5話 盗賊っぽい
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今回は少し内容が変かもしれません。
強斎が、チートを手に入れた3日後の朝。
2日前に、トコトンファンタジーに付き合うと宣言してから、何があっても突っ込まないと内心思っていた強斎。
しかし、この男。小鳥遊強斎は3日坊主ならぬ、2日坊主だった。
「なんでだよ……」
強斎は既に語尾に「!」をつけるのも億劫な程、気が弱っていた。
「なんで、ワニしかいねぇんだ……」
そう、強斎はここ2日、ワニにしか出会っていない。
ついでにこのワニ、名前をアリーターと呼ぶ。
完全に手抜きだ。
アリーターのステータスは個体差があったが、どれも平均20歳初期値より少しばかり高かった。それでも20程度ばかりだが。その代わり、魔力とスキルは所持していなかったが。
それよりも大切な事があった。
そう、強斎はここ2日アリーターの肉しか食べていないのである。
水や火は魔術で出せるが、調味料等は出せない。
死ぬ事は無いが、流石に飽きるのである。
考えてみよう。
2日間全く同じ肉で、味付けは無い。飲み物は水のみ。
胸焼けの1つでもするであろう。
「街をみつけよう」
強斎はそう呟いてから、気合を入れ直した。
強斎のステータスは、現在こうなっている。
#
キョウサイ・タカナシ
LV7
HP 44800/44800
MP 185600/185600
STR 5120
DEX 5760
VIT 4480
INT 5760
AGI 5120
MND 37760
LUK 500
スキル
言葉理解
超解析
MP回復速度上昇LV2
超隠蔽
スキル強奪
レベルアップ時ステータス倍
必要経験値1/100
属性
想像魔術(SPユニーク)
#
自重して欲しい位チートである。
(そう言えば、俺はシッカ王国?付近に飛ばされたんだよな?)
しかし、一面草原。
「いっちょ全力で飛んでみるか」
ぴょんと垂直跳びをした。……全力で。
すると、強斎は130m程飛び上がった。
「うおっ!? 高っ!?」
強斎は一瞬驚いたが、自分のステータスを見て納得がいった。
ワニを倒しただけでこれだ。勇者も涙目である。
(っと、それより街だ街……お、街発見。最初っから、こうしていれば……ん?)
タッと着地してから、もう一度ジャンプし、先程と同じ方向を見る。
(あれは……馬車だな。しっかし、護衛にしては人が多すぎないか?)
着地して、街の方向へ歩きながら、考える。
(まてよ?)
そしてもう一度ジャンプ。
(服装が全然違う……。それにさっきから全く動いていない……。…………ふっ、そうか……)
着地してから、一気に駆け出す強斎。
「盗賊だな!!」
流石王道ファンタジー。
*
「おいてめぇら!金と命置いてけや!」
一回り大きい盗賊が声をあげる。
「ひ、ひいぃ……」
商人らしき男はビクビクだ。
護衛の男二人も剣を構えているが、足がガクガク震えている。
「ちっ、おいお前ら!殺っちまえ!」
「「「「へい!」」」」
男の号令で、男合わして5人の盗賊が馬車を襲う。
「う、うわぁぁぁ!!」
護衛の一人が盗賊に突っ込んだ。
「ふん。――――――『ファイアボール』」
リーダーらしき男が何かブツブツと言って、ソフトボール並の火を作り出した。
「なっ!魔術師だと!?」
もう一人の護衛が驚愕の表情で、その盗賊を見る。
「死ね」
盗賊は突っ込んできた護衛に、ニヤリと笑い、ファイアボールを飛ばす。
だが、ファイアボールは、護衛の男に当たる前に消えた。
「なっ!?」
誰の声かわからないが、その声が聞こえた数瞬後には、5人の盗賊が一斉に気絶した。
………
……
…
「い、いったい…」
商人らしき人が呟くと、それに答えが返ってきた。
「大丈夫か?」
強斎である。
「あ、あんたがやったのか?」
「じゃぁ、誰がやったと思う?」
「い、いや……すまない」
「別にいい。それよりあんた、商人だな?」
すると、その男は少し驚いたようだが、改めて畏まった。
「ああ。私の名前はスピッツ。商人と言っても、奴隷商の駆け出しだが……」
あははと笑うスピッツ。
(奴隷か……この世界にもあるんだな……)
難しい顔をする強斎に、スピッツはオドオドし始めた。
「す、すまない。何か気を悪くしたか?」
いきなり謝ったスピッツに、強斎は我に返った。
「いや、少し考え事をしていた。俺の名前はキョウサイだ」
「そうだったか。それでキョウサイ殿はやはり?」
「ああ、この先の街を目指している」
すると、スピッツは明るい顔をした。
「でしたら、私と一緒に来てくださいませんか!? 勿論、報酬は出しますよ!」
すると護衛の一人が反応した。
「おい! 俺たちの報酬もあるんだろうな!?」
先程ファイアボールを当てられそうになったやつだ。
その言葉にスピッツが反応した。
「お前らみたいなヘタレ冒険者に、誰が報酬なんて出すか!」
「なんだと!?」
すると、もう一人の護衛が声を出した。
「よせ、スピッツさんの言ってることは正論だ。俺たちは何も出来なかった。……ですがスピッツさん。一応はここまで護衛したんです。流石に報酬0なんて事はないですよね?」
じっとスピッツを見た。
「いいでしょう、そっちの冒険者はともかく、君はしっかりと護衛をしてましたからね。さぁ、キョウサイ殿。盗賊を殺して、行きましょうか」
しかし、強斎は……。
「すまないが、街に入るには身分証明書みたいなのが必要なんだよな?」
「ええ、そうですよ?」
「実は俺はそういうのを持っていないんだ」
