67話 『コトリアソビ』に向かうっぽい
皆さん、お久しぶりです
感想で呪いについての質問がありましたが、その質問の詳しい答え……正確にはいつ、どうやってるn……兎族が呪いをかけられたかは本編で書きますのでご安心ください。
ついでに自分はインフルエンザに襲われていました。
状態異常耐性欲しいです。
「皆、少し話がある」
勇志、ベルク、ファイの話し合いが大体終わったところで全員を集めた。
「近々、僕たちだけで魔界に乗り込む事になる」
「やっぱり、暗黒騎士を倒しに行くんだよね?」
澪の質問に無言で頷き、言葉を続ける。
「ベルクさん曰く、ショクオウ……強斎が殺されたことによって、魔界との戦争が近くなったらしい。だからその前に暗黒騎士を倒して、戦争を阻止もしくは延長させる。それが目的になるね」
「強斎が戦争の阻止力になってたの?」
「ああ、実はあいつがシッカ王国にいる時に大規模な討伐戦……そう、魔人討伐が
鈴の問いにベルクが苦笑い気味に答える。
「計画されていたってことは、実行はしなかったのね?」
「しなかったじゃない、既に終わっていたんだよ。幹部級の魔人をたった三人で終わらせやがった」
『三人?』
強斎の事を知っている者全員が首を傾げた。
勇志も聞いていなかったらしい。
「ん? 言ってなかったか? ショクオウは女奴隷を二人連れて旅をしてたぞ?」
「女……奴隷……?」
「ああ、二人とも随分とショクオウにベッタリで他の男なんて――――」
――――バリン!!
ベルクが言い終わる前に、どこかで物が割れる音がした。
その犯人は誰もが明確にわかっている。
「澪ちゃん、ちょっと落ち着こ」
「緋凪こそ落ち着いたら? 魔力を全力で開放しちゃってさ。今は戦う時じゃないよ?」
「私は充分落ち着いてるつもりだよ? 澪ちゃんこそ、そんなに魔力を放出させて何するつもり? 私達、今はHPMP全快なんだけど?」
「あら、緋凪が魔術使うと思ってね。この室内で」
「大丈夫だよ。私はそんな非常識じゃないから――――」
「はいはい、二人とも落ち着こうねー」
言い合いがヒートアップする前に、鈴が二人の間に入って止めた。
「二人とも考えてみて? 確かに年頃の男の子だからしょうがないけど、あの強斎だよ? 他の女の子に手を出せると思う? どうせ『子供が~』とか言ってできないって」
「……確かにそうかも」
鈴の考えに二人は納得したようで、とりあえずは収まった。
「えっと、話を戻すね? とりあえず、僕たちが魔界に乗り込むのは戦争になる前……それと、充分に強くなってからになる」
「今も充分強いと思いますが……」
ヴェレスの意見に勇志は小さく首を振った。
「慢心はダメだ。魔王クラスの強さだと考えると、今の実力で勝率は半々ぐらいだろうからね……まぁ、魔王と戦ったことないんだけど」
そう言って苦笑いをするが、直ぐに気を取り直して話を再開する。
「で、どうやって強くなるかなんだけど……。ベルクさん、お願いします」
「わかった」
注目の的が勇志からベルクに変わる。
「実はな、シッカ王国付近にダンジョンが出てきたのだ。しかもダンジョン名付きでな」
「珍しいですね」
ヴェレスが珍しいと言った意味が理解できてない地球人組の為に、ベルクがその辺も踏まえて説明する。
「本来、ダンジョンというのは最下層の『物』を守るために作られているからな。人目を避けるよう……だが、適度に招き入れれる様な場所や入口になっている。だが、名前があるダンジョンってのは完全にかかってこい状態だ、招き入れるしか生きていく方法がない最下級ダンジョンによくある。そして、今回はそこでレベル上げをすることになる」
「ベルク、言っておくけどそこらのダンジョン……しかも名前付きのダンジョンでユウシたちのレベルが上がるとでも?」
