<< 前へ次へ >>  更新
43/127

40話 打ち明けるっぽい

お久しぶりです!

2章っぽいもの開幕です!

「ゼロ、魔王がどこに居座っているのかわかるか?」


 ルナと勇者が別れて数日後、強斎は唐突にそうゼロに訊いた。


 他の奴隷達は、ここにはいない。


「突然ね。どうしたの?」


「まぁ、もうそろそろ、魔界に行こうと思ってな。それと、新しい食材が欲しい」


「要するに、飽きたのね?」


「否定はしない」


「はぁ……。主人はブレないわね」


「で、魔王はどこに居座っている?」


「魔王って、どこの魔王?」


「え?」


「え?」


 二人同時に首をかしげた。


 最初に口を開いたのは、強斎だった。


「どこって……魔王は1体じゃないのか?」


 すると、ゼロは少し呆れた顔になって答えた。


「当たり前じゃない。この人間界と同じで、魔界にも王国ぐらいいくつかあるわよ」


 その言葉を聞き、強斎はある事を確信した。


(……やはり、魔王を討伐したら帰れるってのは嘘だったか……。まぁ、かなり嘘っぽかったしな)


 すると、強斎の中で何かが吹っ切れた。


「……主人?」


 強斎の微妙な変化に、ゼロは気が付いたみたいだ。


 その、疑問に答えるように強斎は小さく笑った。




 そして――――――。




「今から、大切な話をする。ミーシャ達を呼んでくるから、ゼロはここで待っていてくれ」


 強斎は眷属たちに、とあることを打ち明ける決心をした。


………

……


「遂に出発ですか?」


 ものの数秒で、眷属たちを集めた強斎にミーシャがそう問いかける。


「ああ、今日でここを出る。だが、今からするのは、その話じゃない」


 いつにも増して真剣な強斎に、眷属たちは息を呑む。


 そして、強斎は話を続けた。




「――――俺の正体についてだ」




 一瞬、時間が止まったように固まったが、それも直ぐに動き出す。


「主様の正体…………」


 ルナがそう呟いた。


「そう、俺の正体についてだ。……まず、みんなに謝っておこう。そして、俺は、記憶喪失なんかじゃない。俺は――――」

「この世界の人間じゃない。でしょ?」


 ゼロが強斎の言葉を遮ってそう言った。


「……気付いていたのか?」


 すると、ゼロは小さく笑う。


「何を今更。そんなこと、皆知ってるわよ」


 強斎が周りを見回すと、全員頷いた。


(まさか、本当に気がつかれていたとは……)


 以前、ゼロとそのような会話をしたことを思い出す。


「……いつから気がついていた?」


 やはり、気になるのがそれだ。


 全員、確信を持って頷いていたので、それなりの理由があるはずだった。


 最初に答えたのはミーシャだ。


「私は、キョウサイ様が魘されている時に気がつきました。この世界にはない言葉を使っていましたから」


「前者に同じく」


 レイアもミーシャと同じ理由だったようだ。


「ルナはどうなんだ?」


 強斎は、自分が魘されていることを突かれるのが少し恥ずかしかったので、ルナに質問した。


「私も、ミーシャさんやレイアさんと少し似ていますね。魘されているとは違って、主様の独り言からです」


「……俺、なんて言ってた?」


「ゼロさんに出会う前に、『すたんがん』という単語が聞こえてきまして……。その続きを聴いていたら、明らかにこの世界の言葉じゃなかったので」


(あー……あの時か……)


 強斎は苦笑いをするしかなかった。


 ルナが召喚魔術を普通に使えるようになり、ルナの接近戦について考えたのが、事の始まりだ。


(結局、納得がいくスタンガンは完成しなかったな……)


 強斎は今からでも試行錯誤をして作ろうと、少し考えてしまった。


 しかし、その考えも振り切り、最後にゼロに訊いた。


「……ゼロはなんでだ?一番過ごしている時間が少ないはずだが?」


 軽く訊いたのだが、帰ってきた答えは凄まじく破壊力のある回答だった。



「え?だって、私、別世界に行ったことあるもん」


「…………は?」



 強斎は、数秒動くことができなかった。


 だが、その数秒後。強斎は声を振り絞ってもう一度訊き直した。



「ゼロ……一体、なんて言ったんだ?」


「だから、私はこの世界じゃない世界に行ったことがあるの。異世界ってやつね」


 すると、ゼロはどこか遠い物を見るような目になる。


 しかし、強斎はそんなことを気にもせず、ゼロに質問を続ける。


「その世界は何と言う世界だったか知ってるか?」


「ごめんなさい。知らないわ」


「そうか……。じゃあ、その世界から、どうやってこの世界に戻ってきた?」


「それが、よく覚えてないのよ……。まるで、その出来事が夢だったかのような感じ。まぁ、数えるのも億劫になるほど昔のことだし、ただ忘れているだけなのかもね」


 ゼロはそう懐かしむように笑う。


 しかし、強斎はこれだけで十分だった。


(初めから、打ち明けておけば良かったかもな……)