「え!?キョウサイ殿は冒険者じゃ……」
「違う。それに、俺はちょっと記憶が曖昧みたいでな……」
完全に嘘である。
「そうだったんですか……」
普通に信じてしまった。
「そして、教えて欲しい事があるのだが……」
………
……
…
(さて、早速試してみますか)
強斎は盗賊のステータスを覗いた。
(リーダーが剣術LV2と体術LV2、それに火属性か。それ以外は一人除いて、剣術LV1か。料理LV1を持ってる奴がいるとは意外だったな)
強斎は盗賊全員のスキルを強奪した。
#
キョウサイ・タカナシ
LV7
HP 44800/44800
MP 185600/185600
STR 5120
DEX 5760
VIT 4480
INT 5760
AGI 5120
MND 37760
LUK 500
スキル
語源理解
超解析
剣術LV4
体術LV2
料理LV1
火属性LV1
MP回復速度上昇LV2
超隠蔽
スキル強奪
レベルアップ時ステータス倍
必要経験値1/100
属性
火
想像魔術(SPユニーク)
#
(属性まで追加されちゃったよ……)
強斎がスピッツの話を断ったのは、スキル強奪を試す為である。
口下手故に、意味のわからないことを言っていたが。
ちなみに強斎が、スピッツに教えてもらった事は、金銭の事だ。
この世界の金銭は100進法で、銅貨100枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚。金貨100枚で白金貨1枚。白金貨100枚で黒金貨1枚だ。
ついでに、強斎はスピッツに銀貨3枚貰った。
強斎は盗賊を縄(スピッツに貰った)で縛り上げ、叩き起こした。
「な、何なんだ!お前!」
盗賊リーダーが、強斎に向けた第一声がこれだ。
「俺のことはどうでもいい。そんなことより、お前らの住処を教えろ」
本来、盗賊の決まった住処なんてそうそうないが、強斎は何となくあるような感じがしたので、訊いてみた。
「ついでに言うと、魔術は使えねぇぞ」
「くっ……」
「で?あるんだろ?住処」
「ひと思いに殺せ!」
すると強斎はスッと立ち上がり、地面を殴った。
ズドン! と言う音が響き、そこにはクレーターが出来ていた。
そして、もう一度。
「あるんだろ?」
………
……
…
結果、大収穫だった。
(まさか、大手の盗賊団だったなんてな)
リーダー盗賊を脅迫して、無理矢理にでも吐かし、その場所に行くと物凄い人数の盗賊がいた。
強斎は殺さずに全員無力化し、縄で縛り、スキルを強奪。
レベルアップはしなかったが、スキルと金銭。武器も手に入った。
#
キョウサイ・タカナシ
LV7
HP 44800/44800
MP 185600/185600
STR 5120
DEX 5760
VIT 4480
INT 5760
AGI 5120
MND 37760
LUK 500
スキル
語源理解
超解析
剣術LV7
刀術LV1
体術LV5
槍術LV5
弓術LV6
盾LV3
大盾LV1
料理LV4
火属性LV2
水属性LV1
風属性LV1
MP回復速度上昇LV3
HP回復速度上昇LV6
アイテムボックス
超隠蔽
スキル強奪
レベルアップ時ステータス倍
必要経験値1/100
属性
火・水・風
想像魔術(SPユニーク)
#
(金は結構あるな……。お、白金貨あるじゃん)
アイテムボックスに突っ込まない強斎であった。
結果手に入れた金銭は……。
白金貨2枚 金貨74枚 銀貨約530枚 銅貨約280枚だ。
(黒金貨は流石に無かったな)
普通は見ることさえ無い黒金貨だから、当たり前なのだ。
(武器と防具は……使えそうなもんだけ装備するか。お、レア度なんてあるのか)
強斎は今まで調べてこなかったが、ほとんどの物にはレア度がついている。
順番にNノーマル、HNハイノーマル、Rレア、HRハイレア、SRスーパーレア、URウルトラレア、SCRシークレットレア、LGRレジェンドレア。
これらが確認されている。
(NとかHNとかどこのカードゲームだよ……)
武器、防具は殆どNやHNで、時々Rが混ざっているぐらいだった。
強斎はHNとRのものだけ取っていくが、そこであるものを見つけた。
#
対魔術刀 SR
何故か魔術攻撃を斬る事ができる
#
(説明雑っ!!)
強斎は刀を持って、そう呟いた。
(しかし、刀か……。刀レベルは低いが、日本人として使命感があるな。それに、性能も中々だ)
そう呟いて、刀を装備した強斎は、この住処から出て行った。
強斎の装備は軽装備で、真っ黒のコートに黒のブーツが防具だ。指貫手袋と眼帯は無い。
コートの中は変わってないので、早急に変えなければならない。
こうして、シッカ王国に向かった。
………
……
…
「え、あ、ああ。そうだ。身分証明書は無い」
「それで?入国の目的は?」
「とりあえず冒険者になろうと」
強斎の口下手のせいで、かなり遠まわしな感じだったが、ようやく本題に戻れた。
「そうか。今から犯罪歴が無いか調べてもらうから、こっちこい」
「了解した」
(テンプレだなー……)
………
……
…
「来たぜ! シッカ王国!」
様々な魔道具を使って、犯罪歴が無い事が判明。
ついでに、盗賊の住処を発見したと報告し、強斎は金貨5枚貰った。
(ほう、この世界にも屋台とかあるんだな。それに安いな)
ここでの銅貨1枚は日本でいう100円だ。
そこで、強斎はある店の前で止まる。
「…………奴隷商店」
スキル名、ユニーク属性名、
漢字、カタカナ、オールOKです
奴隷商店?何が始まるんだろー(棒
感想待ってます