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56話 ショクオウが殺されたっぽい

はい、暫く更新できないとか言っときながら更新してしまいます。

言い訳は後書きにて!


さて、前回の設定集でステータスが公開されました。

勇者が弱いとの声があがったので、どれだけ勇者が強いか再度説明します。

今回も勇志君でいきます。


まず、走ったら音速レベルまでいきます。

右ストレート1発で約5.5tの圧力がかかります。

上空1000mから飛び降りても死にません。


どうです?人間じゃないですよね?

そうです、勇志君はチートです。

では、ここで主人公の小鳥遊君の説明をしましょうか。


TNT爆薬1500000000000㌔の数兆倍の威力のパンチを秒間1万発なんて朝飯前です。

光速で目の前を通り過ぎる場合、通り過ぎるまでに人間の寿命が軽く尽きるぐらいゆっくり見ることができます。

ハイパーノヴァクラスの爆発を間近で食らっても多分大丈夫です。


これが自称人間の力ですね!


説明文、一部訂正しました

不快だと思った方々、お詫び申し上げます

「おい、少しお前に頼みたいことがある」


 眷属たちの勉強が終わり、そろそろ暇になった時、キャルビスから強斎はそう言われた。


「頼み事?」


「ああ。お前の言う通り上手くまとめようとした結果だが……」


「結果だが?」


 キャルビスは少し納得してないのか、顔をしかめて答えを言う。


「……魔神様の使者ということになった」


「……は?」


 強斎も何故そうなったのか考えていたが、魔界の事は皆無といっていいほど知らないので考えるのを諦めた。


「そんな顔で私を見るな……。私だって納得していないんだ。いくらお前が強いからといっても、私たちの神の使者にするなんて……。もし、魔神様が復活したらどう言い訳をすれば……」


 キャルビスは途中から独り言になっていた。


 そんな中、強斎は少し離れたところで本を読んでいるゼロを見た。


「……」


「お前も魔神様が復活したら殺されるだろうが……。すまない、これしか方法が……」


 少しキャルビスを見て、再度ゼロを見る。

 すると、ゼロと目が合ったので小さく手を振ってきた。


「……」


「やはりお前も魔神様は怖いか……そうだろうな。今封印されている魔神様は歴代でも強さが異常だったらしいからな」


 ゼロはレイアに何かを言ったらしく、顔を真っ赤にしたレイアに叩かれていた。


「……」


「六属性全ての精霊王を相手に優勢し、数体の神々を無力化……。更にそば付きにいた魔人は全員、今の魔界最強の魔王レベルだったという……」


 ゼロはヘラヘラと笑いながらレイアに謝っていた。


「……」


「お前、私の話を聞いているのか? さっきから自分の女ばかり見やがって……」


「あ、いや。すまない……。ちゃんと聞いてはいる」


「はぁ……。とりあえず、お前は魔神様の使者として魔界に現れた。そこでお前に特別階級を与えることになった」


「ああ」


「そこで、お前の強さを証明することになった」


「何故!?」


 話の飛躍に強斎は思わずそう聞き返してしまった。


「本当にお前が魔神様の使者なのかとか言ってくる輩が出てきたからな」


「ああ、なるほど」


 強斎がそう言うと、キャルビスの顔は少し険しかった。


「……どうした?」


「未だにお前の目的がわからなくてな……」


「目的か……」


「いや、違うな。お前の存在そのものがわからない」


「俺は人間だぞ?」


「私の最大火力魔術をまともに受けて、ものともしない人間がいてたまるか」


「そんな事言われてもな……」


「まぁいい。また後で迎えが来るだろう」


 キャルビスはそう言ってこの場を立ち去ろうとする。

 だが、立ち止まって少し重みのかかった言葉を発した。


「お前は確かに強い。だが、魔神様が復活しても絶対に刺激したりするな。直ぐに逃げろ。わかったな?」


 そう言ってキャルビスは今度こそ立ち去った。


 少しすると、強斎のところにゼロが寄ってくる。


「なんの話してたの?」


「俺がゼロの使者になって殺されるらしい」


「えっ、なんで?」


「さぁな」


「というか、主人を殺すって……無理でしょ。精霊王と神を目隠しして同時に相手するより、無防備の主人にかすり傷を付ける方が数万倍難易度が高いっていうのに……」


「……俺って人間だよな?」


「……」


「俺って人間だよな?」


「……」


(キャルビスよ。お前の怖がっている魔神様は話を濁すことが苦手らしい……)


