterに飛ぶか活動報告で察してくれると幸いです
それと、今回の文は前半と後半で2週間の間があったので少しだけおかしいかもしれません
「神を……あぶり出す? 主人は何言ってるの?」
ゼロは唐突の告白に少々戸惑っていた。
「そのままの意味だ、人間界と戦争して神をあぶりだす。そして…………いや、何でもない」
「まぁ、主人の事だから何か考えがあるのだろうけど……でも、戦争するだけであぶりだすことなんてできるの?」
ゼロの疑問は二人の魔王の疑問でもあった。
「ああ、そのことについては問題ない」
強斎はとある本を取り出し、再度口を開く。
「この本さえあれば何とかなる」
「何とかって……その本って解読不可能と言われてる本ではないか」
管理人であるキャルビスは、強斎の持っている本を見てそう呟くが……。
「主人は読むことが出来るのよ。……何故か私もだけど」
「なっ!?」
そのことについて最も驚いていたのはルシファーだった。
何かを言おうとするが、立場を考えて口篭る。
「おい、言いたいことがあるなら言え」
「あ、いえ……」
すっかり強斎の下の立場になってしまったルシファーは、恐る恐る語りだす。
「その言語は未だに何語なのかも判明されてなかったので……。少し驚いてました」
「本当にそれだけか?」
「……」
「……まぁいい」
強斎はため息をついてから話を続ける。
「魔界そのものを変えようとは思わない。だが、戦争の指揮はとらせろ。いいな?」
ルシファーとキャルビスははっきりと頷く。
「俺の用事はこれだけだ。ゼロ、行くぞ」
「了解」
強斎が部屋を出ていこうとした時、ルシファーが強斎を呼び止める。
「暗黒騎士様」
「なんだ」
「龍人の存在には気を付けてください。最近、何かしらの動きをしています」
「龍人……か。気を付けて――――」
言い終わる前に強斎は険しい顔で何も無い所に振り向いた。
「どうしたの?」
「……ゼロ。人間界に戻るぞ」
「え?」
「またここに来る。魔界軍の練度を高めておけ」
強斎はそう言い残し、急ぎ足で部屋を出た。
「……おい、キャルビス」
「なんだ」
ルシファーはスッと立ち上がり……。
「今まで待たせたな。人間界との戦争の始まりだ」
どことなく嬉しそうな顔でそう呟いたのであった。
………
……
…
「あ、キョウサイ様! お帰りなさ――――」
「ご主人様おかえりなさーい!」
ミーシャが笑顔で出迎えようとしたところに、レイアが横から入ってきた。
「ただいま。唐突だが人間界に行くぞ」
「人間界に?」
レイアを少しだけ睨んでから、ミーシャはその意図を訊く。
「少しだけやることができてな。時間かかりそうだからお前らも連れて行こうと思う」
「キョウサイ様がわざわざすることなのですか?」
「まぁな……こればかりは俺がやらないといけない」
「キョウサイ様……」
心配するミーシャに強斎は優しく微笑んでから、金が詰まった袋を渡す。
「これは?」
「金貨50枚だ」
強斎はその袋をレイアとルナにも渡す。
「これだけあれば大抵の物は試し買えるだろう。これからは滅多に行くことができないから、思う存分遊んでこい」
「キョウサイ様……決めたのですね?」
「ああ……」
その一瞬だけ場の空気がとてつもなく重くなった。
強斎の決意については全員知っているからだ。
「キョウサイ様、一つだけ言わせてもらってもいいですか?」
そんな重たい空気をミーシャが破る。
「私は……いえ、私たちはキョウサイ様のものです。どんな酷な道でも喜んでお供いたします。ですから、そんな悲しい顔をしないでください」
「……ふっ、そうだな」
強斎は数秒だけ微笑んでから背中を向ける。
「ゼロ、お前もついてきてくれるか?」
「何を今更……当たり前じゃない」
「……じゃあ行くぞ。人間界に」
『はい』
………
……
…
「……あれって俺たちが作った家だったよな?」
「主人は家感覚かもしれないけど、立派な迷宮だからね?」
強斎とゼロは人間界にある『コトリアソビ』を眺めていた。
厳密にはそこに群がる人々だ。
「あの家の目的って、奴隷を増やす目的だったんだがな……」
「主人はルナクラスの奴隷を量産するつもりなの?」
少しだけ睨みながら訴える。
「いや、流石にそれは無理だ。スキルも能力値もこれ以上は付与できん」
「ならいいけど……じゃあ何のために?」
「情報収集が主な理由だな」
「それ以外は?」
「あの家の改造。もっと大きくしたい」
「主人は何を目指しているのかしらね」
と、その時。
「よし、裏口から人が消えた」
強斎はそのタイミングを見計らって、あらかじめ作っておいた裏口から迷宮内に忍び込んだ。
この裏口からなら一気に最下層までたどり着くことができる。
「で、主人。今回の目的は?」
「この迷宮内に異物が入り込んできやがった。精霊やら竜やらが殺されていってる」
「へー……。主人の迷宮にそんなことするなんて随分と勇気のある異物なのね」
「ああ、それもかなりの手馴れだな。未だに正体がわからん」
強斎の表情からは緊張が見られた。
ゼロはその表情に違和感を覚える。
「ねぇ、主人」
「ん?」
「そんなに危ない奴なの?」
「いや、俺たちからしたら虫以下に過ぎない」
「だったら、なんでそんなに緊張するのよ」
「……」
「主人?」
ゼロが数秒見つめると、観念したようにゆっくりと口を開く。
「さっき、あの群がりの中に俺の仲間がいた」
「主人の……仲間?」
「ああ、俺の仲間にして……いつか戦う事になる敵だ」
「……そっか」
「だから、今ここで死なれてもらっては困る。手分けして探すぞ」
「わかったわ」
ゼロは何も聞かずにしっかりと役目を果たしてくれている。
ミーシャたちとは違う安心感。そして包容力。
それがゼロを頼ってしまう原因だった。
「さて……俺は70下層から攻めていくか」
この小説が消されかけた時にふと新作を思いつきました。
しばらくしたら投稿するのでその時はよろしくお願いします!
メインはこの小説でいきますけど!