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74話 フラグっぽい

皆さんお久しぶりです!

大変お待たせしました!

何があったのかはお察しください!twitter見ればわかr(殴

 既に日は沈み、深夜帯と呼ばれる時間。

 そんな時間に二人の男は剣を交えていた。


「これで……終わりです!!」

「なっ!?」


 勇志がベルクの剣を弾き飛ばし、決着がついた。


「……参った。降参だ」


 ベルクは両手を上げて小さく笑った。


「まさか、この短期間で越されるとは思ってもいなかったぜ」

「ベルクさんのおかげですよ」


 勇志は愛用の剣を鞘にいれ、話を続けた。


「遂に明日……魔界に乗り込むのですね」

「ふっ、怖気づいたか?」


「まさか。でも、いまいち実感が湧かないんですよ。最初の目標が魔王討伐でしたし」

「倒したら元の世界に帰れると?」


「その後、神様を復活させて~とか続いてましたが、正直信じていません。でも、僕は強斎が生き返るならどんな小さな可能性でも全力で挑戦しますよ」

「それで魔神討伐か……」


「ベルクさん……さらっと流しましたけど、僕たちがこの世界の人間じゃないって知ってたんですか?」

「ん? まぁな。あのショクオウも違うんだろ?」


 勇志は無言で頷いた。

 ベルクは鼻を鳴らしてから、勇志に背を向ける。


「ベルクさん?」

「俺たちは明日、魔界に戦争を吹っかけに行く」


「……はい」

「全員が生きて帰れるとは限らねぇ。だが、一番最初に死ぬのは俺だ」


「ベルク……さん?」

「俺はもう数百年は生きている。だが、お前たちはまだ若い……誰かが死ぬとしたら俺が代わりに犠牲になってやるよ」


「何を言っているんですか!? ベルクさんが死んだらシッカ王国の冒険者ギルドはどうするんですか!?」

「そうだな。ユウシ、お前にでも任すよ」


「……僕はドレット王国の住人ですよ? 他国の冒険者ギルドなんて――――」

「そのためにも魔王を討伐し、人間界を平和にするんだ」


 ベルクはもう一度剣を抜き、勇志に剣先を向けた。


「この戦争は人間界で起きる戦争を止めるための戦争でもある。魔王を討伐したらどの国もお前に跪くだろう」

「だ、だったら――――」


 勇志が口を開いた瞬間、剣先が首元に来ていた。


「今からお前に一つだけ技を教える。俺が冒険者最強と言われるきっかけになった『竜殺し』の一撃をな」


………

……


「おはようございます、ユウシさん」

「おはよう、ヴェレス」


 王宮城内の庭で座っていた勇志にヴェレスが声をかけた。


「もうそろそろ出発ですよ?」

「……そうだね」


 そう答えるもの、勇志は全く動こうとしなかった。


「……ユウシさん、隣いいですか?」

「ああ」


 ヴェレスは勇志の隣に腰掛け、再度口を開く。


「ユウシさんとここで二人っきりになるのって、久しぶりですね。私が告白した時以来でしょうか?」


 赤くなった顔を隠そうとするが、勇志にはバレバレだった。

 そんな仕草に思わず笑ってしまう。


「もう……笑わないでくださいよ」

「ははっ、ごめんごめん」


「はぁ……。あの時、ユウシさんは私のわがままに耳を傾けてくれました」

「そのわがままが告白なんて思ってもいなかったけどね」


「あの時と同じようにもう一度わがままを言わせてください」

「……」


「ユウシさん、絶対に生きて帰ってきましょう。勿論、全員で」

「……」


「それでは、正面玄関でお待ちしてますね」


 そう言い残して、ヴェレスは立ち去ってしまった。


(強斎……フラグの折り方を教えてくれ……)


 勇志は胸糞悪い感覚を味わいながらも、正面玄関に向かうのであった。


………

……


『!?』


 それは唐突だった。

 勇者一行が森に足を踏み入れた途端に起きた出来事だ。


 一瞬……たった一瞬だが、今までに感じたことのない魔力が感じ取れたのだ。


「ベルクさん……もしかして……」

「ああ、魔界の連中に見つかったかもしれないな……急いで魔界に乗り込むぞ」


 一行はしっかりと頷いて転移門に向かった。

 しかし……。


「ははは……マジかよ」


 転移門の前には魔物が立ちふさがっていた。

 それどころか、いつの間にか大量の魔物に囲まれている。


「この森にこんなレベルの魔物なんていなかったはずだけどな……。こりゃ、魔界につく前に色々枯渇するぜ」

「一旦体勢を立て直しましょう」


「いや、戻っている時間はない。この作戦は奇襲作戦だ。魔界側には見つかってしまったが、今から行けば先制打撃は与えられるはず」

「転移門を塞いでる魔物を倒して、魔界に?」


「それも無理だ。この魔物たちは恐らく魔界の魔物……。追ってこられたら魔界で挟み撃ちに合う確率も出てくる」

「じゃあ、どうするつもりですか!?」


 すると、ベルクは一瞬で転移門前の魔物を蹴散らした。


「お前らだけで先に行け。ここは俺が引き受ける」

「!?」


 そして、そのまま魔物の群れに突っ込む。


「後で絶対に追いついてみせる! だからお前らは先に行け!」

「ベルクさん! それは言ってはいけません!!」

「おい、勇志! 早く魔界に行くぞ!」


 大地に腕を引っ張られ、転移門を潜った。


………

……


「大地、何をするんだ!」

「ベルクさんが折角開けてくれた道だ、通るのが道理というものだろう」


「なんで……なんでベルクさんが犠牲に……」

「勇志」


 大地は勇志の額に強いデコピンを与えた。


「大丈夫だ、お前はしっかりとフラグを折っている。気にすることなんてない」

「僕が……?」


「ああ、昨日の夜のことだろ? 俺も偶然聞いてしまったからな」

「いつ僕が折ったと?」


「フラグをフラグと自覚していること。それだけだ」

「……ふふっ、そうだったね」


 勇志は転移門を一瞥し、小さく呟いた。


「ベルクさん、必ず追いついてきてください」


 そして、勇者一行は歩みだした……。



 ――――だが。



「誰だ? お前たちは?」


 何の前触れ無なく、唐突にその二人は現れた。


「あの魔物たちの大群を突破してきたのでしょうか」


 本能的に見入ってしまう金と銀の輝かしい髪。


「ほう、ただの人間じゃなさそうだな」


 整いすぎた顔立ち、スタイル。


「ただの推測ですけどね」


 そして――――。



「う……そ……でしょ?」

「リン?」


 超解析で二人のステータスを覗いたであろう鈴の顔は真っ青だった。

 他の超解析持ちも二人のステータスを覗く。


 そして、唖然としてしまった。



 ミーシャ


LV 99


HP 9999999/9999999

MP 9999999/9999999

STR 999999

DEX 999999

VIT 999999

INT 999999

AGI 999999

MND 999999

LUK 20


スキル

なし


属性

なし




 レイア・アンジェリーク


LV 99


HP 9999999/9999999

MP 9999999/9999999

STR 999999

DEX 999999

VIT 999999

INT 999999

AGI 999999

MND 999999

LUK 30


スキル

なし


属性

なし




 ――――圧倒的に離れているステータスだからだ。

フラグって立てすぎると変な感じになりますね……

次回で勇者視点は終わる予定です!


感想でもありましたが、性的描写はもう少しお待ちください!



以下からは本編とは関係ありません


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