 この後、強斎は一人黄昏たそがれていた。


………

……



「見ろ! 人がゴミのようだ!」


 強斎は目の前の光景を見て無意識にそう言っていた。


 眷属は誰もその意味を理解していなかったが、強斎からみればそれは事実なので特に指摘もしない。


 強斎は強斎で、テンションが変な方向に上がっている。


 現在強斎達がいる場所は魔国の中心部にある城の上階。

 そこに群がる魔人達を見下ろしていたのだ。


 ついでに、まだ強斎たちは部屋から出てない。


「とりあえずお前は仮面を付けろ。人間と間違えられる」


「いや、俺人間だから」


 そうキャルビスに言われながらも、自前の仮面を付ける強斎。


「これでいいか?」


「ああ……」


「? どうした?」


 キャルビスはどこかそわそわしていたので、強斎は疑問に思った。


「いや、もし力を証明しろとか言われたら、山一つ破壊するぐらいの勢いでやっていいぞ」


「お、おう?」


 キャルビスから感じる違和感はこのことではない気がした強斎だが、何も言わなかった。


「よし、とりあえず行くか」


 強斎はそう言って民衆の前に姿を現した。



「……ここに密偵がいるとは思えんがな」


 キャルビスは強斎の背中を見ながらそう呟いた。


………

……


 強斎が姿を現すと、民衆は一層騒ぎ出す。


「お前らぁ! よく聞け!!」


 何故かノリノリの強斎は、風魔術で声を大きくしていた。

 そのこともあってか、大分静かになる。


「俺は魔神の使者……。『暗黒騎士』とでも呼べ」


 強斎はそういうのと同時に、自らの魔力をほんの少しだけ開放した。

 魔力を感じ取れる者に若干の冷汗が出てくる。


「俺はつい先日、この魔国と同盟を組んだ。なに、お前らの生活は変わらんさ。安心しろ」


 強斎の上から目線の言い様に、若干批判の声が聞こえる。

 その批判の中に、『ショクオウ』という言葉が聞こえたので、強斎はそれを使うことにした。


「お前たちは『ショクオウ』という存在を知っているか?」


 思ったより騒ぎ出したので、これは線ありと見る。


「実はな……。『ショクオウ』はもういないんだよ」


 強斎は仮面の下でニヤリと笑う。


「『ショクオウ』は……俺が殺した」


 「おおぉ……」という声が所々聞こえる。

 その中でも「どうせ嘘だろ」とか聞こえたので、強斎はアイテムボックスから剣を取り出した。


「これが奴の持っていた剣だ。この中に武器を鑑定できるやつはいるか?」


 強斎がそう言うと、数十人が手を上げた。

 強斎はその中から適当な魔人を選んで、その魔人に向けて魔術で剣を渡した。


「鑑定してみろ」


 そう言われ、魔人は面倒そうに鑑定をする。

 だが、その顔はみるみる驚愕色に染まっていき……。


「『ショクオウ』の剣だ……」


 そう魔人が呟いた瞬間、歓声が少しあがる。


 強斎は今だと思い、再度口を開いた。


「その剣だけだと、本当に俺が殺したかどうかわかんないだろ? お前ら、しっかり見とけよ」


 そう言って強斎は遠くにある山を指さす。

 なんだなんだと全員がその山を見たのを確認し、強斎は魔術を使う。


「まともな攻撃魔術を使うのも久しぶりだな」


 そう呟いてから、強斎の手のひらに闇玉ができた。

 大きさで言うとソフトボール程だが……。


「ふっ!」


 強斎は指さした山目掛けて、その闇玉を投げた。


 そして――――――。



 ――――――キャルビスを含め、民衆達は皆唖然としていた。



 半径数キロメートルの巨大な円球が山一つ……その場にあった空間一つを飲み込んでいた。


 威力も申し分なく、そこにあった空間が塵も残らず消し去っていく。

 そして、巨大な円球は小さくならずにドンドン巨大化していった。


「最上位帝級魔術だと!? それを無詠唱で……」


 キャルビスは少しだけ誤解をしていた。


 確かにこの規模だったら最上位帝級魔術で済むが、強斎が使った魔術はその程度ではない。

 放っておいたらこの円球の半径は数十、数百キロメートルと拡大し、超災害になる程の規模なのだ。


「まだまだぁ!!」


 強斎はそう言って、腕を上げ……。


「おらぁ!!」


 勢いよく振り下ろしたその瞬間……。




 巨大な闇玉を覆う超極太レーザーが闇玉の真上から放たれた。




「神級魔術まで……」


 キャルビスはもう苦笑いしか出なかった。


 眷属たちは呆れ半分に見ている。


「あの魔術、二つとも神級を軽く超えているわ」


 キャルビスが聞こえないところで、ゼロはそう呟いた。


「そうね……。流石キョウサイ様です」


「流石って……。もうちょっと驚いてもいいんじゃない?」


 ミーシャの当たり前の様な答えに、ゼロは苦笑いで答える。


「私はキョウサイ様を評価出来るだけの資格は持っていませんから」


「……資格? どういうこと?」


「ゼロには関係ないですよ。さぁ、キョウサイ様がお呼びです。行きましょうか」


「あ、うん。そうね」


 こうして、強斎は魔人から『暗黒騎士』と呼ばれるようになり、眷属たちもかなりの支持を得るようになった。


………

……


「そう言えばキョウサイ様」


「どうした?」


「ショクオウ殺してしまったら、どうやってシッカ王国に戻る気ですか?」


「……ガタッ」


「口で『ガタッ』と言ってももう遅いですよ?」


「その辺は全然考えてなかった……」


「まぁ、大丈夫でしょう。人間にばれなければ」


「そうだな、こんな場所に人間なんていないもんな」


………

……


 同時刻、魔国の外にてキャルビスの違和感の正体がいた。


「まさか冒険者最強の『ショクオウ』が殺されていたなんてな……。これはやばいぞ……」


 男はそう呟いて魔物から逃げるように転移門へ向かう。


「こちとら人間同士の戦争が始まるっていうのに……。今ここで『ショクオウ』が死んでしまったら……」


 男は歯を食いしばって最悪の事態を想像する。


「……今は考えないようにしよう。とにかく生きて人間界に戻り、この事実を伝える。それだけだ」


 男は更に足を速めて人間界に向かった。

さて、まさかの勢いで自分自身を殺してしまいましたね…

人間、テンションが上がると後先考えずに行動してしまうこともありますからね。

さて、ここから物語は動き始める……

戦争編開幕!!

戦争編の見所はミーシャ&レイアVS勇者一行!(の予定)

これからもお楽しみに!


えっと、前話で書き直すと書いたのですが…

すみません、本当に自分勝手ですが書き直しは中断します。

理由ですが、自分自身書いていて楽しくない……という本当に自分勝手な理由です。


本当にすみませんでした。

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