ファイが疑いの目でベルクを見るが、ベルクはそれを微笑で返した。
「安心しろ。ダンジョンの名前は『コトリアソビ』。難易度は――――――未知数だ」
「……どういうこと?」
「そのままの意味だ。未だにダンジョンを踏破したものはいないし、時々行方不明も出てくる。しかも、最大20人同時で攻略可能のダンジョンだぞ?」
「……あなたの国の冒険者って弱いのね」
「精霊から見ればそうかもしれんが、少なくとも勇者達が強くなれるレベルの魔物はいるぜ?」
「ふーん。で、最高何下層まで行ったの?」
「30階だ」
「まぁまぁ大きいダンジョンね。
「多分な」
そう言ってベルクは全員を見渡し――。
「というわけだ。レベル上げも
難攻不落、歴代最凶最悪の大迷宮に挑む決意を、全員がした瞬間だった。
………
……
…
ある程度の準備を終えた勇者一行は、迷宮の前で目の前の光景を唖然と見ていた。
「凄い人気……」
琴音が無意識にそう呟き、皆もそれについては同感のようだ。
「ベルクさん、こんなにも人がいると……」
「あ、ああ。そうだな……。というか、何でこんなに人が多いんだ?」
「あ、私訊いてきます」
澪がそう言って、人ごみの中に入って行ってから数分。
ようやく戻ってきた。
「どうだった?」
「なんかね、迷宮内で凄いお宝が出てきたらしいの。それと、難易度も初心者からでも行けるような難易度だからとも言ってた」
鈴の問いにやや疲れた感じで澪が答えた。
「どうします? ベルクさん」
「んー……時間も惜しいし、さっさと30下層まで行こう。大抵の迷宮には10下層毎に転移出来る部屋があるはずだからな。今日はとりあえず30だ」
そう言って迷宮に向かおうとした時。
ベルクは何者かに声をかけられた。
「ギルマスじゃないか。どうしてこんな場所に?」
「……アルノか?」
「はい」
「アルノこそ何でここにいるんだ?」
「冒険者だからな。ギルマスこそ、一度国に戻ってきたと思ったら直ぐに出て行って……。何やってたんだ?」
「今からこいつらと迷宮攻略だ」
アルノは勇者一行を見渡し、目を見開いた。
「お前たちは……!」
「久しぶりだね、アルノ」
アルノは勇志を見ただけで何かを察したようだ。
「迷宮の攻略、頑張れよ。あの迷宮は最初こそ本当に簡単だが、ボスを過ぎると難易度が跳ね上がる。今の最前線は31下層だから30階のボスは倒せたらしい」
「ついでにアルノはどこまで行ったんだ?」
「俺のパーティーはまだ15下層までだよ。お前たちなら今日中に踏破しそうだがな……」
「それだといいんだけどね」
勇志は苦笑いで冗談だと受け止めているが、アルノは満更冗談ではないらしい。
「一応、10、20、30とまでは転移ポイントは確認されている。一度その下層まで行けばまた来れるというありがたい迷宮だから安心して挑むといい」
「わかった。情報提供ありがとう」
「おう」
そう言って、アルノは立ち去っていった。
「……あいつも、変わったな」
「そうなんですか?」
「ああ、昔はただの馬鹿だったが、今はできる馬鹿だ」
「馬鹿から離れましょうよ……」
「自分で馬鹿と言っているのだからしょうがない。さて、そろそろ挑みに行くぞ。準備はいいか?」
こうして、本格的に攻略しに向かう勇者一行であった。
踏破不可能と知らないままに……。
ここでもアルノ君登場。
さて、勇者一行は何下層までたどり着けるのでしょうか?まぁ踏破は無理ですが。
何の事件もなくレベリングができるのでしょうか?まぁ踏破は無理ですが。
そして、この迷宮が主人公の作った迷宮と気付く事はできるのでしょうか!?まぁ踏破は(ry
皆さんも風邪とか病気には気を付けてくださいね!