 そう、この世界から抜け出す方法があるという事実だけで十分だった。


 しかし、それと同時に強斎は胸を痛めた。


(そう……だよな。こいつらとも別れが来るんだよな……)


 少しながらでも、この世界から抜け出せる事を喜んでしまった事に、強斎は胸を痛めたのだ。



「キョウサイ様?」


 ミーシャには不思議に思われてしまったようだ。


「……訊かないんだな」


 ポツリと強斎は呟いた。


 その言葉は全員が察することが出来た。



 そう、その意味は――――。



「なんで、俺が元の世界に帰るかどうか訊かないんだ?」


 そう、こういうことだ。



 その疑問に答えたのは、ゼロだった。


「答えを聞いたって意味ないからよ。……だって、最終的には主人が決めるわけだし。それに――――」


 ゼロは全員を一瞥してからこう言った。


「答えを聞きたくない時もあるのよ」


 強斎は初め、この言葉の意味がわからなかった。


 それを見抜いたのか、ゼロが言葉を続ける。


「……それだけ、私たちに愛されているのよ」


 その時のゼロの笑顔は、いつもより数段美しかった。


………

……


「さて、出発する前にステータスの確認だ」


 先ほどの話題が一段落し、ここ数ヶ月行っていなかったステータスの確認のしあいをすることになった。


「そう言えば、私、主人のステータス見たことないわ」


 ゼロがそう言って、強斎を見る。


「あー……そうだったな。まぁ、この機会だ。全員のステータスも確認しておけ」


「わかったわ。主人のは最後にするわね」


「なぜだ?」


「楽しみは最後に取っておくものでしょ?」


「ちょっと、言っている意味がわからんな」


「そんな事、どうでもいいじゃない!さ、まずミーシャから見せて」




ミーシャ


LV77


HP 12000596/12000596

MP 12000361/12000361

STR 900196

DEX 1000233

VIT 900140

INT 900136

AGI 1200255

MND 900131

LUK 20


スキル

体術LV78

剣術LV79

短剣LV92

投擲LV89

弓術LV77

料理LV23

威圧LV86

隠蔽LV65

解析LV42

空間把握LV58

危機察知LV53

状態異常耐性LV80

火属性LV89

水属性LV86

土属性LV96

風属性LV94

光属性LV81

闇属性LV88

HP自動回復速度上昇LV71

MP自動回復速度上昇LV70

超隠蔽

アイテムボックス


属性

火・水・土・風・光・闇




レイア・アンジェリーク


LV78


HP 15002012/15002012

MP 10000301/10000301

STR 1703590

DEX 900141

VIT 900202

INT 900092

AGI 1000709

MND 900191

LUK 30

スキル

攻撃力異上昇

剣術LV85

大鎚術LV90

体術LV88

弓術LV70

料理LV12

威圧LV87

隠蔽LV65

解析LV40

空間把握LV52

危機察知LV60

状態異常耐性LV81

火属性LV88

水属性LV87

土属性LV90

風属性LV85

闇属性LV86

光属性LV80

HP自動回復速度上昇LV74

MP自動回復速度上昇LV69

限界突破

超隠蔽

アイテムボックス


属性

火・水・土・風・光・闇

完全攻撃型(ユニーク)




ルナ


配下数157


LV65


HP 8000481/8000481

MP 18002402/18002402

STR 700132

DEX 700147

VIT 700196

INT 700214

AGI 700153

MND 700231

LUK 40


スキル

体術LV74

棒術LV77

剣術LV72

弓術LV80

料理LV15

調教LV86

威圧LV82

隠蔽LV63

解析LV38

空間把握LV50

危機察知LV52

状態異常耐性LV82

火属性LV82

水属性LV83

土属性LV82

風属性LV80

光属性LV78

闇属性LV84

HP回復速度上昇LV80

MP回復速度上昇LV83

超隠蔽

アイテムボックス

魔物召喚

意思疎通


属性

火・水・土・風・光・闇

召喚魔術(ユニーク)




ゼロ・ヴァニタス


LV35000000


HP 4.32991E+34/4.32991E+34

MP 7.10526E+36/7.10526E+36

STR 5.46208E+30

DEX 4.94052E+30

VIT 5.57430E+30

INT 2.78821E+32

AGI 5.10284E+30

MND 3.72448E+31

LUK 150

スキル

剣術LV70

棒術LV70

弓術LV70

料理LV20

調教LV85

隠蔽LV50

解析LV50

空間把握LV60

危機察知LV60

状態異常無効化

呪系統無効化

火属性LV90

水属性LV90

土属性LV90

風属性LV90

光属性LV90

闇属性LV90

虚無属性LV99

HP自動回復速度上昇LV90

MP自動回復速度上昇LV90

魔術攻撃力増加LV90

魔術防御力増加LV90

物理攻撃力増加LV90

物理防御力増加LV90

回復系統魔術Ⅸ

限界突破

超越者

覇者

超隠蔽

精霊の威圧波動Ⅳ

アイテムボックス


属性

火・水・土・風・光・闇・虚無(全属性オールアトリビュート

神の回復魔術(SPユニーク)

虚無の精霊王(???)

世界を破壊する者(???)



「ゼロって本当に強かったのね」


 ミーシャが驚きを隠せない様子で、ゼロのステータスを見ていた。


「あなたたちも、かなり強いわよ?私の知る限りの魔王と、5対1で遊べるぐらい。それに……」


 ゼロは視点を強斎に移す。


 すると、自然と全員の視線が強斎に集まった。


 そして、ゼロは口を開いた。


「主人のステータスを見たら、こんなことも言えなくなるんでしょ?」


「キョウサイ様と比べてはいけませんよ」


 ミーシャが苦笑い気味に言う。


 レイアとルナも力強く頷いていた。


「どんなステータスなのか、楽しみね」


 ゼロは小さく笑って強斎をじっと見る。


「…………」


 しかし、強斎は無反応だった。


 そもそも、確認すると言ってから、ピクリとも動いていないような気がするほど、固まっていた。


「主人?」


 ゼロが強斎の体を少し揺すると、強斎は我に返った。


「はっ……!」


「『はっ……!』じゃないわよ。一体どうしたのよ?」


「いや、今までステータスを確認しなかった自分が、情けなく思ってた」


「ちょっと、主人?本当にどうしちゃったの?」


「まぁ、俺のステータスを見てくれ」




 強斎が見せたステータス。



 それは、とんでもないものだった。






キョウサイ・タカナシ


配下数99999+


LV193


HP 4.39397E+60/4.39397E+60(-35000000)

MP 1.82035E+61/1.82035E+61(-40000000)

STR 5.02168E+59(-3300000)

DEX 5.64939E+59(-2600000)

VIT 4.39397E+59(-2500000)

INT 5.64939E+59(-2500000)

AGI 5.02168E+59(-2900000)

MND 3.70349E+60(-2500000)

LUK 500




スキル

言葉理解

超解析Ⅳ

剣術LV90

刀術LV99

二刀流LV99

細剣術LV99

投擲LV50

大槌術LV50

棒術LV50

体術LV90

槍術LV97

弓術LV50

盾LV96

大盾LV93

調教LV99

解析LV12

空間把握LV80

危機察知LV92

料理LV94

潜水LV82

吸血LV50

薬剤生成LV33

武器生成LV42

生活魔術

灼熱の息

極寒の息

落雷操作

天変地異の発動

無双

魔物召喚

意思疎通

死霊指揮

火属性LV80

水属性LV80

土属性LV80

風属性LV80

闇属性LV80

光属性LV80

虚無属性LV60

HP回復速度上昇LV75

MP回復速度上昇LV75

アイテムボックス

超隠蔽Ⅱ

状態異常無効化

呪系統無効化

全てを超越した威圧

限界突破

超越者

覇者

聖騎士

万能騎士

竜殺し

神殺し

スキル強奪

レベルアップ時ステータス倍

眷属ステータス分配

眷属スキル分配Ⅱ

必要経験値1/100


属性


火・水・土・風・闇・光・虚無(全属性オールアトリビュート

想像魔術(SPユニーク)

竜の王(ユニーク)

召喚魔術(ユニーク)

死霊魔術(ユニーク)

竜の上に立つ存在(???)

世界を破壊する者(???)

神を超えた者(???)

神を殺した者(???)

最強の宿命(???)




「「「「…………」」」」




 ――――無言。




 既に慣れたはずの眷属たちが、何も言えずに無言になっていた。


 眷属たちは皆、しっかりと受け入れている。


 しかし、どこか受け入れてはいけないと、ストップをかけているのだ。


 強斎ですら、戸惑っている。


 このステータスを、直ぐに受け入れろと言う方が無理なのだ。




 無言になること数分。


 ようやくミーシャが口を開いた。


「……キョウサイ様。一体、いつ神様を殺したのですか?」


 ミーシャはどこか遠い目をしていた。


 その質問に強斎はこう答えた。


「……覚えていない」



 こうして、一つの神がこの世から消え去った。

さて、強斎は一体何の神を殺してしまったのでしょうか?

この数ヶ月、何があったのでしょうね?


追記

主人公のステータスですが、ここで1度おさらいです。


E+は+分だけ0が追加されます


HPで例えるとE+60なので

4000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000


4那由多ですね!



次回もお楽しみに!



今週と来週は自分の都合により更新速度が激減します。

本当に申し訳ございません。


これからも『巻き込まれて異世界転移する奴は、大抵チート』をよろしくお願いします。

<< 前へ次へ >>目次  更新